古代神殿の闇が迫る没入型ホラー、暗闇の謎を解き明かし生き延びろ『The Third』レビュー #thethird

古代エジプトのピラミッドに、もしも現代を凌駕する未知のテクノロジーが存在していたら。そんな刺激的なifの世界観を描くインディーホラーサスペンスが誕生した。

プレイヤーは謎の神殿に閉じ込められた考古学者となり、目覚めつつある古代の神々と、儀式に隠された恐ろしい真実に迫ることになる。神話と現実の境界が曖昧になる、背筋が凍るような探索へ足を踏み入れよう。

暗闇の神殿がもたらす圧倒的な緊張感と探索の魅力

本作の最大の武器は、息をのむほどリアルに描かれた神殿のグラフィックと、全編を包み込む濃厚な暗黒の空気感だ。一歩先すら見通せない呪われた廊下を、ライトの明かりだけを頼りに進む瞬間の恐怖は本物である。静寂の中に響く環境音と不穏なBGMがプレイヤーの不安を煽り、随所に仕掛けられたジャンプスケアが絶妙なタイミングで心臓を跳ね上がらせる。この手探りで進む極限状態のローファイな緊張感は、ホラーゲームファンにはたまらない魅力だろう。

プレイヤーの直感が試される骨太な謎解き

本作のシステムは、昨今の親切すぎるゲームデザインとは一線を画している。進行方向を示す明確なマーカーや、オブジェクトを強調する目立つエフェクトは存在しない。暗闇に紛れた手がかりやアンクなどの重要アイテムを、自らの観察眼だけで見つけ出す必要がある。

最初はどこへ進むべきか、何を動かせるのか迷うかもしれない。しかし、暗闇に目が慣れ、配置されたプロップの違和感に気づき、自力でパズルを解き明かした瞬間の達成感はひとしおだ。終盤のアスレチック要素など、一筋縄ではいかない手応えのあるチャレンジが用意されており、手探りだからこそ味わえる濃密なクリアの喜びがここにある。

短編ながらも秘められた高いポテンシャル

低価格なインディー作品でありながら、物語の背景にある謎や神殿のアトモスフィアは非常に丁寧に作られている。一部の操作感や進行の分かりやすさ、字幕の表示速度など、粗削りで好みが分かれる部分や調整の余地を残す点も見受けられるが、それも含めて古き良きインディーホラーの尖った魅力と言える。

現在は物語の第一幕としての位置づけのようだが、この独特な世界観が今後どのように拡張されていくのか、開発元の今後のアップデートや展開に大いに期待がかかる。ワンコイン感覚で手軽に濃厚な恐怖と骨太な探索を味わいたいプレイヤーは、この闇深き神殿の門を叩いてみてはいかがだろうか。

ゲーム概要

関連性のありそうな記事