ディアブロ×DOOMな中毒性!古き良き撃ち心地とハクスラが融合したFPS RPG『Second Sun』プレイレビュー #SecondSun

昨今の美麗なグラフィックと映画のようなストーリー重視のAAAタイトルに、少し疲れを感じてはいないだろうか。「細かいことはいいから、とにかく撃ちまくりたい」「無心で装備を掘りたい」。そんなプリミティブな欲求を抱えるゲーマーに、とあるインディーゲームが刺さっている。

2025年11月にリリースされた『Second Sun』だ。

本作は、魔法とテクノロジーが混在するポストアポカリプスな世界を舞台にしたオープンワールドFPS RPG。一言で表現するなら「FPS視点のディアブロ」あるいは「RPG要素のあるDOOM」といったところか。実際にプレイしてみると、その粗削りながらも妙な中毒性のあるゲームループに時間を吸われてしまった。本稿では、この隠れた「スルメゲー」の魅力をお届けする。

2000年代の「撃ち心地」がここに蘇る

ゲームを開始して最初に感じるのは、強烈な既視感とノスタルジーだ。本作の挙動は、現代のリアル志向なFPSとは一線を画している。

移動スピードは速く、銃のエイム(ADS)機能は存在しない。腰だめ撃ちで走り回りながら、押し寄せる敵の群れをなぎ倒していくスタイルだ。この「走って、撃つ」というシンプルな動作が、驚くほど手触りが良い。ショットガンの轟音、敵が弾け飛ぶエフェクト、そして耳に残るヒットサウンド。これらは『Quake』や『Painkiller』、あるいは初期の『Serious Sam』を彷彿とさせる。

「Boomer Shooter(おっさんシューター)」と形容されるジャンルに近いが、そこにRPGの成長要素が加わることで、単なるアクションゲーム以上の深みが生まれている。頭を空っぽにしてトリガーを引き続ける快感は、仕事終わりの疲れた脳に効く劇薬のようだ。

終わらない「掘り」の快楽

本作の真骨頂は、やはり「ルーターシューター(ハクスラ)」としての完成度だろう。

敵を倒せば、色とりどりの光の柱が立ち上がる。白、緑、青、紫……。レアリティごとの輝きを見るだけで、脳内でドーパミンが分泌されるのがわかる。武器や防具にはランダムなステータスが付与されており、「冷気ダメージ追加」や「クリティカル率アップ」といった効果を厳選していく作業がたまらなく楽しい。

クラスは「Marauder(戦士系)」「Sentinel(レンジャー系)」「Diviner(魔法使い系)」などが用意されており、それぞれスキルツリーが存在する。正直なところ、スキルツリー自体はそこまで複雑ではないのだが、ドロップした強力な武器に合わせてプレイスタイルを柔軟に変えていく過程が面白い。「今の俺は火炎魔法使いだが、すごいレジェンダリーのアサルトライフルを拾ったから、これからは銃撃戦メインで行く」といったライブ感が味わえるのだ。

ダンジョンは自動生成され、潜るたびに構造や敵の配置が変わる。構造自体は似たり寄ったりになることもあるが、戦闘のテンポが良いのであまり気にならない。「あと1回だけダンジョンを回ったら寝よう」と思ってから、気づけば2時間が経過している。そんな魔力がこのゲームにはある。

粗さはあるが、それが「味」になる

もちろん、本作は少人数のインディーチームによる情熱の産物であり、手放しで「完璧」とは言えない部分もある。

グラフィックは一見美しいが、よく見ればアセットの使い回しもあるし、キャラクターのアニメーションは少々硬い(逆にそれがレトロ感を醸し出しているとも言えるが)。UIは20年前のPCゲームのように小さく、現代的な親切設計に慣れていると戸惑うかもしれない。また、現時点では日本語に対応しておらず、クエストの内容やアイテムの細かい効果を理解するには英語力が必要となる。

しかし、不思議なことにプレイしているとそれらの「粗さ」すら愛おしくなってくるのだ。かつて『ヘルゲート:ロンドン(Hellgate: London)』に夢中になったゲーマーなら、この感覚を理解してもらえるはずだ。「完璧ではないが、開発者がやりたかったことは痛いほど伝わってくる」。そんなインディー魂を感じる作品なのである。

バグに遭遇することもあるし、バランスが大味な部分もある。だが、2,300円という価格を考えれば、提供されるボリュームと純粋な楽しさは期待値を大きく上回っている。

総評:ニッチだが刺さる人には深く刺さる

『Second Sun』は万人向けの洗練された大作ではない。しかし、FPS視点でひたすら敵を倒し、レアアイテムを求めてダンジョンを彷徨うことに喜びを見出せる「ハクスラジャンキー」にとっては、砂漠で見つけたオアシスのようなゲームだ。

Steam Deckでも動作するため、携帯機でダラダラとレベル上げをするのにも向いている。もしあなたが、複雑なストーリーや重厚なカットシーンよりも、敵を撃った時の爽快感とドロップアイテムの数値を見るのが好きなら、帝国軍の一員となり「Second Sun」教団との戦いに身を投じてみてはいかがだろうか。

気がつけば、あなたもこの荒廃した世界から抜け出せなくなっているかもしれない。


ゲーム概要

  • タイトル: Second Sun
  • ジャンル: FPS / RPG / ルーターシューター
  • 発売日: 2025年11月5日
  • 価格: ¥ 2,300
  • 開発元: Grey Wolf Entertainment
  • パブリッシャー: Iceberg Interactive
  • 日本語対応: なし(英語のみ)
  • ストアURL: https://store.steampowered.com/app/2085620/Second_Sun/

関連性のありそうな記事