テレビを見るだけで稼げるディストピア生活!?『Dystopicon』が描くブラックな日常管理の沼 #Dystopicon

部屋にこもり、ただテレビを眺めてお金を稼ぐ。夢のような生活に思えるかもしれないが、ここが絶対的支配体制下の世界なら話は別だ。

今回は、ディストピア社会の末端市民として日常をサバイバルする期待のインディー作『Dystopicon』をレビューする。ブラックユーモアと社会諷刺が効いた、一度ハマると抜け出せない独特なゲーム性を紐解いていこう。

画面にへばりついて命を繋ぐ、歪んだ生活ループ

プレイヤーに与えられるのは、狭いアパートの一室と「テレビを見る」という極めて単純な労働だ。視聴したチャンネルに応じて報酬が支払われ、そのお金で食事やシャワーといった生活必須サービスを購入し、パラメータを維持していく。

一見すると気楽なニート生活のようだが、現実は甘くない。健康、食料、快適さ、娯楽といったステータスが刻一刻と減少していくため、一秒の無駄も許されない時間管理に追われることになる。

「デリバリーを頼むか、部屋のネズミを捕まえて食費を浮かせるか……」といった極限の選択肢がプレイヤーの理性を削ってくる。テレビの前に縛り付けられながら必死に生き残りを模索する感覚は、妙な緊張感と中毒性を生み出している。

従順な市民か、それとも反逆者か

日々の政府放送からは社会情勢の変化が伝えられ、従順に指示へ従っていけば、より豪華な部屋へとランクアップできる。しかし、この世界には「裏」が存在する。

アパートの外から聞こえる騒音や隣人の不審な挙動、隠された調査要素など、調べれば調べるほど世界の異常性が浮き彫りになっていく。反体制派の手を取るリスクを犯すのか、あるいは何も見なかったことにして体制の飼い犬であり続けるのか。

選択によって変化するストーリーはマルチエンディングに対応しており、周回プレイのモチベーションを強く刺激してくれる。

容赦のない設計と尖った世界観の魅力

本作のプレイ感はかなりソリッドだ。1ヶ月単位でしか進行が保存されないなど、セッションの切り方に融通が利かない厳しい仕様には好みが分かれるかもしれない。

しかし、その不便さや理不尽さすらも「システムに支配されている」というゲーム体験の補強に一役買っているのは確かだ。レトロフューチャー感の漂うグラフィックや、ブラックジョーク交じりの不気味なテキストが構築する世界観は、このジャンルが好きなゲーマーには堪らない魅力だろう。

自分の行動一つで予期せぬ展開へと転がり落ちていく恐怖と面白さ。一筋縄ではいかないディストピア体験を求めるなら、一度手にとってみる価値は十分にある。

ゲーム概要

  • タイトル: Dystopicon
  • ジャンル: ディストピア型タイムマネジメント・シミュレーション
  • 発売日: 2026年7月27日
  • 価格: 920円(8月11日までは15%OFFの782円)
  • 開発元: Palitroque
  • パブリッシャー: Palitroque
  • 対応言語: 日本語字幕対応
  • ストアページ: Steamストアリンク

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