alanchuが開発を手掛け、Wise Gamesがパブリッシャーを務める新作戦略シミュレーションゲーム『家族与帝国(Clan and Crown)』の体験版が配信された。本作は、わずか1人の創始者からスタートし、結婚や出産を通じて一族を拡大しながら、都市全体の経済と政治を支配していく骨太なピクセルアート・ストラテジーシミュレーションだ。
1〜2時間ほどのボリュームとなる今回の体験版をさっそくプレイした。その濃密なゲームデザインと、底知れないポテンシャルについてお伝えする。
1人の平民から始まる壮大なクランビルド
本作の根幹にあるのは、圧倒的な自由度を誇る一族の育成システムだ。プレイヤーはまず、たった1人のキャラクターから家族をスタートさせる。結婚して子供が生まれ、家系図が広がっていく様子を眺めるだけでもシミュレーションゲームとしての楽しさが詰まっている。
子供たちはただの駒ではない。誕生から幼稚園、大学といった教育課程を経て成長し、やがて一族が経営する産業を支える優秀な人材へと育っていく。ゲーム内には13の広大な産業カテゴリーと70ものビジネスが用意されており、これらをテックツリーで解放しながら都市に浸透させていくプロセスは非常に小気味よい。地道に育てた我が子が都市の政界へ進出し、執政官の座を勝ち取ったときの達成感は格別だ。
謀略、暗殺、そして都市の掌握へ
一族が力を付けるにつれて、ゲームは単なる経営シミュレーションから、泥沼の権力闘争へと変貌していく。他家との同盟、裏切り、スパイの送り込み、果ては暗殺やクーデターまで、一族の総力を挙げたあらゆる謀略が実行可能だ。
実際にプレイしてみると、都市の区画をどう配置するかという都市計画の楽しさがある一方で、常に発生するランダムイベントへの対応に追われることになる。商品不足や物価上昇、住民の暴動、さらにはライバル一族からの誘拐や襲撃など、常に緊張感のある展開が続く。選挙で勝てなければ「軍隊を動かして力づくで都市を制圧する」という力技が用意されているのも、このジャンルのファンにはたまらない仕様だろう。
荒削りながらも中毒性の高いゲーム性
現状の体験版を触った印象としては、選択肢に対する結果のフィードバックや、一部のイベント、テックツリーの繋がりなどにおいて、やや説明不足で荒削りな部分も見受けられる。また、チュートリアルが少し不親切に感じる場面もあり、序盤は何を目標にすべきか迷うかもしれない。
しかし、その手探り感こそが往年のPC戦略ゲームらしいディープな魅力とも言える。職業の特性を理解し、効率的に他家を策反(寝返り)させ、自らの版図を広げるサイクルが噛み合い始めた瞬間、止め時を失うほどの中毒性が顔を出す。毎ターン発生するテキストのユニークさや、ミニゲーム的な要素も良いアクセントになっており、プレイヤーを引き込むエネルギーに満ちている。
開発元は熱心にフィードバックを収集している様子であり、今後のアップデートや本編の実装に向けて、UIの視認性やイベントの調整などさらなる最適化が大いに期待できる。ストラテジーファンなら、この壮大な野心作の進化を今からチェックしておいて損はないはずだ。
ゲーム概要
- タイトル: 家族与帝国 Demo (Clan and Crown Demo)
- ジャンル: ピクセルアート戦略シミュレーション / ライフシミュレーション
- 開発元: alanchu
- パブリッシャー: Wise Games
- 対応言語: 日本語対応未定
- ストアリンク(本編): Steam ストアページ