リズムと感情が交差する新感覚RPG『Away From Home』レビュー!ドット絵の深淵に触れる体験を #AwayFromHomeGame

インディーゲーム界隈で密かに、しかし確実に注目を集めていた期待作『Away From Home』がついにその姿を現しました。本作は、名作RPGのDNAを色濃く受け継ぎながらも、独自の「リズムバトル」というスパイスを加えた、非常に野心的かつ感情に訴えかける一作となっています。

どこか懐かしく、どこまでも狂おしい世界観

プレイヤーが操作するのは、アビーという一人の少女。兄のマイケルと共に、見知らぬ場所や奇妙な対立が渦巻く世界を旅することになります。まず目を引くのは、その圧倒的なクオリティのドット絵(ピクセルアート)です。

たった1ピクセルの配置でキャラクターの表情が「微笑み」から「苦悶」へと変わる。そんな職人技とも言えるアニメーションが、この世界の住人たちに血を通わせています。歩いているだけで、キャラクターたちの「生」を感じさせる細やかな動きには、思わず見惚れてしまう瞬間が何度もありました。

音楽を「叩き込む」戦略的リズムバトル

本作の最大の特徴は、戦闘システムにあります。一般的なコマンド選択式ではなく、音楽と同期する「リズムアクション」がバトルの核となっています。

画面中央に向かって流れてくるノーツを、ビートに合わせて正確にタイピングしていく快感。これが単なるミニゲームの域を超えています。攻撃だけでなく防御もリズムで行う必要があり、強敵との戦いでは手に汗握る緊張感が味わえます。

特筆すべきは、そこに組み込まれた「戦略性」です。タイミング良くコンボを繋いでポイントを溜め、ここぞという場面でド派手な特技やアイテムを繰り出す。音楽にノりながらも冷静に戦況を見極めるという、右脳と左脳を同時にフル回転させる体験は、これまでのRPGにはなかった中毒性があります。

プレイヤーの選択が世界を救い、あるいは腐らせる

物語は決して一本道ではありません。道中の選択肢は重く、時に残酷な結果を招くこともあります。アビーの持つ力は世界を癒やすこともできれば、破滅に導くこともできる。そして、その選択の積み重ねが、何かもっと「邪悪なもの」の視線を惹きつけてしまう……。

この少しダークで、それでいて温かみのあるストーリーテリングは、かつて私たちが夢中になった「あの頃のRPG」を彷彿とさせつつも、全く新しい読後感を残してくれます。

遊び心満載の街歩きと個性豊かな人々

メインストーリーの合間には、まるで『龍が如く』シリーズを彷彿とさせるような、コミカルでエンターテインメント性に溢れたサイドクエストが散りばめられています。

盲目なのに交通整理をしようとする男など、街には個性的(すぎる)NPCたちが溢れており、彼らとの会話を楽しむだけでも時間が溶けていきます。アニメーション一つ一つに注がれた情熱、そして豪華アーティスト陣による「ブチ上がる」サウンドトラック。それらが渾然一体となり、プレイヤーをどっぷりとこの世界に引き込んで離しません。

総評:粗削りながらも輝く、魂の結晶

リリース直後ということもあり、翻訳の細かな違和感やバランスの調整不足など、少し「尖った」部分は確かに見受けられます。しかし、それを補って余りあるほどの情熱と独創性がこのゲームには詰まっています。

開発チームが9年の歳月をかけて魂を注ぎ込んだというエピソードも頷ける、密度の濃い体験が約束されています。リズムゲームが好きな方はもちろん、物語に没入したいRPGファンなら、ぜひこの「家から遠く離れた場所」への旅に出かけてみてください。


ゲーム概要

  • タイトル: Away From Home
  • ジャンル: リズムベース・アクションRPG
  • 発売日: 2025年12月19日
  • 価格: ¥2,000
  • 対応プラットフォーム: PC (Steam)
  • 開発/パブリッシャー: Squishy, Cameron Smith-Randick
  • ストアリンク: Steamストアページ

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