IGN USによる『鬼武者 Way of the Sword』レビュー 自らを追い込んだ先で見つけた、極上の剣戟

素晴らしい物語と、それに引けを取らない見事なアクションが融合IGN JAPANでは、『鬼武者 Way of the Sword』についてスコアつきの独自のレビュー記事を掲載中だが、さらにIGN USによる本作のレビュー記事もお届けする。レビュースコアは10点満点。「アイテムを一切使わない」という独自の制限を課したレビュアーによる評価だ。 物心ついた頃からずっと、10秒間だけでも完璧でありたいと願ってきた。心に響き、心を掴み、感情を揺さぶるような完璧な一文を書くこと。完璧なプレイを見せ、心身の隔たりを消し去り、純粋な動きの一瞬に完全な人生を生きること。ほんの一瞬でも、自由になること。 『鬼武者 Way of the Sword』には、ほかのすべてが消え去るような瞬間がある。コントローラーの存在感は消え、世界は収縮し、あなたと宮本武蔵との距離は完全に消失する。そこにあるのは、刃と刃がぶつかり合い、技と技とが交錯する世界だけだ。次の一瞬、次の機会のためにすべてを賭け、勝利を掴むかチャンスを使い果たすまで、何度もそれを繰り返すことになる。武蔵が立っている限り、まだ好機はある。『鬼武者 Way of the Sword』は私に挑んできた。そして私は、それを通じて自分自身に挑んだ。私は、思いもしなかった主人公とのつながりを見出し、その感覚はこれからも私の中に残り続けるだろう。『鬼武者 Way of the Sword』は極めて見事なビデオゲームである。 奇妙に思えるかもしれないが、『鬼武者 Way of the Sword』は史実という題材をかなり自由に扱った歴史フィクション作品である。宮本武蔵と、そのライバルである佐々木巌流は、ともに同名の実在した剣豪をモデルとしている。武蔵が対立する剣術流派の師範を打ち破ったあと、2人は幻魔と呼ばれる怪物に襲われ、命を落とす。その後、地獄にいる謎の男が武蔵を蘇らせ、倒した敵の魂を吸収できる鬼の篭手を無理やり装着させる。その篭手には、すでに静という名の女性の魂が宿っていた。こうして幻魔に立ち向かう力を得た武蔵は、静に導かれ、同じ鬼武者であり、この世と地獄を隔てる鬼門を守る小野篁(おののたかむら)、そしてその助手である出雲阿国(いずものおくに)と手を組み、目に映るすべてを歪めていく邪気から街を守ることになる。しかし、老人が篭手を授けたのは武蔵だけではない。佐々木巌流もまた篭手を授かっており、それは幻魔の魂と同じように、人間の魂も容易く喰らうことができるのだ。 まだほかにもあるが、『鬼武者 Way of the Sword』の物語はぜひ自分自身で確かめてほしいと本当に思う。本作はプロット主導というよりキャラクター主導の物語であり、登場人物たちが実に生き生きとしている。その中心にいるのが武蔵だ。これ以上ないほど魅力的で、文句なしにカッコいいキャラクターである。彼は鬼の篭手と、それによって与えられた力を嫌っている。なぜなら、それは自分自身で勝ち取ったものではないからだ。彼は生まれながらのヒーローではない。ただ剣術の腕を磨き、世界最高峰の相手を前に自分の力を証明したいだけなのだが、置かれた境遇によって、それ以外の選択肢を奪われている。鬼の篭手を外す唯一の方法は、武蔵を癒やすのに十分な量の幻魔の魂を与えることだ。彼は粗野で、その自信は傲慢と紙一重のところもあるが、それもまた彼をこれほどおもしろい人物にしている要素のひとつだ。口でも剣術でも一歩も引かない彼が、これまで見たなかでもっともカッコいいやり方で幻魔たちを斬り伏せながら、彼らに強烈な悪態をつく姿を見るのは実に痛快だ。本作には、あまりにも見事な出来で脳裏に焼き付いて離れないカットシーンがいくつもある。武蔵が思うがままに暴れ回る姿を見ていると、私と妻(彼女は物語にすっかり夢中になり、私のプレイを最初から最後まで見届けた)は、まるで5分おきに「なんてカッコいいんだ」と声に出していたように感じるほどだった。 だが、武蔵に愛着を抱く理由は、その腕前や強気な態度だけではない。彼がほかのキャラクターたちと築く関係性もまた、その魅力を形作っている。静のことを「篭手の女」と呼んでいた武蔵が、やがて生死を共にする相棒としての絆を築いていく様子を見るのは大きな喜びであり、私自身も彼女を大切に思うようになっていたからこそ、その変化に共感できた。武蔵は篁を尊重し、その言葉に耳を傾けるだけの賢さを持ち、可能な限り阿国を導くほどの良識も備えた男だ。こうした人間関係こそが『鬼武者 Way of the Sword』の感情的な核を形成しており、登場人物たちが変化し、互いを思いやるようになっていく姿を見ながら、私自身も彼らを大切に思うようになっていった。それに加えて、本作には私がビデオゲームで見たなかでも最高峰の表情アニメーションがあり、彼らが感じていることを一瞬一瞬、説得力をもって伝えてくれる。武蔵の顔立ちは、伝説的な日本人俳優・三船敏郎をモデルとしている。三船は、同じく伝説的な監督である黒澤明の映画で武蔵を演じた人物だ。カプコンは、頭の後ろを掻く癖や歩き方に至るまで、三船のスクリーン上での身のこなしの特徴を見事に落とし込んでいる。故人となった俳優の顔立ちを使用することにはつねに難しさが伴うものだが、カプコンはここで見事な手腕を発揮している。 武蔵は、これ以上ないほど魅力的で、文句なしにカッコいい …

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