『Deepest Trench』レビュー:酸素残量とサメの影に追われながら、マリアナ海溝の謎に挑む深海協力パズルアドベンチャー #deepesttrench

『Deepest Trench』は、マリアナ海溝の深部で行われる極秘の軍事作戦を舞台にした、物語主導の水中協力パズルアドベンチャーだ。

光を飲み込む深海の施設へと潜り、減り続ける酸素と捕食者の脅威にさらされながら、2人のダイバーで仕掛けを解いていく。薄暗い海底の空気感と、息を合わせて危機を切り抜ける協力プレイのスリルが噛み合った一本となっている。

マリアナ海溝の底で待つ、極秘作戦と水没施設の謎

物語は、ロブとマリアの2人が小型潜水艇でマリアナ海溝の深淵へと降り立つところから動き出す。極秘の軍事ミッションとして始まった潜行は、やがて海底に眠る施設と、そこに隠された謎を追う探索へと姿を変えていく。

深海の青暗い水中に浮かび上がる基地の照明や、揺らめく海藻、静まり返った通路の描写には独特の没入感がある。不気味でありながらもどこか美しい海底の景色が、「この先に何があるのか」という好奇心を自然と引き出してくれる。

施設の各所には音声記録(Audio Evidence)などの手がかりが残されており、それらを拾い集めることで海底で起きた出来事の輪郭が見えてくる。深海のあちこちには思わずニヤリとするイースターエッグも隠されているほか、選択によって分岐するマルチエンディングも用意されている。

画面分割・Remote Playで息を合わせる2人協力パズル

ゲームプレイの核となるのは、2人のキャラクターが連携して進むパズルと探索だ。ローカルでの画面分割(スプリットスクリーン)や、SteamのRemote Play Togetherを使った2人協力プレイに対応している。

電動ドリルで通気口のカバーを外したり、離れたコンソールで同時にレバーを引いて電力を復旧させたり、未接続のケーブルやバッテリー、エンジン部品を運んでポンプを再稼働させたりと、手分けして進める仕掛けが次々に現れる。パズル自体は直感的で詰まりにくく、物語のテンポを止めずに先へ進めるバランスだ。

もちろんソロプレイにも対応しており、1人で遊ぶ際はキー操作ひとつでロブとマリアを切り替え(Swap)、もう一方を追従(Follow)させながら進むことができる。ただし、バッテリーやケーブル、タンク類を手に持っている間は速く泳げないため、2人で分担したほうがずっとスムーズに攻略できる設計だ。

減り続ける酸素と、暗がりから迫るサメのプレッシャー

水中探索に絶えず緊張感を与えているのが、左下に表示される酸素(O2)ゲージの存在だ。行動している間も酸素は刻々と減っていくため、施設内の酸素補給ステーションや各地に置かれた酸素タンクの位置を把握しながら動く必要がある。

さらに、暗い海水中には巨大なサメなどの危険な生物が潜んでいる。ヘッドライトの光が照らし出した先に鋭い歯が迫る瞬間は思わず声が出るほどの迫力で、後半に手に入るハープーン(銛銃)や施設内の爆発といった展開も相まって、静かな探索は一転してパニックへと変わる。

とくにフレンドと2人で遊んでいるときは、道に迷いながら酸素ステーションへ必死に駆け込んだり、サメから逃げ惑ったりする「深海のドタバタ劇」が実に盛り上がる。緊迫感のなかに協力ゲームならではの笑いがしっかりと詰まっている。

気になったのはチェックポイントの仕様と水中ナビゲーション

一方で、いくつか惜しい点も目につく。もっとも気になったのはチャプター途中に細かいチェックポイントがないことで、サメに襲われたり酸素切れになったりして倒れると、そのチャプターの最初からやり直しになってしまう。

また、冒頭のカットシーンや道中の2人の掛け合いがやや長めで、会話中にキャラクターの操作が止まる場面がある。チャプターを最初からやり直す際にも同じ会話を聞くことになりやすく、男性主人公ロブの淡々としたボイス演技とあわせて好みが分かれるところだ。

左上のミニマップや目標表示だけでは次の行き先が分かりにくい場面もあり、上下左右に広がる水中のカメラ操作や浮力感にも少しクセがある。日本語には未対応で英語の音声・字幕で進める必要がある点や、Remote Play Together利用時にオブジェクト操作で進行が引っかかる場合がある点もあらかじめ押さえておきたい。

こんな人にオススメ

フレンドと画面分割やRemote Play Togetherで、声を掛け合いながら遊べる協力型アドベンチャーを探している人にまずオススメしたい。2人でパニックになりながら深海の基地を探索する体験は、配信や通話プレイとの相性も抜群だ。

また、マリアナ海溝というロマンあふれる深海の舞台や、謎めいた海底施設を調査するストーリー物が好きな人にも向いている。パズルの難易度はほどよく、5〜6時間ほどでクリアまで駆け抜けられるまとまりの良さも魅力だ。

操作感やチェックポイントの仕様に荒削りな部分は残るものの、暗い海の底をライトひとつで切り開いていく空気感には確かな引力がある。相棒と一緒に深淵へ飛び込んでみてほしい一本だ。

ゲーム概要

  • タイトル:Deepest Trench
  • ジャンル:アクション/アドベンチャー/パズル
  • 開発:Favor Games
  • 販売:Favor Games
  • 発売日:2024年10月30日
  • 価格:1,700円
  • 対応OS:Windows
  • プレイ人数:1〜2人(共有/分割画面での協力プレイ、Remote Play Together対応)
  • コントローラー:フルコントローラサポート(ゲームパッド推奨)
  • 言語:日本語未対応(英語インターフェイス・音声・字幕、フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・トルコ語字幕)
  • Steamストア

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