失った名誉、亡国、そして復讐。重厚なダークファンタジーの香りを漂わせつつ、卓上ボードゲームのような温かみのあるビジュアルで描かれるのが、新作タクティカル・ローグライトRPG『Odds Chronicles』だ。
プレイヤーはかつての王室近衛兵「エヴリン」となり、記憶から紡がれた謎の酒場を拠点に、変わり果てた故郷へと足を踏み入れる。本作の核となるのは、タイトルにもある「Odds(不確定要素=ダイス)」をいかに制御し、戦略に組み込むかという点にある。期待の新作を、配信中の体験版(Demo)から紐解いていこう。
まずは、その独特な空気感を感じられる映像をチェックしてほしい。
盤上のフィギュアが躍動するタクティカルバトル
本作を起動してまず目を引くのが、その精巧なグラフィックだ。バトルフィールドはジオラマのように作り込まれており、キャラクターや敵の造形はまるでTRPGのミニチュアフィギュア。この「ボードゲームを遊んでいる」という感覚が、タクティカルRPGとしての没入感を一層高めている。
戦闘はグリッド制のターンベースで進行するが、単なるコマンド選択ではない。最大の特徴は、ターン開始時に振るダイスだ。出た目(筋力、敏捷性、魔力)を各スキルのスロットに割り当てることで行動を決定する。
「このターンは筋力が足りないから防御に回そう」「魔力が高い目が出た、一気に広域魔法で攻め落とす!」といった、運を戦略でねじ伏せる感覚がたまらなく熱い。
運をストックし、戦況を覆す「ワイルドダイス」の妙
ダイスゲームにつきものの「出目の悪さ」によるストレスを、本作は見事なシステムで解決している。余ったリソースは「ボーナスゲージ」に蓄積され、後に「ワイルドダイス」として使用可能になるのだ。
このワイルドダイスの存在が、長期的なリソース管理の楽しさを生んでいる。今の窮地を耐えて将来の爆発力に変えるか、それとも即座にリソースを注ぎ込んで目の前の敵を排除するか。常に「最善の選択」を問い続けられる緊張感は、まさにローグライトの醍醐味と言えるだろう。
試行錯誤が止まらないビルド構築とリベンジの物語
道中で手に入るアビリティや遺物(レリック)の組み合わせは多岐にわたる。冷気を蓄積させて敵を凍らせるコントロール重視の戦術や、アーマーを固めて反撃の火力を高める重戦車スタイルなど、プレイヤーの好みに合わせたビルド構築が可能だ。
たとえ旅の途中で力尽きても、「時の外側の酒場」で恒久的な強化を行えるメタプログレッション要素も完備。鍛冶屋の「カウイ」をはじめとする個性豊かな仲間を加え、少しずつ確実に強くなっていく感覚が、次の「もう一回」を誘う。
荒削りながらも光る、タクティカルRPGの新たな可能性
体験版をプレイして感じたのは、インディーゲームらしい挑戦的な姿勢だ。現状では敵の攻撃範囲の可視化が甘かったり、毒ダメージの調整にヒリつくような厳しさを感じたりする場面もある。しかし、それは裏を返せば、一手一手の重みが極限まで高まっているということでもある。
この「ままならなさ」こそがダイスゲームの真髄であり、完璧に計算が噛み合って強敵を撃破した瞬間の快感は、他のゲームではなかなか味わえない代物だ。ビジュアルの美しさとシステムの奥深さが高い次元で融合しており、タクティカルRPGファンならずとも、一度はこの「盤上の戦い」を体験版で味わってみる価値がある。
ゲーム概要
- タイトル: Odds Chronicles
- ジャンル: タクティカル・ローグライトRPG
- 特徴:
- ダイスロールによるリソース管理とスキル発動システム
- ミニチュアフィギュアのような美しいジオラマ風グラフィック
- 高低差や視線(Line of Sight)が影響する戦略的なグリッド戦闘
- 「時の外側の酒場」を拠点とした永続的な強化要素
- プレイごとに変化する分岐型マップとイベント
- 開発/パブリッシャー: Team Mojo Games, eSolu Games
- 発売予定時期: 2026年予定
- ストアリンク: Steamストアページ