ナンバリング第18作目となる『ファイアーエムブレム』の発売が目前に迫ってきた。序盤の数時間をプレイして見えてきた、本作の手応えをお届けする。プレビューの主なポイント: 『万紫千紅』は各主人公の個別の物語を前倒しで描く構成を採用しており、この試みは大いに評価できる。 新要素「ブレイズアーツ」は、リスクとリターンが背中合わせの刺激的な戦闘システムをもたらしている。 ストーリーのルート間を自由に行き来できるようになった一方で、セーブデータ周りの仕様は、全要素を網羅したいプレイヤーにとって少し不満が残るかもしれない。 『ファイアーエムブレム 風花雪月』で描かれた世界に、7年の時を経て『ファイアーエムブレム』が帰ってきた。『ファイアーエムブレム 万紫千紅』の構造には『風花雪月』との共通点が数多く見られるが、開発を手掛けたインテリジェントシステムズは、『風花雪月』を象徴する要素を実に見事な形で拡張している。今回の試遊プレイでは各主人公の物語を数章進めた程度にとどまるが、すでに非常に気に入った新要素がいくつも見つかった……そして、ひとつだけあまり感心しなかった要素も。 1) 英雄の道を歩む 『万紫千紅』のプロローグミッションをいくつかこなした時点で、言葉を発しない(だが若干のキャラメイクが可能な)プレイヤーの分身・イシュマールが、アンデッドに侵略された絶望的な状況下で防衛の要として孤立無援の窮地に立たされていることを悟った。自力で戦争に勝つ見込みがないエシュメルは、早々に前線から身を引く。プレイヤーは時を遡り、「大剣闘祭」と呼ばれるコロシアムでの戦いに挑む4人の英雄の誰か1人を操作することになるのだ。 過去へ送られる名目の理由は、英雄の1人を「支援」して生存させ、現代での戦いに協力してもらうためだ。しかし興味深いのは、遠い未来の脅威よりも、英雄個人の物語がストーリーの中心としてスポットライトを浴びている点である。これにより、どの主人公を選んでも同じような展開をなぞらされることがなく、それぞれのキャラクターに密接に関わる謎を解き明かしていく独自のドラマが展開される。 たとえば、幼い少年カイを選択すると、彼の父親が間もなく投獄されるダグザ帝国の首都へと向かう展開になり、大剣闘祭の出場資格を得るための選考イベントに挑戦することになる。一方で、復讐に燃える音楽家であり踊り子のレダでプレイすると、父親を殺害した犯人たちを追跡して討ち取る血塗られた復讐劇の渦中へと放り込まれる。大剣闘祭へと至る道のりはカイの辿った道とは全く異なっており、レダは女神の助けによって、大会開幕直前に到着したにもかかわらず滑り込みで出場を果たせる。 これまで見てきた限り、『万紫千紅』は『風花雪月』とは対極のアプローチを取っているようだ。序盤で各主人公の個性的でパーソナルなドラマを前面に押し出し、その後に物語が集約して、プレイヤーが育成してきた各ルートの仲間たちと合流し、大陸を蹂躙するアンデッド軍勢に立ち向かう構造になっていると推測される。これは非常にスマートな手法であり、序盤で丹念に育んだキャラクターたちと後半でどのように共闘できるのか、期待が高まる。 2) 呪われし絆の力 各ルートの独自性を高めているもうひとつの優れた要素が、主人公ごとに用意された固有のアビリティ群、とりわけ新技「ブレイズアーツ」の存在だ。主人公たちはそれぞれ呪われているとされる神器を手にすることになり、カイなら爆発する火の玉を放ち、ディートリヒなら障壁をすり抜けてテレポートし、レダなら歌で味方を強化するといった、戦場での新たな戦術を展開できる。 この強力な技には、考慮すべき興味深い副作用が存在する。使用すると自身のHPを一定量消費するが、同時に専用のゲージが溜まっていく(これは『ファイアーエムブレム エンゲージ』から着想を得た数少ない要素のひとつのようだ)。1回の戦闘の中でブレイズアーツを何度も使用すると、そのヒーローのステータスが大幅に強化される。しかし、頼りすぎてゲージが限界まで溜まると「バースト」を引き起こし、戦闘終了まで最大HPが減少してしまう。リスクとリターンを見極め、ヒーローを危険に晒すことなくパワーを引き出す「限界点」を探る試行錯誤が実に楽しい。 戦闘以外でも、各主人公の生い立ちや個性が他のルートにはない新たな可能性を生み出している。カイの生まれ持っての優しさは助けを求める人々を察知しやすく、未熟さを補うほど多くの「名声」を獲得できる。一方、レダは世界マップ上の街で演奏を披露することで、ユニークな報酬やブレイズアーツ用の新たな楽曲を手に入れることができる。誰を操作しているかによって世界を探索するルート自体が変わってくるような、こうした細やかな作り込みが素晴らしい。 3) 果てしなく続く道 世界探索と言えば、『万紫千紅』にはワールドマップの移動にもユニークな工夫が凝らされている。ダグザ帝国に馴染み、その首都に到着すると、大剣闘祭が始まるまでの自由時間を使って大陸を散策できるようになる。街の中にも遊べる要素は豊富にあるが(『風花雪月』のガルグ=マク大修道院のように)、街の中での行動で時間が経過することはめったにない。本当の意味で時間を進めるには、外の世界へと踏み出す必要があるのだ。 街道を旅すれば旅するほど、新たなランドマークを発見できる。食材や資源を採集する場所、交易をして貴重なアイテムを手に入れる街、そして立ちふさがる敵やミニダンジョンなどだ。 …
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ファイアーエムブレム 万紫千紅 -Switch2
国のため、家族のため、己のため。4つの信念が、大剣闘祭で激突する。 神々の支配により、1500年に渡って繁栄を極めるダグザ帝国。その首都・ダグシオンで「大剣闘祭」の開幕が宣言され、各国から名だたる猛者たちが集結。巨大な闘技場とダグザの地を舞台に、さまざまな力と信念が激突していく。
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