体験版としてのベストを感じた一品 お料理ホラー『Cucina Stellata』で狂気の片鱗を味わう【BitSummit PUNCH】

短い、けれども強く余韻を残すホラー体験版をプレイしたときに「ベストな終わり方」を感じるゲームがある。『Cucina Stellata』はそんなゲームのひとつと言える。 BitSummit PUNCHにも出展した本作は、食を題材にした短編ホラーゲームだ。舞台は19世紀、イタリア。ロマーニャ地方の田舎である。 本作は一人称視点のゲームなのでプレイヤーキャラクターの姿は見えないが、ろうそくで照らされた薄暗い厨房に立ち、表示される手順にしたがって黙々と料理を作っていく。バターをフライパンで温め、まな板で刻んだひき肉をそこに加える。コショウを挽いたり、パルメザンチーズを削ってボウルに入れたりと、いくつかの手順を踏んで「カッペレッティ」と呼ばれるパスタを煮た料理ができあがる。 ローポリ気味のオブジェクトやライティングの生み出す陰影によって独特の怪しげな雰囲気が漂い、プレイヤーを料理の世界へと誘う。 厨房内でのちょっとした移動、食材や皿を探すような場面もあるが、難しくはない。10分とかからず目的の料理もできあがる。インド料理を作る『Venba』のような例はあれど、この時点でビデオゲームではあまり経験したことのない、直接的に料理をするという独特の手触りにほんのりと充実感を覚える。料理の最中に聞こえるさまざまな音、厨房に吊されたニンニクやハーブの類いも雰囲気があっていい。 厨房には『イタリア料理大全』を記した実在の人物、ペッレグリーノ・アルトゥージの写真が飾られている。彼の文言もゲーム中に登場する。 気分よく2品目の料理を作っている途中で、『Cucina Stellata』は転換を迎える。「地下室に行き 肉切り包丁を取り 肉を刻む」という指示があり、地下室へと進んでみると奥には青白い人型の何かが拘束されて横たわっているのだ。恐怖から来るのか、はたまた「食材」への期待や高揚から来るのか判別のつかない、つばを飲み込むような感覚のある瞬間とともに体験版は終了する。 …

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