錆と火花が散るサイバネティック地獄を拳で駆け抜けろ!一人称視点メトロイドヴァニア『Voltage High Society』 #VoltageHighSociety

暗澹とした空、不気味にうごめく金属の肉体、そして鼓膜を揺らす重低音。Platonic Partnershipが手掛ける『Voltage High Society』をプレイして真っ先に感じたのは、網膜に焼き付くような圧倒的な「異質感」です。

本作は、90年代のサイバーパンク映画やボディホラーのエッセンスを濃縮還元し、一人称視点の探索アクションとして再構築した、極めて挑戦的なインディータイトルとなっています。

鉄と肉が混ざり合う、唯一無二のレトロフューチャー

本作を語る上で外せないのが、そのビジュアルスタイルです。モノトーンを基調としたローポリゴンな世界に、ネオンカラーの光源が刺すように配置されたグラフィックは、かつてのPS1時代の粗さと、現代的なライティング技術が奇妙な融合を果たしています。

インスパイア元として挙げられているカルト映画『鉄男』の世界に入り込んだかのような、あるいは古いSF雑誌の挿絵が動き出したかのような感覚。どこを切り取っても「毒」があるのに、不思議と目を離せなくなる魅力があります。この「ザラついた美学」こそが、本作の心臓部と言えるでしょう。

泥臭く、そして戦術的な一人称格闘

「FPSメトロイドヴァニア」を標榜する本作ですが、初期状態の武器は己の「拳」のみ。敵となるサイバネティックモンスターとの戦闘は、間合いの管理とタイミングがすべてを握る、非常にタイトな近接バトルが中心となります。

実際にプレイしてみると、単なるボタン連打では到底生き残れないことに気づかされます。敵のガード方向を見極め、隙を突いて重い一撃を叩き込む。この泥臭い殴り合いが、金属と肉が軋む音とともに表現され、プレイヤーの闘争心を激しく煽ってきます。序盤はもどかしく感じるかもしれませんが、アビリティを手に入れ、ボルト(通貨)を消費して強化を施していくにつれ、自分の肉体が「進化」していく全能感にどっぷりと浸かることができました。

複雑に絡み合う「ネモ・ウルトラ」の迷宮

探索要素についても、メトロイドヴァニアとしてのツボをしっかりと押さえています。巨大監獄島「ネモ・ウルトラ」はエリアごとに異なる顔を持ち、ショートカットの開通や新たな能力による行動範囲の拡大など、探索の楽しさが詰まっています。

時には高い場所からの滑落に肝を冷やし、時には暗い地下鉄のホームで正体不明のクリーチャーに追われる。マップがやや不親切で迷いやすい側面もありますが、その「突き放された感覚」さえも、この過酷な島に放り出された囚人としての没入感を高めてくれます。随所に散りばめられたシュールなユーモアや、トカゲの商人といった奇妙なキャラクターたちも、殺伐とした世界における良いアクセントになっていました。

総評:感性を揺さぶる、硬派なインディーの逸品

『Voltage High Society』は、万人に受けるような「親切なゲーム」ではありません。操作感のクセや、好みが分かれるビジュアルなど、粗削りな部分は確かに存在します。しかし、それらを補って余りあるほどの「作家性」と「熱量」がこのゲームには宿っています。

サイバーパンク、ボディホラー、そして探索アクション。これらのワードに少しでも心惹かれるのであれば、この錆びついた迷宮に足を踏み入れる価値は十分にあります。あなたの拳が、この地獄からの脱出を切り拓く唯一の鍵となるはずです。

ゲーム概要

  • タイトル: Voltage High Society
  • ジャンル: 一人称視点メトロイドヴァニア / アクション
  • 開発元: Platonic Partnership
  • 発売日: 2022年7月27日(早期アクセス中)
  • 価格: ¥ 1,700
  • 対応言語: 英語(日本語非対応)
  • 特徴:
    • 『鉄男』や『ニューヨーク1997』に触発された独特の世界観
    • 一人称視点での肉弾戦とサイバネティックなアップグレード要素
    • 広大で相互に連結されたマップの探索
    • レトロなローポリゴンと現代的エフェクトの融合
  • ストアリンク: Steamストアページ

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