取り戻せぬ過去を追うXbox――自らの未来を解体する巨大ブランドの迷走

『Halo』、『Fallout』、『Gears』だけに依存し続けることはできないそれは古い物語だ。10年ほど前、当事者たちから直接聞かされた話だが、今改めて語り直す価値がある。『Fallout』が誕生したのは、上層部が開発現場にまるで注目していなかったからに過ぎない。パブリッシャーであるInterplayの1990年代の全盛期、その社内の奥底で生み出されたこの名作RPGは、高校の派閥争いを思わせるような、混沌と喧騒に満ちた社内風土の恩恵を受けていた。 『Fallout』の開発チームは、いわば学校の日陰者の「映画部」のような存在だった。卓上ゲームのルールセットに基づくプロジェクトを立ち上げるという、曖昧な指示だけを与えられていたのだ。リードプロデューサー兼プログラマーのティム・ケインは「会議室2でピザを食べている」とメールを送り、有志が業務外の時間に集まってアイデアを出し合った。 チームは王道のハイファンタジーを即座に却下した。タイムトラベルや世代間宇宙船といったコンセプトを検討した結果、最終的にその両方の要素を掛け合わせた設定に行き着く。1950年代の文化と未来予測に根ざしたポスト・アポカリプス世界。極一部の人類だけがシェルター「Vault」に守られ、残された人々は放射能に汚染された荒廃した世界でたくましく生き抜こうとする世界観だ。 『Fallout』の企画書がInterplayの上層部にまともにプレゼンされたことはなかった。会社側はスポーツゲームやオンライン事業、新しく獲得した『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のライセンスといった、より華やかな案件に気を取られていたからだ。誰の監視も届かないところで、チームはゲームに徹底した道徳的グレーゾーンと、プレイヤーの選択が結末を左右するシステムを組み込んでいった。薬物依存をシミュレートし、NPCをダイナマイトで吹き飛ばす。過激な武装技術信奉集団「Brotherhood of Steel」もこうして生まれた。完成したRPGは紛れもない異色作だったが、予想外の大ヒットを記録して初めて、Interplayは『Fallout』を金づるとして認識し始めたのだ。 現在のXboxにおいて、『Fallout』のような新シリーズが立ち上がる見込みは万に一つもない。確かに、CEOのアシャ・シャルマが巨額の利益を生む一大フランチャイズとなった『Fallout』の継続に関心を持っているのは明らかだ。最近のBloombergの報道によれば、Obsidian Entertainmentが開発中だった『Avowed』の続編は、新たな『Fallout』の制作のためにキャンセルされたという。しかし、将来の『Fallout』になり得たはずの「誰の目にも触れず、自由に育ち、やがて人々に愛される異色作」の芽は、7月6日にシャルマが「Xbox史上最も大規模な組織再編」を発表した時点で摘み取られてしまった。 Over what is sure to be a painful and fearful year for Xbox employees, 3,200 people are set to leave the company. 1,600 have already lost their jobs, and four …

つづき

関連性のありそうな記事