『STRANGER THAN HEAVEN』を3時間プレイした感想!RGGスタジオの新たな挑戦は予想以上に大胆だった

戦闘からサイド要素まで『STRANGER THAN HEAVEN』を約3時間プレイして、最も強く感じたのは以下の3点だ。 20世紀初頭の差別が人間の人格形成に与える影響を描いたシリアスな物語でありながら、意図的に時代考証から外れた要素も盛り込まれている。 パリィを中心とした戦闘システムは、コツをつかむと非常によく機能する。 音楽が文化的な壁を越えるというテーマに沿った、音楽やクラブの経営など、非常に完成度の高いミニゲームが用意されている。 今年初めに『STRANGER THAN HEAVEN』を初めて試遊したとき、私は複雑な気持ちを抱いていた。全体的には好印象だったものの、テンポが遅く、ぎこちなさの残る戦闘システムが今後改善されるのか、不安もあったのだ。そのときのデモは45分間で、十分な説明もないまま、いきなり戦闘に放り込まれる内容だった。しかし、今回の新たな3時間のデモでは、物語の冒頭からプレイし、数十年にわたるストーリーの一端を体験できた。さらに、それぞれの時代を象徴する街を探索し、そこに用意された新しいミニゲームの数々も楽しめた。当然、調整が施された戦闘システムにも、じっくり触れることができた。その結果、RGGスタジオの最新作に対する私の評価は、180度変わったと言っていい。つまり、今では「龍が如く」シリーズを生み出したチームの最新作に、すっかり夢中になっているのだ。 極道の生き様 『STRANGER THAN HEAVEN』の設定には、初公開のときから強く惹かれていた。日米の関係が激動する時代を舞台に、混血の男性の人生を数十年にわたって描き、やがて1960年代の神室町における東城会の始まりへとつながっていく物語だ。「龍が如く」シリーズの全作品をプレイしてきた私にとって、非常に心に響くものになる可能性を感じている。私自身、混血であることや、社会の中で自分の居場所を見つける難しさをよく知っている。それだけに、本作はゲームの物語ではほとんど扱われてこなかったテーマに踏み込んでいるように思えた。 物語は1915年のサンフランシスコから始まる。主人公の大東誠は、身に覚えのない犯罪の現場から逃れ、街を脱出しようとしている。しかし、彼を追う悪徳警官たちにとって、真犯人が誰なのかはどうでもいい。「外国人」に罪をなすりつければ、それで一件落着なのだ。それにしても、アジア系の人に向けられた昔ながらの差別的な蔑称を耳にするのは、ずいぶん久しぶりだった。だが、こうした描写によって、当時の黄色人種が直面していた差別が、物語の基調として明確に示されている。 ありがたいことに、複雑な戦闘システムのチュートリアルを兼ねて、そんな警官たちを思い切りぶちのめすことができる。誠はサンフランシスコ湾を出る最後の船に密航者として乗り込み、船員たちとの乱闘を経て、スヌープ・ドッグが演じるオルフェウスという人物と出会う。そして、日本の小さな街、小倉へとたどり着く。 オルフェウスについて、ひとつ言っておきたいことがある。スヌープ・ドッグの起用は、本作が描こうとしている物語に、意外とうまくかみ合っているように思える。というのも、物語の一部では、社会からはみ出した人々が音楽を通じて共同体を見つけていくことが描かれているようだからだ。ディレクターの阿部幹信氏が語っていたことのひとつに、『STRANGER THAN HEAVEN』は必ずしも時代考証の正確さを目指していない、というものがある。時代にそぐわない要素を盛り込むことで、作品世界の説得力が損なわれる可能性はある。しかし、そうした演出が今後どのように展開されるのか、もっと見てみたい。 スヌープ・ドッグには、かなり自由に彼らしさを発揮させているようだ。オルフェウスは誠に手巻きタバコの作り方まで教えてくれる。しかも、これは単なる演出ではなく、一時的にステータスを強化するタバコを作るという、実際のゲームシステムにもなっている! とはいえ、『STRANGER THAN HEAVEN』の物語は、全体としてはよりシリアスな雰囲気を帯びている。今回プレイした小倉のストーリーパートでは、誠は内気なよそ者として描かれていた。彼の深い青色の瞳は、周囲とは異なる出自を否応なく示してしまう。そして、本来なら故郷であるはずの日本でも、彼は再び差別を受けるのだ。誠は、倒すよう命じられた犯罪組織のボスに近づくため、ある飲食店で松本タエという接客係の女性と出会う。カットシーンでは、誠が明らかに社交性に欠けていること、あるいは自分自身の出自に恥を感じていることが、力強く伝わってくる。彼は不安に駆られながらも、根が正直な人間であるために、ついに取り繕うことができなくなる。そして、誠とタエは互いの本当の目的を打ち明けることになる。 この一連の場面には15分以上のカットシーンが含まれていたが、私は最初から最後まで完全に引き込まれていた。RGGスタジオと「龍が如く」シリーズは、以前から映像演出と俳優の演技において、業界でも屈指の水準を誇ってきた。そして『STRANGER THAN HEAVEN』は、その実力が今なお健在であることを証明している。細やかな描写に多くを語らせることで、登場人物同士の関係性を説得力のあるものとして描き出しているのだ。 拳で語り合う デモはその後、小倉にある工場への襲撃シーンへと飛んだ。そこでは、先ほどの犯罪組織のボスによってタエが監禁されていたが、そこに至るまでの経緯はほとんどわからなかった。しかし、この場面で戦闘システムの真価が発揮された。相変わらず動きはやや鈍く、多数の敵を相手にすると少々混乱することもある。それでも、一手一手を慎重に判断する戦闘の面白さが、はっきりと見えてきた。左右のバンパーボタンがそれぞれ左と右の弱攻撃に、左右のトリガーボタンがそれぞれの強攻撃に対応している。理屈の上では優れたアイデアだ。そして、相手の攻撃の方向を見極めて繰り出すパリィの仕組みを理解すると、戦闘を流れるようにこなせるようになった。ガードボタンを押しながら、左か右の弱攻撃をタイミングよく入力すると、パリィが成立して相手をよろめかせることができる。重要なのはタイミングだけではない。敵の攻撃モーションをよく観察し、攻撃がどちらの方向から来るのかを正しく判断しなければならないのだ。そう、『STRANGER THAN HEAVEN』もパリィシステムを採用した数多くのアクションゲームの仲間入りを果たした。しかし、この一見ささいな仕組みこそが、戦闘をより奥深いものにする決定的な違いになるかもしれない。

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