TRPGのルールと「DARK SOULS」シリーズ風のゲームプレイを融合し、フロム・ソフトウェアにとっても野心的な作品にプレビューの主なポイント 『The Duskbloods』は、フロム・ソフトウェア史上もっとも複雑かつ興味深い作品になるかもしれない。宮崎氏は、ゲームシステムやマルチプレイの仕組みにTRPGからの影響があると語った プレイフィールは『Bloodborne』や『ELDEN RING NIGHTREIGN』に近く、そこへ高い機動力を加えたものとなっている。8人で戦うフェーズ制のPvPvEで、勝利点を獲得し、脱落を避けながら戦う ロックオンによるターゲット追従やカメラは、高速で移動する相手を捉え続けるのが難しい場面もあるものの、戦闘は緻密かつ激しいものとなっている フロム・ソフトウェアにとって、マルチプレイは決して目新しいものではない。侵入は「DARK SOULS」シリーズの定番要素であり、直近では『ELDEN RING』の協力プレイに新たなひねりを加えた『ELDEN RING NIGHTREIGN』が登場したばかりだ。しかし、『The Duskbloods』はそれらとはまったく異なる、同社にとって新たな領域の作品である。これを単純にPvPvEゲームと呼ぶだけでは、その本質を著しく過小評価することになるだろう。本作にはおなじみの歯ごたえあるアクション戦闘があり、それをフェーズ制のマッチに組み込んでいる。8人のプレイヤーがフィールド上で、実質的に勝利ポイントとなるものを奪い合い、次のフェーズへと進んでいく。そして最終的には、3人によるPvPの乱闘で締めくくられる。私は東京のフロム・ソフトウェアを訪問し、『The Duskbloods』を約8時間プレイする機会を得た。本プレビューでは掘り下げるべき細かなニュアンスが数多くあるが、まず先に言っておきたいのは、本作には「DARK SOULS」シリーズの系譜に連なる新たなヒット作となる素質があるということだ。挑戦に楽しさを見出し、その世界の謎に突き動かされて先へ進み続ける――それが今回は、Switch 2独占の対戦型マルチプレイという文脈で展開されるのである。このような大胆なアイデアを実現できるチームがあるとすれば、それはディレクターの宮崎英高氏率いる開発陣をおいてほかにないだろう。さあ、覚悟してほしい。『The Duskbloods』は、フロム・ソフトウェアがこれまでに手がけたなかでも、もっとも複雑で、もっとも興味深いプロジェクトになるかもしれない。 ほかのメディアやコンテンツクリエイターとともに私がプレイしたビルドはネットワークテストと同じものであり、自身での録画が許可されていなかったため、ここでお見せしているゲームプレイ映像はすべて任天堂とフロム・ソフトウェアから提供されたものだ。UIが非表示になっている点や、お見せできない特定の機能があることにお気づきかもしれない。『The Duskbloods』にはさまざまな要素が複雑に絡み合っているため、まずはその前提となる部分から説明しておく必要がある。 本作はSwitch 2専用のマルチプレイ専用タイトルであり、8人のプレイヤーが「血族」と呼ばれる複数のキャラクターから1人を選んでマッチに参加する。それぞれのキャラクターには固有の近接武器、遠距離武器、特殊能力が備わっている。マッチはそれぞれ約8分間続く3つのフェーズで構成されており、プレイヤーは生き延びるために美徳を獲得しなければならない。フェーズIは全員が必ず通過するが、フェーズII終了後には下位2名が脱落し、フェーズIII終了後には下位3名が脱落する。こうして残った3名のプレイヤーは、血のように赤い空の下にある閉ざされたバトルアリーナへと転送され、「月の血授」と呼ばれるフィナーレで決着をつけるべく戦うことになる。1回のフルマッチは約30分に及ぶこともあるが、4つのパートはいずれも変化に富み、時間やほかのプレイヤーとの熾烈なレースのように感じられるため、一瞬一瞬が重要となるなかで集中を切らさず没頭するのは容易だ。 美徳を追い求めて では、どのようにして美徳を獲得するのだろうか? まず、PvEの敵をもっとも多く撃破したプレイヤー(血の牙の称賛)や、もっとも多くのアイテムを収集したプレイヤー(蒐集化の称賛)にポイントを与える「称賛」がある。これはほかのプレイヤーとの比較した結果に応じてポイントが付与されたり奪われたりするため、マッチの進行に伴って変動するが、これらのステータスが表示されることはない。また、フィールドの特定の地域にある骸骨の玉座の上で収集できる紫色の残り火、灯の美徳もある。これらが出現する地域はフェーズごとにランダムに決まるが、その地域内での出現場所は似通っているようだ。マップ上にマークされた、侵略者と呼ばれる強力なCPU制御の敵を倒すことでも美徳が与えられる。