宇宙船が不時着した孤独な死の星で、生き残るために「別の選択を歩んだ自分自身(オルター)」を作り出す――。そんなあまりにも奇抜で、同時に深く考えさせられるSFサバイバルアドベンチャー『The Alters』が、今まさにゲーマーの間で大きな話題を呼んでいる。
本作を手掛けたのは、極限状態の人間模様を描かせたら右に出る者はいない『This War of Mine』や『Frostpunk』の11 bit studios。彼らの十八番である「胃がキリキリするような倫理的ジレンマ」はそのままに、本作ではさらに一歩踏み込み、「もしあの時、違う人生を選んでいたら?」という誰しもが抱く普遍的なテーマを真っ向から描いている。
現在Steamサマーセールで50%OFF(1,980円、7月10日まで)という破格のチャンスを迎えており、さらに7月13日には約20時間もの新コンテンツを追加する大型DLC「Last Variable」の配信も控えている。この最高のタイミングで、本作の持つ唯一無二の魅力に迫る。
狂気の生存戦略:作業員も、技術者も、全員「自分」
物語の主人公ヤン・ドルスキは、過酷な惑星に一人取り残された絶望的な状況から脱出するため、移動式ベース(基地)を動かそうとする。しかし、巨大な基地を一人で運用するのは物理的に不可能。そこでヤンは、惑星の奇跡の物質「ラピディウム」を使い、別の世界線を歩んでいた自分自身――「オルター」を創り出すことになる。
驚くべきは、登場するオルターたちが単なる無機質なクローンではない点だ。「あの時、故郷に残っていたら技術者になっていた自分」「別の道を選んで科学者になっていた自分」といったように、ヤンの過去の分岐点から生まれた、全く異なる人格とスキルを持つ「生きた人間」なのだ。
基地を拡張し、迫り来る太陽の致命的な放射線から逃れるためには、彼らの専門知識が絶対に欠かせない。しかし、職人気質で気性が荒い技術者の自分や、研究に没頭する冷徹な科学者の自分など、元は同じ人間のはずなのに驚くほど個性がバラバラ。彼らをマネジメントしながら、死の星で資源をかき集めるゲームプレイは、他では味わえない奇妙な連帯感と緊張感に満ちている。
自分が自分と揉める、未だかつてない濃厚な人間ドラマ
本作の本質は、資源管理以上に「自分自身との対話」にある。ベースビルディングや探索の楽しさもさることながら、全体の高い割合を占める濃厚なストーリーとダイアログがプレイヤーを強烈に惹きつける。
オルターたちはそれぞれ、その人生に応じたトラウマや葛藤、そして強い自我を持っている。彼らの抱える悩みに耳を傾け、時には「自分同士」の激しい衝突を仲裁しなければならない。このサイコロジカルな対話劇がとにかく見事で、同じ声優が異なる人格を完璧に演じ分ける熱演も相まって、気づけば全てのオルターに深い愛着が湧いてしまう。
物語の中盤、基地の命運を左右する重大な二者択一を迫られた瞬間の絶望感は凄まじかった。どちらの選択を選んでも、半分の「自分」からは激しく非難され、もう半分の「自分」からは同意を得るものの禍根を残す。あの、胸が締め付けられるようなモラルジレンマこそ、まさに11 bit studiosの真骨頂だ。選択一つでヤンたちの関係性はドロドロにもなれば、固い絆にも変化し、それがマルチエンディングへと収束していく。
資源は常に有限で、誰かの要望を満たせば、誰かが不満を抱く。「全員が納得する正解」などない極限状態のなかで、「今日の自分は、過去の自分の積み重ねである」という事実に嫌というほど直面させられる。エンディングを迎えた時、自らの人生を振り返って深く考え込んでしまうような、強烈な余韻を残す傑作だ。
7月13日、待望の大型拡張DLC「Last Variable」で物語は新境地へ
本編でヤンたちの物語に魅了されたプレイヤーに、さらに嬉しいニュースがある。7月13日に配信される最新DLC「Last Variable」では、本編のその先、惑星に残り続けることを選んだ「科学者ヤン」にスポットを当てた、約20時間におよぶ全く新しいストーリーが展開する。
謎の現象「オアシス」の秘密を解き明かすため、地質学者、生物学者、化学者、物理学者といった、科学分野に特化した新たなオルターたちが登場。過酷な環境を生き抜くため、ヤンは長期間のコールドスリープを繰り返すが、その間に地上のラボに配置されたオルターたちの関係性や価値観が、時間の経過とともに変化していくという、さらに進化した心理ドラマが描かれる。
ゲームプレイ面でも、地下基地の建設や、不毛な大地を緑豊かなバイオームへと変える「テラフォーミング」など、本編とは異なる新たなサイクルが導入される。テラフォーミングが進むことで新たな資源が手に入る一方、地震や放射線波といった惑星からの激しい反発(ハザード)も激化するため、よりダイナミックなサバイバルが楽しめそうだ。
まずは7月10日までのSteamサマーセールで本編を破格の50%OFFで手に入れ、この唯一無二のSF人間ドラマに浸りながら、13日の大型アップデートを待つのが最高のルートと言えるだろう。
ゲーム概要
- タイトル:The Alters(ジ・オルターズ)
- 発売日:2025年6月13日
- 開発元 / パブリッシャー:11 bit studios
- 価格:3,960円(※Steamサマーセール期間中は50%OFFの1,980円、2026年7月10日まで)
- ジャンル:SFサバイバル / ベースマネジメント / ナラティブアドベンチャー
- 対応言語:日本語字幕対応
- ストアページ(Steam):https://store.steampowered.com/app/1601570/The_Alters/