30時間プレイしても色褪せない銃撃戦の快楽に、歪なローグライト要素が絡む『SAROS』が生み出す、アリーナを駆け回って敵を倒していく快感は素晴らしい出来映えである。本作はローグライクのようなランダム要素をもったTPSだ。訪れるたびにフィールドの形状や敵の出現パターンが変わり(地形はいくつかのパターンがあり、それを組み合わせる格好)、死亡時にはレベルに近い概念である「熟練度」が初期化される。 前作にあたる『Returnal』は最終的に1プレイに1時間以上の時間を投じる形式だったが、『SAROS』では死に戻りを繰り返しつつ、最奥部にいる「君臨者」と呼ばれるボスを倒して次へと進むステージクリアに近い方式になった。1回のプレイも30分ほどで区切りがつく濃密さで、地形や入手武器などのランダム要素もプレイに適度な刺激を与える。死んでしまうとやり直しなのは『Returnal』と同様ながら、恒久的なキャラクター強化システムが次のプレイへのモチベーションを支える。総じて前作にあたる『Returnal』の抱える欠点を見直した、正統派の後継作と言えるだろう。 舞台は「カルコサ」という名の星。主人公は、この星を訪れた入植艦の護衛官だ。所属企業の命令としては稀少な鉱石「ルセナイト」を探すことが第一にあるのだが、ゲーム開始時点で主人公らのクルーチームは半ば瓦解した状態にあり、先行してこの星にやってきたクルーを捜しだし、この星の謎を解いて生き残ることが実質的な目的となっている。 本レビューの執筆にあたっての関連情報を以下に示す。 SIEより発売前にビルドの提供を受け、通常のPS5本体でプレイ プレイ時間は30時間ほど 物語に関わる最終的なトロフィーを獲得 30時間のプレイを経た今もなお、銃撃戦のおもしろさは色褪せることなく輝いて見え、まだまだプレイしたい気持ちが強い。しかしながら、物語の満足度やローグライトとしてのありようを筆頭にいくつかの問題を感じたのも事実だ。 走り跳び撃つ、銃撃戦の圧倒的快感 『SAROS』がもつ最大の魅力は、何と言っても銃撃戦のおもしろさにある。スピーディーに動き回って銃撃で敵を倒していく心地いい手触りと、難局を乗り越える手応えを高い次元で両立させ、開発のHousemarqueが掲げる「ゲームプレイファースト」に恥じない出来となっている。 中ボスやボス以外の戦闘を無視して進めることもできるが、敵を倒すと経験値に相当するアイテムを落とすため、『SAROS』では敵の殲滅が基本となる。敵の攻撃による圧力がほどよくあり、ダッシュで敵弾をかわしたり、遮蔽物の影に逃げ込んだり、逆に遮蔽から飛び出して強力な攻撃を叩き込んだりと、空間を利用して敵を撃破していくおもしろさは随一だ。 拠点にある装置からステージを選んで移動できるので、『SAROS』は実質的にステージ制のゲームだ。目的や目標地点も逐一表示されるため、進行に迷う場面はほぼない。 ゲームが進行すると空中ダッシュのみならず、ジャンプパッドを使った大ジャンプや設置されたライン上の高速移動などのアクションも使えるようになり、空間を広く使った戦いへと変わっていく。「有利な位置へと移動し、敵を撃つという」おもしろさをSFテイストらしい現実離れした機動力が支えており、実に魅力的な体験となっている。 攻撃手段は大きくわけて5つだ。 メインウェポン(通常攻撃) 時間経過で1発ずつリロードされ、残弾を管理する遊びは少ない。マガジン内の弾を撃ちきったあとにタイミングよくトリガーを引くとパーフェクトリロードとなって、リロードが即座に完了する メインウェポン(武器スキル) 「トリガーを引き続けることで、ミニガンのように連射速度が加速度的に向上する」や「ショットガンの弾を射出直後に空間に固定し、その後、あらためて操作することで射出する」といったように射撃挙動を変化させた攻撃。弾丸やリロードは通常攻撃と共通化されているが、基本的に通常攻撃よりも強力という位置づけ パワーウェポン ゲージ消費で撃てる強力な武器。「ここぞというときに切り札的に使う」というよりかは、通常攻撃の合間にアクセント的に使っていくイメージだ。4種類あって武器種によって射撃挙動が異なる 近接攻撃 殴って攻撃する。一部の敵が使ってくるバリアを破壊する効果あり オーバードライブ 専用のゲージを消費して出せる、切り札に相当するもっとも強力な攻撃。この攻撃で敵を倒すとアーマー耐久度(以下、HP)の回復アイテムが出る 本作では通常武器にあたる「メインウェポン」とゲージ消費型の特殊武器「パワーウェポン」の2つしか武器を持てない。しかも武器はコンテナ(宝箱)からのランダム入手が基本となっており、取捨の必要がある。武器は敵との相性も多少なりとも存在するものの、「ショットガンでは中距離以降はまともに戦えない」というような問題はなく、ほとんどの局面において一定の使いやすさが担保されている。
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