HD-2Dで描かれる「ゼルダ」ライクなアクションRPG『冒険家エリオットの千年物語』レビュー

いくつもの先行作品をコンパクトに磨き上げて生み出さたのは、インディーゲームのような手触りドット絵のキャラクターと3Dの背景が融合した『OCTOPATH TRAVELER』から始まるHD-2Dは、レトロなドット絵と美しく奥行きのある3D背景の組み合わせで、現代的なゲームプレイの中に確かなノスタルジーを併存させることに成功した。これまではターン制RPGやシミュレーション、あるいは名作のリメイクで採用され、懐かしくも新しい体験を作り出してきた。そのHD-2Dを採用した初めてのアクションRPGとして世に放たれたのが、『冒険家エリオットの千年物語』だ。 プレビューでも述べた通り、本作のゲームプレイの大枠でもっとも近しい――というかベースになっていると言っても過言ではない作品は「ゼルダの伝説」シリーズである。見下ろし型の2Dアクションであるという以上に、「レベルの概念がない」、「体力の増加は各地に隠された生命の欠片を集めて行う」、「体力の回復には空き瓶に補充する回復の薬を使う」、「ダンジョンでは仕掛けを解き、鍵を見つけて最奥の扉を開ける」など、それぞれのビジュアル表現も含めてむしろ類似性をプレイヤーに想起させる意図があるのではと思うほどに近しい。生命の欠片を手に入れるための祠が世界各地に点在しているのだけれど、その祠にはそれぞれ違う試練が用意されている、といった部分に関しては少しやり過ぎに思えたほどだ。HD-2Dならではの美しい景色はもちろん本作の強力な美点と言えるが、シームレスに全域を移動できるマップの規模感も考慮すると本作は2019年に発売されたリメイク版の『ゼルダの伝説 夢をみる島』にもっとも体験としては近いだろう。 「ゼルダ」っぽいという基本的な印象はゲームクリアまで維持されるけれど、しかしゲームを進めていくことで徐々に「ゼルダ」とは離れたプレイフィールもも強まっていく。しかし同時にその「ゼルダ」との違いもまた、ジャストタイミングで敵の攻撃をはじき返すパリィ的なアクションや、大量の攻撃をかいくぐって反撃の機会を狙う弾幕的なボス戦など、「ゼルダ」以外の、先行するいくつかの作品や今般のスタンダードとなっている要素の集積ではある。HD-2DでアクションRPGを作るというミッションにおいて『冒険家エリオットの千年物語』が出した結論をひとことで表現すると「ゼルダをベースに現代的なゲームの諸要素を組み合わせ、コンパクトに仕上げた箱庭」と言える。 4つの時代をまたがる冒険という枠組み HD-2DのアクションRPGのほかに、本作を大きく特徴づけるのは、千年の時代にまたがるタイムトラベルストーリーという部分だろう。『冒険家エリオットの千年物語』は、「加護の魔法」によって周囲の蛮族から守られている城下町ヒューザー王国から始まる。人間を襲う蛮族たちから身を守るため、ヒューザー王国は加護の魔法が張り巡らされた城壁に囲まれ、その城壁の内側で人々は平和に暮らしていた。エリオットは冒険者として国王の依頼を受け遺跡の調査に赴くが、それは時をさかのぼる不思議な力を秘めた扉だった……という始まり方だ。 エリオットは自身の育った「加護の時代」のほかに、加護の魔法が無く蛮族の脅威を恐れる「再建の時代」、魔法の力で隆盛を極めた「魔法の時代」、そしてもっとも古い時代の「萌芽の時代」と4つの時代を行き来して冒険を進めていく。 4つの時代にまたがる冒険という設定を採用したメリットとしてまず挙げられるのが、限定的な広さであるワールドマップに縦の(時間という)広がりが生まれたことだろう。本作のフィールドは端から端まではわりとすぐに踏破できる広さであり、西に火山があり北に寒冷地があり……という構造やダンジョンの位置などはどの時代でもほとんど変わらない。唯一大きな変化を認められるのがマップ南東に位置する人間の集落で、その変遷を観察することによって、その時代の人間がどんな境遇にあっかを知ることができる(加護の時代の直近の過去である再建の時代において人々はあばら家で暮らしている)。主要なイベントやサブクエストも大半がこの地域で発生する。また、4つの時代があることで、物語を進める上でも「どこに行けばいいか」のみではなく「いつの時代に行けばいいか」という選択が生じ、冒険の幅や行き来する範囲は大きく広がる。

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オクトパストラベラーⅡ -Switch

旅立とう。君だけの物語へ。2018年に発売され、全世界出荷+ダウンロードが300万本を突破した「オクトパストラベラー」のシリーズ完全新作RPG。ドット絵と3DCGを融合した「HD-2D」のグラフィックが、さらなる進化を遂げて登場。ソリスティアと呼ばれる新たな大地で、新たな時代に、新たな8人の旅が始まる。

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