止まれない恐怖、終わらない線路。ローグライクホラー『Oni Station』レビュー #OniStation

2023年10月3日、Crit42 Studioが開発・販売を手掛ける新作ホラーゲーム『Oni Station』がSteamにてリリースされた。記憶を失い、謎の列車で目覚めたプレイヤーを待っていたのは、じりじりと減り続ける燃料メーターと、背後に迫る「何か」の気配。駅に停車し、燃料を探し、ただひたすらに逃げ続ける。このシンプルかつ根源的な恐怖に満ちたゲームプレイは、我々に何をもたらすのか。その身一つで、終わりのない線路へと飛び込んだ。

資源か、時間か。究極の二択を迫るゲームプレイ

本作のルールは極めてシンプルだ。列車を走らせ、燃料が尽きる前に駅で燃料を補給し、追いつかれる前に出発する。ただそれだけ。しかし、この単純な繰り返しが、とてつもない緊張感を生み出している。駅に停車している間も、追跡者は刻一刻と接近してくる。限られた時間の中で、暗く不気味な駅構内を探索し、燃料や懐中電灯のバッテリーといった貴重な資源を探し出さなければならない。

「あと少し探索すれば、もっと燃料が見つかるかもしれない」「いや、もう追いつかれる寸前だ、すぐに出発すべきだ」。このリスクとリターンの天秤は、常にプレイヤーの判断力と度胸を試す。まさにアドレナリン全開のタイムマネジメント。このギリギリの駆け引きこそが、『Oni Station』の心臓部であり、プレイヤーを沼の底へと引きずり込む魔力なのだ。

無限に続く駅と、一筋の光「ガチャ」

プレイヤーが訪れる駅の組み合わせは無限。ローグライク要素によって、プレイするたびにマップの構造が変化し、新鮮な恐怖と探索が待ち受ける。時には大量の資源に恵まれ、時には空振りに終わる。このランダム性が、高いリプレイ性を生み出している。

そして、この絶望的な逃避行における数少ない娯楽が、列車内に設置されたガチャマシンだ。探索で見つけたコインを投入すれば、ランダムでアイテムが手に入る。窮地を救う燃料か、鬼から一度だけ身を守るお守りか。何が出るかわからない一喜一憂は、張り詰めた空気の中での貴重な息抜きとなる。もちろん、ガチャに夢中になりすぎて、背後を疎かにしてはならないのだが。

姿は見えない、だからこそ怖い

本作の恐怖は、派手な演出やグロテスクな表現によるものではない。それは、常にすぐ後ろにいる「何か」の存在感そのものだ。列車の明かりが点滅し始めたら、それは追跡者がすぐそこまで来ている合図。暗い駅の通路の向こうから聞こえる不気味な音。姿が見えないからこそ、プレイヤーの想像力は掻き立てられ、恐怖は増幅される。

角を曲がった瞬間に鉢合わせするかもしれないという恐怖に、心臓は常に早鐘を打つ。これは、お化け屋敷のスリルとは異なる、狩られる側の本能的な恐怖だ。

荒削りだが中毒性の高い、純粋な恐怖体験

『Oni Station』は、まだ発展途上の作品であり、いくつかのバグも報告されている。しかし、それを補って余りあるほど、ゲームのコアとなるアイデアは魅力的で、中毒性が高い。価格を考えれば、この純粋な恐怖とスリルは破格と言えるだろう。

オンラインランキングで他のプレイヤーと生存距離を競うのも熱い。必要なのは、緻密な計画と、一瞬の判断力、そして恐怖に打ち勝つ強い心だけだ。さあ、あなたはこの終わらない線路の先で、何を見るのだろうか。

ゲーム概要

タイトルOni Station
開発元Crit42 Studio
パブリッシャーCrit42 Studio
ジャンルホラー, ローグライク, アーケード
プラットフォームPC (Steam)
発売日2023年10月3日
価格580円
日本語対応なし
Store URLSteamページ

関連性のありそうな記事