2019年のリリース以来、コアな工場自動化ファンを魅了し続けてきた『Evospace』。美しいボクセルの世界で、ひたすらに生産ラインの構築と効率化を追求する本作が、大型アップデート「0.20.0」を配信した。
エネルギーや研究、レシピといった根幹システムにまでメスを入れるという、まさに新時代の幕開けを告げるにふさわしい内容だ。本稿では、このアップデートによって新たな次元へと進化した本作の魅力に、改めて迫っていきたい。
根幹から変わる、新たな工場体験
今回のアップデートは、単なるコンテンツ追加ではない。エネルギーの概念が一新され、新たに蒸気機関や高圧電線といった技術が登場。既存の機械のビジュアルも刷新され、見慣れたはずの自分の工場が、まるで別のゲームのように感じられる。特に、研究システムから回路の必須要件が撤廃され、代わりに研究速度をブーストする要素へと変更された点は大きい。
これにより、序盤のテンポが改善される一方、高レベルの研究コストは指数関数的に増加するという、新たな挑戦がプレイヤーを待ち受ける。既存のセオリーが通用しなくなった世界で、再び最適なラインを模索する。この試行錯誤こそ、本作の醍醐味と言えるだろう。
敵はいない、ただ己の設計思想と向き合う時間
『Evospace』の世界に、プレイヤーを脅かす敵は存在しない。あるのは、広大な大地と豊富な資源、そして無限の可能性だけだ。戦闘やサバイバル要素から解放された環境は、プレイヤーを純粋な「設計と思考の沼」へと引きずり込む。
地面を掘り、鉱石を手に入れ、炉で溶かし、新たな機械を作る。やがて手作業はコンベアとロボットアームに置き換えられ、自動化された生産ラインが大地を脈動し始める。美しい景観の中に、無骨な機械群が煙を上げながら稼働していく様は、どこか背徳的でありながら、抗いがたい魅力に満ちている。誰にも邪魔されず、ただひたすらに自身の設計思想と向き合い、理想の工場を追求できる。これほどまでに贅沢な時間はないだろう。
複雑怪奇、だからこそ美しい生産ライン
本作の生産チェーンは、他の同ジャンルのゲームと比較しても、際立って複雑だ。鉱石をただ炉にくべるだけではない。粉砕し、洗浄し、分離することで、より多くの資源や副産物を得ることができる。熱、動力、電気、蒸気といった複数のエネルギーを適切に管理し、液体や気体といった異なる性質の資源をパイプで輸送する。
最初は小さなラインだったものが、技術の発展と共に複雑に絡み合い、階層を成していく。上位の素材を作るためには、幾重にも連なった生産ラインを構築する必要があり、その一つが滞れば、工場全体が機能不全に陥る。頭を抱え、何度も設計図を引き直し、ようやく全てのラインがスムーズに稼働した瞬間の達成感は、筆舌に尽くしがたい。無数の機械が有機的に連携し、一つの生命体のように稼働する様は、もはや芸術の域に達している。
無限の可能性を秘めたModdingと未来
今回のアップデートで、LuaスクリプトによるModding APIが大幅に拡張されたことも見逃せない。マップ生成からUIに至るまで、プレイヤーがゲームの根幹にアクセスし、自由にカスタマイズできる土壌が整ったのだ。これは、本作が今後、コミュニティと共に成長していくという開発者の強い意志の表れだろう。
早期アクセスということもあり、まだ荒削りな部分や、日本語に対応していないというハードルは存在する。しかし、その複雑なシステムは言語の壁を超える魅力を持っており、自動化ガチ勢であれば、レシピとにらめっこしているうちに必要なことは理解できるだろう。それを補って余りあるほどの奥深さと中毒性がここにはある。終わりのない効率化の旅に、あなたも足を踏み入れてみてはいかがだろうか。気がつけば、窓の外が明るくなっているはずだ。
ゲーム概要
| タイトル | Evospace |
| ジャンル | 3D工場自動化、サンドボックス、クラフト |
| 開発元 | Quantum Rivet |
| プラットフォーム | PC (Steam) |
| 発売日 | 2019年2月15日 (早期アクセス) |
| 価格 | 1,520円 |
| 日本語対応 | 非対応 |
| Store URL | https://store.steampowered.com/app/1013540/Evospace/ |