かつて、私たちは暗闇に潜む何かに怯えていた。しかし、今度は私たちが「恐怖」そのものになる番だ。
2026年1月28日、Quest Craftが手掛ける新作ストラテジー『Ghost Keeper』の早期アクセス版が配信開始された。本作は、19世紀イギリスのヴィクトリア朝時代を舞台に、プレイヤーがゴーストやモンスターを使役して、生意気な人間どもを恐怖のどん底に突き落とし、その場所から追い出すという「逆ホラー」ゲームだ。
どこか懐かしさを感じさせつつも、現代的なビジュアルとユーモアで構築された本作の魅力を、実際にプレイした感覚と共にお伝えしよう。
恐怖をデザインする愉悦
ゲームを起動して最初に目を引くのは、その緻密に描き込まれたヴィクトリア朝の風景だ。薄暗い屋敷、霧の立ち込める墓地、そして不気味な歯科医院。静寂に包まれたこれらの場所に、私たちの「手下」を配置していく感覚は、まるで舞台の演出家になったかのようだ。
本作の肝は、操作するクリーチャーたちの多様性と戦略性にある。 プレイヤーが操れるのは、ただの幽霊だけではない。悪魔、野獣、さらには「やる気のないデブ猫の霊」や「情緒不安定な詩人」といった、個性が強すぎる連中ばかり。彼らにはそれぞれ固有のスキルが用意されており、それらをどう組み合わせて人間にぶつけるかが、このゲーム最大の醍醐味だ。
「死」よりも恐ろしい「狂気」を植え付ける
実際にプレイしてみると、単に脅かすだけではない奥深さに気づかされる。 ターゲットとなる人間たちは、それぞれ異なる恐怖への耐性を持っている。例えば、ある部屋で凄惨な事件を起こせば、AIはその場所を「呪われた場所」として認識し、次からはそこを避けるようになる。
筆者が特にお気に入りなのは「ゴーストウルフ」だ。彼は小細工を一切せず、獲物の喉笛を狙って物理的なダメージを与える。だが、それだけでは能がない。狡猾にトラップを仕掛け、徐々にターゲットの精神を追い詰め、最後には絶叫と共に屋敷から逃げ出させる――その瞬間、心の底から「いい気味だ!」という黒い喜びが湧き上がってくるのを禁じ得なかった。
聖なる光の干渉と戦術的ジレンマ
もちろん、人間たちもただ怯えているだけではない。 「ブラザーフッド(光の同胞団)」という、いわゆるゴーストハンターたちが介入してくるのが本作の厄介なところだ。彼らはクリーチャーたちを吸い込み、消滅させてしまう強力な力を持っている。
彼らが現れた瞬間にゲームの緊張感は一気に跳ね上がる。正面から戦うのか、それとも環境を利用して巧妙に追い出すのか。クリーチャーのエネルギー管理を意識しつつ、刻一刻と変わる状況に対応するタクティカルな面白さは、早期アクセス版とは思えないほどしっかりとした手応えを感じさせてくれる。
総評:荒削りながらも輝く「恐怖の番人」への道
現時点では早期アクセスということもあり、UIの粗さやボリューム不足、一部のバグは見受けられる。しかし、それは裏を返せば伸び代でしかない。開発チームはプレイヤーのフィードバックに非常に意欲的であり、今後のアップデートでより多くのロケーションやクリーチャー、そして洗練されたAIが実装されることが期待できる。
何より、かつての傑作『Ghost Master』の魂を現代に蘇らせようとするその情熱は本物だ。自分だけの恐怖の軍団を編成し、夜の支配者として君臨する快感。一度味わえば、もう人間側の視点には戻れないかもしれない。
ゲーム概要
- タイトル: Ghost Keeper
- ジャンル: ストラテジー / パズル / 逆ホラー
- 発売日: 2026年1月28日(早期アクセス)
- 価格: 1,500円
- 開発元: Quest Craft
- パブリッシャー: Gaming Factory, Quest Craft
- 対応言語: 日本語字幕対応
- 特徴:
- 7体の個性豊かなクリーチャーを操作可能
- ヴィクトリア朝をテーマにした6つのユニークなロケーション
- キャンペーンクリア後に解放される自由度の高いサンドボックスモード
- 戦術的なスキルカスタマイズとエネルギー管理システム
- ストアリンク: Steamストアページ