史上最高のRPGスタジオ、BioWareの軌跡

今も昔も、優れたRPG開発スタジオは数多くあるが、30年以上にわたってBioWareが成し遂げてきたことに並ぶものはいないBioWareは死んだ。私の胸中では、怒りと悲しみ、そしてあえて『ファイト・クラブ』の台詞を借りるなら「ジャックは少しも驚きません」というあの感情が、奇妙に入り混じっている。今年、この伝説的なRPGスタジオの親会社は、投資家グループによって買収された。歴史が示すように、ベンチャーキャピタルは手を触れたものをしばしば死に追いやり、そこから引き出せる価値をすべて搾り取ってから、次の犠牲者へと移っていく。これは、純粋そのものとして始まったBioWareの創業当初の理念とは、なんとも対照的である。現役の医師だったレイ・ムジカとグレッグ・ゼシュクは、コンピューターRPGを作るという夢を追うために医師を辞めた。たしかに、その後、現在までにスタジオは2度ほど買収や売却を経験してきたし、BioWareの近年の成果が輝かしい過去に見合っていないのも事実だ。それにしても、このスタジオが残してきた遺産の、なんと大きなことか。 Larian Studiosが開発した『バルダーズ・ゲート3』は、The Game Awards 2023でGame of the Yearを受賞し、ほかのさまざまなアワード・メディアからも高い評価を得た。この作品のおかげで、今や誰もが「バルダーズ・ゲート」シリーズを知っている。だが、若いゲーマーの中には、「バルダーズ・ゲート」シリーズ最初のRPG2作が90年代後半にBioWareによって開発されたことを知らない人もいるかもしれない。この2作はBioWareの初作品ではない――その栄誉は、1996年のメカアクションシミュレーション『Shattered Steel』に譲る――。それでも、BioWareの名を世に知らしめたのは「バルダーズ・ゲート」だった。どちらも『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のルールセットに基づく、非常に奥深く広大なRPGで、200時間以上遊べるボリュームを備えていた。当時、この2作はCRPGで実現できることの基準を塗り替えた。こう言えば伝わるだろう。1998年には、「バルダーズ・ゲート」シリーズの第1作があの『Half-Life』を抑え、IGNのGame of the Yearを受賞していたのだ。「バルダーズ・ゲート」は、それほどまでに優れた作品だった。 2000年の素晴らしいアクションゲーム『MDK2』というもうひとつの寄り道を経て、BioWareは『Neverwinter Nights』でロールプレイングゲームに戻った。本作もまたCRPGであり、ビデオゲームというものを、親友兼ダンジョンマスターの家でピザパーティーをしながら紙とペンで遊ぶD&Dに近づけた。それも「それまでのどの作品よりも」と言えるほどに。本作はIGNの2002年ベストロールプレイングゲーム賞で次点となった。上にいたのはたった1作、若い人も聞いたことがあるかもしれない、『The Elder Scrolls III: Morrowind』という、「ちょっとした」作品だけだった。 それまでBioWareは、PCゲーム界隈では主に優れたCRPG開発スタジオとして知られていた。そこへMicrosoftがBioWareおよびLucasArtsと契約を結び、登場したばかりのXBOX向けに独占の新作「スター・ウォーズ」RPGを開発することになった。その結果がどうなったかは、もうご存じだろう。生まれたのは、まったく非の打ちどころのない『STAR WARS: Knights of the Old Republic』(以下、KOTOR)だ。本作は、私が個人的に史上もっとも好きなロールプレイングゲームでもある。私の好みを差し引いても、史上最高峰のRPGのひとつであることは疑いようがない。「スター・ウォーズ」のゲーム史上におけるトップ3入りは確実で、1位に推すだけの強い根拠もある。本作は「スター・ウォーズ」世界の遠い過去を舞台に驚くべき物語を描き、フォースのライトサイドにもダークサイドにも、本当に身を委ねさせてくれた。本作でそうできるというだけで、私は徹底して悪に走った! それだけでなく、本作はそうした選択を受け止めてくれた。あるとき、ある人物を三重に裏切ったことを今もはっきり覚えている――すでに裏切っていた相手を、もう一度裏切ったのだ。本作のどんでん返しは伝説的だ。長年開発地獄にあるリメイク版が万が一発売されることになったときのため、ここではネタバレを避けておこう。多くの惑星を訪れること(キャッシークも!)、仲間たちとの絆を深めること(お気に入りのドロイド、HK-47にも触れておこう!)、あるいはターン制の戦闘システムで攻撃を積み重ねながら邪悪なフォース攻撃を計画すること――どれをとっても、KOTORは愛されるIPと業界を牽引する開発スタジオの究極の組み合わせだった。

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