主要4タイトルで検証――あなたは無駄なパフォーマンスの犠牲になっているかもしれない私は恵まれたゲーマーだ。ハードウェアレビュアーという職業柄、長年にわたって最高峰のCPUやグラフィックボードを提供され、次から次へとフラッグシップモデルを乗り換えてきた。そのおかげで、ゲームの設定に関してはすっかり横着になってしまった。とりあえず用意されている最高の「ウルトラ」設定を選び、そのままプレイを開始するのが常だったのだ。しかしそうやって最高設定を選び続けることは、マーケティング戦略に乗せられ、結果として莫大なパフォーマンスをドブに捨てていたことに他ならなかった。 実際のところ、大半のゲームは「ウルトラ」設定にしなくとも十分に美しく見える。美しく見せるために「ウルトラ」である必要すらもないのだ。最新のアップスケーリング技術は高解像度を擬似再現するのが極めて上手く、意識してじっくり見比べでもしない限り、「ウルトラ」と「高」の画質差などほとんど気付けないレベルに達している。 そこで実験として、グラフィックの優れたいくつかのタイトルで設定を下げ、どれほどの違いが出るのかを検証してみた。結果、テストしたほとんどのタイトルで目立った画質の違いを見分けるのは困難だっただけでなく、フレームレートが劇的に向上し、驚くほど滑らかな映像が得られた。このわずかな画質の妥協に対して、得られるメリットはあまりにも大きかった。 PCの構成と設定 私がこれまでグラフィック設定を無視してこられたのは、負荷の低いゲーム選びとハイエンド環境という組み合わせのおかげだ。前述の通り現在の私のPCは強力だが、日頃プレイするのは専ら旧作のシミュレーションや軽量なインディーゲームだったりする。 AMD Ryzen 9 7950X3DとPowerColor Red Devil RX 7900 XTXの組み合わせは、市場で最速クラスのゲーミングCPUと、AMD史上最速のグラフィックボードの構成だ。RTX 5080やRTX 5090には及ばず、ウルトラ設定でのパストレーシングを前提とした設計とまでは言えないものの、性能的に遠く及ばないわけでもない。ほぼすべてのゲームを「ウルトラ」設定かつ4K解像度、時にはレイトレーシングを有効にした状態でも十分に動かせるポテンシャルを備えている。 特にFSRによるアップスケーリングやフレーム生成を組み合わせれば、動作は一気に滑らかになる。 今回の検証プランはこうだ。まず機能的にプレイ可能(最低30 FPS以上)な限界の最高設定(解像度はネイティブまたはFSR「クオリティ」、フレーム生成はOFF)でいくつかゲームを走らせ、スクリーンショットを撮影する。次に画質設定は最高のまま、FSRを「バランス」に変更して計測。最後に、全グラフィック設定を一段階だけ下げる(最高が「ウルトラ」なら「高」に、最高が「高」なら「中」にするなど)。 ではゲームを始めよう サイバーパンク2077 今なお史上最高峰のグラフィックを誇る『サイバーパンク2077』から始めよう。私のRX 7900 XTXの悲鳴を聞くことができるゲームがあるとすれば、間違いなくこれだ。 案の定、「レイトレーシング:オーバードライブ」設定、4K解像度、パストレーシング有効、FSR「クオリティ」モードの組み合わせでは、最高でも20 FPS程度しか出ず、カクカクとした紙芝居状態に陥った。もちろん、見た目自体は息をのむほど素晴らしい。 レイトレーシング:オーバードライブ、パストレーシング有効、FSRクオリティ設定 レイトレーシング:オーバードライブ、パストレーシング有効、FSRクオリティ設定 しかし、同じ設定のままFSRを「バランス」に変更しても、変わらず素晴らしい映像が得られるのだ。撮影したスクリーンショットを見比べても、「クオリティ」側で背景の細部がわずかにリアルかつ環境に馴染んで見える程度で、違いを見分けるのは非常に難しい。 一方で、パフォーマンスの向上によってゲームは「実際に遊べるレベル」へと変貌を遂げた。 …
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