あの頃、夜な夜なディスプレイに向かって高速で動き回り、迫り来る敵を片端から吹き飛ばしていた快感が、完璧な形で蘇った。
Fatbot Gamesが手掛ける『Gravelord』は、『Quake』や『Doom』といった90年代FPSへの愛と敬意を全身で表現した、まさに「Boomer Shooter」の鑑のような作品だ。ただ古き良き時代をなぞるだけでなく、現代的なグラフィックや独自のシステムを見事に融合させており、一歩足を踏み入れた瞬間からアドレナリンが脳内を駆け巡る。
口の悪さとパワーで押し通す!最高にタフな主人公「Queedo」
本作の主人公は、頭の回転は少々怪しいが力強さは折り紙付きの墓掘り男「Queedo」。父親の復仇を果たすため、そして墓場から這い出てきた闇の軍勢を再びあの世へ送り返すため、相棒の特製シャベル「Total Uber Shovel」を手に立ち上がる。
ゲームプレイ中に彼が発する皮肉とユーモアに満ちたワンライナー(捨て台詞)は実に香ばしく、クラシックFPSのヒーローたちが持っていた独特のロマンを感じさせる。ステージ各所に隠されたコミックページを集めることで世界観が紐解かれていく演出も、雰囲気を盛り上げる最高のアクセントだ。
圧倒的スピード感とシャベルを用いたハイスピードアクション
操作感は極めて良好で、これぞQuake系と感じさせる高速移動と滑らかなレスポンスが気持ちいい。立ち止まることは即ち死を意味し、常に動き回りながら敵の弾幕を掻い潜る立ち回りが求められる。
特筆すべきは、主人公の象徴でもある「Spectral Shovel」を活用した移動アクションだ。特定の青く光る壁やポイントへ一瞬で移動できるフックショットのような機能を持ち、縦横無尽にマップを駆け巡ることができる。高低差を生かした戦闘や、隠されたエリアを探し出す探索の面白さを大幅に引き上げている。
戦術の幅を広げるビルド構築と重厚な武器アセット
ただ撃ちまくるだけでなく、プレイヤーごとのスタイルを構築できる点も本作の魅力だ。マップ内で手に入る「タロットカード」を最大3枚まで装備でき、「パッシブでの体力回復」「移動速度の上昇」「追加ダメージ」といった様々な特殊効果を得ることができる。どのようなカードを組み合わせるかによって立ち回りがガラリと変わり、プレイに程よい戦略性を与えている。
もちろん、FPSの要である武器群の出来栄えも素晴らしい。ダブルバレルショットガンやミニガン、電磁銃など、男心をくすぐる重火器がズラリと揃う。各武器には強力なセカンド射撃モードが用意されており、解放することでさらに苛烈な破壊力を与えてくれる。重厚な効果音と共に敵が木っ端微塵にはじけ飛ぶ感覚は、格別の爽快感だ。
一部の難度はご愛嬌!FPSファンならプレイすべき一作
マップの構造が一部迷いやすかったり、特定のボス戦や高難易度での敵の湧き方が非常にスリリングで歯ごたえがありすぎる面もあるが、それすらも古き良きFPSの味として楽しめる範囲だ。素早いクイックセーブ(F5)を活用し、トライ&エラーを繰り返して難所を突破したときの達成感はたまらない。
洗練された操作性、打ち応え抜群の武器、そして独自のカードシステム。Boomer Shooterとしての核が極めて高いレベルでまとまった傑作であり、レトロFPS好きなら迷わず手取るべき一本だ。
ゲーム概要
- タイトル: Gravelord
- 日本語タイトル: グラベルロード
- ジャンル: レトロ風第一人称視点シューティング(Boomer Shooter / FPS)
- 対応言語: 日本語非対応
- 発売日: 2026年5月21日
- 開発元: Fatbot Games, s. r. o.
- パブリッシャー: Fatbot Games, s. r. o.
- 価格: 2,300円
- ストアページ: Steamストアリンク