異形の美学が加速する。生命を奪い、形を盗むメトロイドヴァニアの決定版『GRIME II』レビュー #GRIMEII

2021年に世界を震撼させた異色のメトロイドヴァニアが、さらに奇怪で、さらに美しい姿となって帰ってきました。Clover Biteが手掛ける最新作『GRIME II』は、前作の核であった「吸収」と「成長」のシステムを極限まで研ぎ澄ませた、まさに正統進化と呼ぶにふさわしい仕上がりです。

漆黒の静寂と、脈動する肉の鼓動が交錯する世界。プレイヤーは「フォームレス(無形なる者)」として、自身の形を定義するための残酷で幻想的な旅へと足を踏み入れます。

敵の形を「彫刻」し、己の力へと変える背徳的快感

本作の最も独創的な点は、倒した敵を単に吸収するだけでなく、その姿を「モールド(型)」として召喚できるようになったことです。

実際にプレイして驚かされたのは、その戦略の幅広さです。敵を飲み込み、その力で炎を放ち、時には敵を拘束して盾にする。手に馴染む武器で立ち回る楽しさはもちろんですが、吸収した敵のモーションを自分のスキルとして「再構築」していくプロセスには、他のアクションゲームでは味わえない背徳的な充足感があります。

特にパリィ成功時の「グラスプ(掌握)」の感触は格別で、指先から伝わる振動が、あたかも自分が異形へと変貌していくような没入感を与えてくれました。

描かれた釘と巨大な花瓶が織りなす、狂った芸術世界

探索の舞台となるのは、前作以上に独創性が爆発した未踏の地です。描かれた釘が地面から突き出し、巨大な花瓶が文明の証として鎮座する――そんな悪夢のような、それでいて一枚の絵画のように美しい世界が広がっています。

各エリアには独自の文化やキャラクターが息づいており、彼らとの会話から断片的に明かされる世界の成り立ちは、知的好奇心を強く刺激します。時に理不尽なまでの精密さを要求されるアクションシーン(いわゆる「跳び跳ね」の試練)もありますが、それを乗り越えた先に広がる絶景を前にすると、苦労も一瞬で報われるような達成感がありました。

プレイスタイルを「創る」楽しみと圧倒的なボリューム

本作では30種以上の武器、40種以上のアビリティが用意されており、キャラクタービルドの自由度が大幅に向上しています。

「重厚な武器で真っ向から叩き潰す」 「多彩なモールドを駆使してトリッキーに戦う」 「パリィを極めて敵の攻撃をすべて糧にする」

どのスタイルを選んでも、確かな手応えが返ってきます。難易度は決して低くありませんが、環境を利用したギミック戦闘や、ボスの隙を突く楽しさは、アクションゲーム好きなら間違いなく夢中になれるはずです。何より、死を繰り返しながらも「次はあの形を盗んでやろう」と思わせる魅力が、この暗黒の世界には満ちています。

メトロイドヴァニアというジャンルの枠を超え、ひとつの「芸術作品」として完成された本作。美しくも残酷な、形なき者の物語をぜひその目で確かめてください。

ゲーム概要

  • タイトル: GRIME II(グライム 2)
  • ジャンル: アクション・アドベンチャー(メトロイドヴァニア / ソウルライク)
  • 発売日: 2026年3月31日
  • 価格: 2,800円
  • 対応プラットフォーム: PC (Steam), PlayStation 5, Xbox Series X|S
  • 開発元: Clover Bite
  • パブリッシャー: Kwalee
  • 主な特徴:
    • 敵を吸収して「モールド」として召喚する独自のスキルシステム
    • 30種以上の武器、20種以上の防具、40種以上のアビリティによる自由なビルド
    • 環境ギミックを駆使した戦略的な戦闘と高難度アクション
    • 日本語字幕に完全対応
  • ストアリンク: Steam Store – GRIME II

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