イカした諸君に朗報「熱狂的なファンを抱えるマルチプレイタイトルには、シングルプレイが求められるものだ」ということは、誰もが認める普遍の真理である。これまでもそうだったし、これからもそうあり続けるだろう、と思う。そして「スプラトゥーン」ファンはどれだけ与えられても満足しない。だからこそ、任天堂が送り出すのが『スプラトゥーン レイダース』だ。基本はシングルプレイ(まぁ「ほとんどは」というただし書きが必要だが……その話はあとでする)のタイトルである。 イカした諸君に朗報だ。少なくとも私が2時間ほどプレイした限りでは、本作はかなりよい仕上がりになりつつあるようだ。 試遊版は、状況を説明するカットシーンから始まった。私のキャラクターはヘリコプターのパイロット(通称:メカニック)で、オタカラを求めるすりみ連合のウツホ、マンタロー、フウカを乗せてウズシオ諸島へ向かっていた。その後、一同はハリケーンのようなものから巨大な光が放たれているのを目撃し、そこから事態は急激に悪化。乗っていたヘリコプターは墜落してしまう。それから1カ月後、私たちは帰る手段だけがない、欲しいものはほぼ何でも揃った海上要塞を築き上げ、オタカラ・ハントをしている。「郷に入っては郷に従え」というやつだ。 不時着からほどなくして、私はオタカラ・ハントへと出発した。これまでに「スプラトゥーン」をプレイしたことがあるなら、『スプラトゥーン レイダース』にもすぐに馴染めるだろう。私はジャイロ操作から始めたが、普段はあまり得意ではないものの、「スプラトゥーン」ということもあって本作での操作感は素晴らしい。すぐに私は「スプラトゥーン」らしい行動をしていた。周囲をインクで塗りつぶし、その中を泳ぎ回り、ウズシオのかけらを集めるのだ。ふざけて言っているわけではない。本当にそういう名前なのだ。「スプラトゥーン」における移動は純粋な喜びであり、それは『スプラトゥーン レイダース』でも変わらない。木の板を使って波の上をサーフィンするというシンプルな行為でさえ最高だ。先へ進むと、敵であるシャケに遭遇した。このイカれた魚の敵たちは、最初は小さめのものから現れる。しかし、サイズがどうであれ、対処法は同じだ。彼らをインクで塗りつぶし、地面に残された奴らの醜いネバネバを塗り替えればいい。シャケの汁は? 醜い黄色だ。たぶん臭い。私のインクは? 美しいエメラルドグリーンだ。きっとラベンダーの香りがする。シャケはインクリングの火力には太刀打ちできないが、こちらは環境のためにもよいことをしている。シャケを倒すと、あとで役立つイクラを落とすのだが、私がこのおかしな奴らを大好きになったのは、『ライオン・キング』に出てくる舌をだらりと垂らしたあのハイエナを太らせたような見た目の奴を目撃してからだった。そいつは「タンシオ」という名前で呼ばれており、私はこいつが大好きだ。もちろんタンシオにもインクを浴びせ、ちょっといいブキをドロップしてもらった(これについては後述する)。 ▲タンシオ。本作では厚切りタンシオも登場する。画像はスプラトゥーン レイダース Direct 2026.6.30より。 その後、私は小さくてかわいらしいメカを偶然見つけ、クルーがそれを海上要塞へ運び込み、どうにか修理にも成功した。そこからは、いよいよそのメカをミッションに連れ出し、性能を試す番だ。ミッションの流れは最初のステージとよく似ている。走り回り、周囲を探索し、シャケと戦い、あちこちをインクで塗っていく。違うのは、マンタローが操縦する頼れる調査メカが一緒にいることだ。調査メカは戦闘で役立つだけでなく、私を空中へ押し上げて新しい場所まで滑空させたり、指示した場所へ飛び込んで地面にインクをまき散らしたりもしてくれる。実に最高だ。 しかし、調査メカの本当の見せ場は、巨大なクリスタル「デカ結晶」にドリルを突き立て、あのありがたいウズシオのカケラやそのほかの戦利品をさらに手に入れられることだ。デカ結晶は空高くまで巨大な光の柱を放っているので、場所はすぐにわかる。調査メカを利用した大ジャンプや体を空中へ打ち上げてくれる花、インクの中を泳ぐ能力といったさまざまな手段を駆使して目的地へ向かい、その道中でシャケを蹴散らしていくのがポイントだ。状況が厳しくなっても、シャケのイクラを十分に集めていれば、調査メカに乗ったすりみ連合の面々と力を合わせて「奥義」を繰り出せる。たとえばマンタローはメカから飛び降り、ジョン・ウーさながらに撃ちまくる。その間、こちらはまるで騎手のようにマンタローにまたがって駆け回ることになる。これも最高じゃないか。もっとも、シャケたちはそうは思わないだろうが。 