かつて我々が夢中になった、あの「少しおバカで最高にエキサイティング」なリアルタイムストラテジー(RTS)の熱狂が帰ってきた。GameEraStudiosが手掛ける新作『Atom Assault』は、古き良きクラシックRTSのDNAを受け継ぎつつ、現代的な物理演算と「カオス」をスパイスとしてぶち込んだ意欲作だ。
体験版をプレイして見えてきたのは、洗練された戦略性……というよりは、むしろ「破壊の快感」を極限まで追求したインディーゲームらしい尖った遊び心である。
懐かしさと新しさが同居する「おバカ」な戦場
本作のプレイフィールは、『Command & Conquer』や『Red Alert』といった往年の名作を彷彿とさせる。ユニットを指定し、拠点を築き、敵陣を更地にする。基本は極めてオーソドックスだが、中身は驚くほど自由で型破りだ。
まず目を引くのが、マインクラフトやTABSを思わせるキャッチーな3Dグラフィックス。しかし、その可愛らしい見た目とは裏腹に、戦場はフルデストラクト(全破壊)仕様だ。砲撃一つで建物が崩れ去り、地形が変わり、連鎖爆発が画面を埋め尽くす。この「めちゃくちゃに壊せる」感覚が、戦場を単なるチェス盤から、最高にエキサイティングな砂場へと変えている。
核ミサイルを「手動」で導く狂気
『Atom Assault』が単なるフォロワーで終わっていない最大の理由は、そのユニークなシステムにある。なかでも特筆すべきは「Nuke Mode(核モード)」だ。なんと、発射した核ミサイルを一人称視点で直接操作し、敵の心臓部へ叩き込むことができる。空爆モードも同様に、自らの手で破壊をガイドするのだ。
戦略を練る冷静さと、自ら引き金を引きに行く熱狂。このギャップがたまらなく心地よい。歩兵が資金調達のために「釣り」をしていたり、島々を飛び回ってオイルリグを占拠したりと、経済要素にもシュールなユーモアが散りばめられており、プレイ中は常に笑みがこぼれてしまう。
ゾンビの襲来が変える戦況と今後の期待
夜になれば地面が割れ、突如として第3勢力のゾンビ軍団が襲いかかってくる。赤と青の陣営争いに割って入るこの「混沌」こそが、本作の真骨頂だろう。強力なヒーローユニット「Tanya」の参戦もあり、戦況は一瞬たりとも停滞することはない。
正直なところ、現状の体験版はパフォーマンス面や操作性の粗さから、ユーザー評価は「賛否両論」といった状況だ。しかし、それは開発チームが理想とする「カオス」を詰め込みすぎた、熱烈な試行錯誤の結果とも言える。
この粗削りなエネルギーが本編でどう昇華されるのか。最適化が進み、さらに我々日本人ゲーマーが待ち望む「日本語対応」が実現すれば、唯一無二の爆発的ヒットを飛ばすポテンシャルは十分にある。かつてのRTS黄金時代を知る者も、新しい混沌を求める者も、今後の改善と続報に期待して損はないだろう。
ゲーム概要
- タイトル: Atom Assault
- ジャンル: 3D リアルタイムストラテジー(RTS)
- 開発/販売: GameEraStudios
- 発売日: 未定
- 対応プラットフォーム: PC(Steam)
- 特徴:
- フルデストラクト可能な3Dフィールド
- 核ミサイルや空爆の直接操作モード搭載
- 夜間に発生するゾンビ襲来イベント
- クラシックRTSをリスペクトした操作体系
- ユーモア溢れる経済・ユニットシステム
- ストアリンク: Steam:Atom Assault