侵略者は難易度にばらつきがあり、倒すまでに長い時間がかかることもあるため、マッチ序盤では時間の使い方として最善とはいえないかもしれない。さらに、各血族には烙印と呼ばれる、そのキャラクター固有の目標があり、これを達成すると美徳を獲得できる(この点については後述する)。 最後に、私がもっとも気に入っている美徳の獲得方法は「儀式」と呼ばれるものだ。なぜなら、ここでプレイヤー同士の攻防が実に白熱するからである。フェーズIIおよびフェーズIIIの後半あたりになると、フィールドの特定の区画が金色の輪郭で示され、そこが儀式場であることを表す。境界内には4つか5つの占領ポイントがマークされ、マッチはキング・オブ・ザ・ヒル形式のゲームへと変貌する。ポイントを占領すると誓約の美徳を獲得できるが、占領するにはアクションボタンを約10秒間押し続けなければならない。その間は無防備な状態になるため、襲いかかってくるかもしれないほかのプレイヤーや敵に対して格好の的となってしまう。さらに、ほかのプレイヤーは自分が占領したポイントを奪うこともでき、その場合は自分の美徳が奪われ、相手に渡ってしまう。私はポイントが開放された瞬間に滑り込んで占領し、誰にも邪魔されないことを願うのが大好きだが、自分のポイントを維持して防衛しなければならないときの緊張感は凄まじい。そして、ここでPvP要素が本当に重要になってくる。剣の美徳を獲得できるのは儀式場の中だけであり、これはほかのプレイヤーを倒すことで得られる報酬だ。ポイントを占領し、防衛し、ほかのプレイヤーと戦う――そうして儀式場はまさにPvPゾーンと化すが、そこで獲得できる美徳は素早く蓄積され、ランキングを一気に駆け上がることができる。 本作では不意を突くことが絶大な効果を発揮する。フィールドの知識と血族の能力を効果的に活用して先手を取れば、ほかのプレイヤーをあっという間に仕留めることができるからだ。そして、そこから生まれる押し引きの駆け引きは、このうえなくスリリングだ。なお、マッチ中は何度もリスポーンするため、死亡しても脱落を意味するわけではない。また、儀式への参加も義務ではない。儀式はどちらかといえばマップイベントのようなものだからだ。しかし、ハイリスク・ハイリターンであることに変わりはなく、私のような筋金入りの「DARK SOULS」シリーズ好きにとっては、そのリスクが実にたまらない魅力なのだ。参加することにしたなら、儀式場の周辺に出現するアイテム、黄金石と赤石に注目するといい。これらはそれぞれ、ポイントの占領時、ほかのプレイヤーを倒したときに獲得できる美徳を増加させてくれる。 フェーズIIおよびフェーズIIIでは、展開に変化をもたらすランダムなマップイベントが発生することもある。私が何度も引き当てたイベントのひとつは、上空に留まる飛行船から空爆を要請できるというもので、自分自身も含めて範囲内のあらゆるものを壊滅させることができる――私の大切な儀式のスポットにほかのプレイヤーを近づけないためには、間違いなく重宝した。一方で、より多くの美徳を獲得するチャンスとなるイベントもある。たとえば、フィールド上でもっとも高い建物の頂上にある鐘を最初に鳴らしたプレイヤーに報酬が与えられるというものだ。私は塔を登る巧妙な方法を見つけることで、誰よりも早くこれを成し遂げることができた。しかし、登る途中で他の5人が先を争い、互いに攻撃を仕掛け合う光景は、まさに混沌を極めていた。 私は美徳システムをすぐに理解できたため、安定してフィナーレまで勝ち進むことができた。しかし、最後の3人によるPvPの乱闘ではまったく異なるスキルが求められ、まるで対戦格闘ゲームや、あの手の3Dアリーナ対戦アクションのような動き方をする場面すらあった。この混沌とした状況をどう捌けばいいのかわからなければ、圧倒されてしまうかもしれない。閉ざされたアリーナでは小細工を仕掛ける余地があまりないため、相手の動きを読み、それぞれの血族に何ができるのかをしっかり理解しながら、つねに周囲に注意を払うことが重要になる。特に、全員が召喚したNPCの仲間を連れて戦うことになるため、なおさらだ。各プレイヤーには2つの命があるため逆転のチャンスもあるが、真っ向勝負のPvPが要求するスピードと激しさについていけなければ、厳しい戦いになるだろう。これこそが「DARK SOULS」シリーズ流の挑戦だが、最後にそれをやり遂げたときの達成感は格別だ。 …
つづき【PS5】ELDEN RING NIGHTREIGN
他プレイヤーとともに圧倒的なシチュエーションに挑むアクションゲームです。 「ELDEN RING」の敵や武器などの要素の一部を引き継ぎながら、まったく異なるゲームデザインで再構築した本作では、プレイヤーはそれぞれ個性の異なるキャラクターを操作し、新たな脅威に挑みます。
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