ステージの最後では、近くの排水口から次々と飛び出して防衛しようとするシャケたちに守られた超巨大な結晶を発見した。私と調査メカにかかれば、大した相手ではない。インクで片付けたが、『スプラトゥーン レイダース』はプレイしているだけで気持ちがいいので、やっぱり楽しい。シャケ掃討の戦利品は、新しいオタカラ――スピードタンク、パワータンク、テクニカルタンクだ。これらのタンクのおもしろいところは、それぞれが戦闘に新しくてクールな能力をもたらすガジェットを備えている点にある。たとえばスピードタンクには、前方に跳び上がったあとにカカト落としで攻撃し、周囲すべてにダメージを与える「カチコミシューズ」が付いている。テクニカルタンクには、名前が違っても結局はタレットと変わらない「スケットボット」が用意されている。なかなかいい。もちろん、これらの能力にはすべてクールダウンがある。ビデオゲームというものは、どういうわけか「たまにしか楽しくしてはいけない」らしいのだが、それでもこいつらを気に入っている。 さらにもうひとつのミッションをこなし、新たなブキやそのほかのアイテムを手に入れ、浮遊するような移動の楽しさを発見したあと、私はアジト船に戻り手に入れたさまざまなツールを整理した。タンクとそれに装着するガジェットに加えて、ガジェットパーツも手に入った。ガジェットパーツはガジェット能力の爆発を強化したり、爆発範囲を広げたり、クールダウンを短縮したり、チャージ能力に爆発を追加したりといった効果をもつ――もちろん、ガジェットパーツをつけるには「メモリ」というコストが必要になるため、それが十分にあればの話だが。プレイを進めるとレベルも上がり、それを使って体力やブキのダメージ、ガジェットパーツに必要なメモリを強化したり、新しいガジェットをクラフトしたりできる。特に気に入ったのは、パワータンクのガジェット「ヌリヌリサテライト」だ。このガジェットは自分の周囲を回りながらあらゆる場所にインクを撒き散らしてくれる。また、「ツナガルバルーン」は爆弾風船で、つなげて爆発させると大ダメージを与えられる。もちろんブラスターやローラーといったブキも集められ、どれもアジト船でアップグレード可能だ。さらに秘宝もあり、二段ジャンプやブキのインク消費軽減などの効果を得られる。かなりのカスタマイズ要素だが、そのぶん自分好みのキャラクターを作り込めるし、うまくいけば本当にぶっ壊れレベルに強くなることもできる。また、アジト船でただダラダラ過ごすこともでき、シャケや本作の世界設定に関する資料を閲覧することもできる。無理に急ぐ必要はない。 その後はミッションへと出発し、それをもう一度繰り返すことになる。どうやら『スプラトゥーン レイダース』は、永続的な成長要素を備えたローグライトらしい。まさかって思うだろう? だがこの仕組みによって、自分の素晴らしいオモチャや、不運な連中を片っ端から吹き飛ばすロケットサメ(なんとフウカの奥義は、嘘偽りなくロケット駆動の巨大ザメを呼び出すのだ)といったものを存分に試すことができた。そして私がプレイした限りでは、『スプラトゥーン レイダース』は、シャケを倒してアイテムを集めるという基本ループ自体は変わらないものの、つねに変化を加えることで飽きさせず、おもしろさを保つように設計されているように感じられた。 『スプラトゥーン レイダース』のあらゆる狂乱は、地下へと舞台を移すハントで最高潮に達する。そこでは狭い空間に閉じ込められ、進むためには制限時間内に一定数のシャケのイクラを集めなければならない。正直言って、この時点まで私は『スプラトゥーン レイダース』をそれなりにうまくプレイできていると思っていた。かなり順調だったのだ。しかし、このパートで何度も連続でボコボコにされたと言うのも冗談ではない。それでも、これはたまらない体験だった。ビルドを磨き、立ち回りを考え、手持ちのツールをすべて駆使し、素早く動くことを学ばざるを得なかったからだ。叩きのめされている最中でさえ、楽しさは消えなかった。ついに最終局面へと到達し、試遊版のその区間の制限時間が切れると同時にボスを倒したとき――きっと想像がつくだろう――私は大きく息を吐いた。
つづきスプラトゥーン レイダース -Switch2
「スプラトゥーン」シリーズ初のスピンオフタイトルが登場!狂暴なシャケがうごめく「ウズシオ諸島」。そこへ不時着したのは、オタカラ大好き「すりみ連合」と主人公の「メカニック」 メカニックはブキに加えて、「ガジェット」を装備、強化してシャケに対抗できる。すりみ連合もメカに乗って冒険をサポート!強力な奥義でシャケを一掃!
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