『SAROS』プレビュー 間口を広げつつ、『斑鳩』を彷彿とさせる敵弾吸収システムでよりアグレッシブに

「リスクを取ってリターンを得ろ」を強く感じるゲームシステム嗚呼、『SAROS』が来る。 3時間に渡る試遊を経た今、製品版『SAROS』への高揚がある。ドコドコしたブラスターの音が支える銃撃の快楽、画面を覆う美しい弾幕に対処するときのヒリつき、次々と敵を始末していくスピード感に悩ましい装備選択の数々、そして謎多き舞台と物語。それらが一体となって『SAROS』は私を魅了した。 本作は高い評価を得たTPS『Returnal』(レビュー)の後継作だ。特に今回の『SAROS』試遊と関連が深そうな特徴を以下に列記する。 ローグライク要素 死ぬたびに地形の組み合わせが変化し、武器なども取り直しになる 敵弾幕 敵が多くの弾を発射して弾幕を形成するが、無敵時間つきのダッシュで回避することが攻略のカギになる 悪い効果を伴う強化要素の存在 一部のアイテムなどがメリットとデメリットを兼ね備える。一定の手順でデメリットを消すこともできるが、基本的には一旦デメリットを引き受ける必要がある タイトルも『Returnal 2』ではないのであまり心配に思う人は少ないだろうが、『Returnal』を知らなくてもプレイに戸惑うことはほとんどない。やや不親切なところがあるが、徐々に覚えていけば十分に理解できるように感じた。 避けて撃ち、吸収して撃つ 『SAROS』では「シールドを展開して敵弾を受け止めることで、強力な攻撃を放つためのリソースに変換できる」というシステムが加わった。古典とも言える名作シューティング『斑鳩』を知っていれば、属性変更こそないものの想像しやすいだろう。『斑鳩』のキャッチコピーとして「撃て!避けろ!そして…当たれ!」が有名だが、『SAROS』もこれを体現している。 シールドは「パワー」というリソースを使用し、シールド展開中は徐々にパワーが減っていく。シールド展開中に敵弾に接触すると敵弾を吸収してパワーが溜まり、ゲージが溜まりきったら「パワーウェポン」という強力な攻撃(『Returnal』のセカンダリファイアに相当)を放てるという仕組みだ。 球状に展開したシールドに、弾がくっつく感じもよい。 このシールドがもたらす恩恵は、以下のようなものがある。 展開の波 置かれた弾幕の美 弾を吸収するおもしろさ 変化として大きく感じたのは、ゲームプレイに大きな波が生まれたことだ。敵弾をシールドで受けることが反撃の糸口になるため、漫然とした撃ち合いと回避に終始させないシステム的な圧力がある。 もちろん、雑魚敵を捌きつつ強敵と戦う楽しさ、思いがけず敵に囲まれてしまう窮地といったう緩急は『Returnal』にもある。しかし、敵の猛攻に対応しつつ戦う緊張感が、シールドでの敵弾吸収を経て状況を打開する解放感へとつながる瞬間は、やはり『SAROS』に分があるように感じた。リスクを取ってリターンを得たことが褒められているようでたまらなく心地よい。 ノーダメージで戦い続けることで、自キャラが段階的に強化されていくアドレナリンシステムも『Returnal』から継承しており、シールドを使ったリスクとリターンとのかみ合いは(試遊段階では実感までは至らなかったものの)よいものに思う。 敵が場に残り続ける弾を出しやすくなったことも、このシステムの恩恵だろう。弾幕で画面が埋め尽くされる状況がある種の美しさを作り出すのは『Returnal』と一緒だが、エリアを真っ二つに分断するかのように一直線に放たれた弾がその場に残る様子は、また少し違った美しさを生み出している。

つづき

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