吸血鬼の主食といえば生血……そんな古今東西のお約束を真っ向から否定する意欲作が登場した。ポルトガルのデベロッパーDigitality Gamesが手掛ける『Voltaire: The Vegan Vampire』は、菜食主義(ヴィーガン)に目覚めたドラキュラの末息子「ヴォルテール」が主人公のアクション農業ローグライトだ。Xbox向けにコンソール展開を果たした。
父ドラキュラの怒りを買い、手下たちに畑を荒らされそうになりながらも、野菜を育てて自らの信念を証明していく。ゴシックホラーとポップなアニメ調イラストが融合したビジュアル、そして昼夜でまったく異なるゲームプレイが展開される本作の手触りを、実際にプレイした所感を交えてお届けする。
昼は農作業、夜は防衛戦!メリハリが効いた独自のゲームサイクル
本作の根幹を成すのは、「昼のファームマネジメント」と「夜のタワーディフェンス」という明確な二面性だ。
日中は魔法の種を植え、水をやり、収穫を行う農業パート。ただし、のんびりスローライフを満喫している暇はない。ヴォルテールは活動するたびに空腹ゲージが蓄積し、限界を迎えると倒れて強制的に夜パートへ移行してしまう。空腹を抑えるには育てた野菜を食べる必要があり、どの作物を自分の食料に回し、どの作物を防衛用の武器として配備するかというリソース管理が常に求められる。
陽が落ちると状況は一変。ドラキュラが送り込むモンスターの大群が四方八方から押し寄せてくる。プレイヤーはヴォルテール自身の近接・魔法攻撃を振るいつつ、畑に配置した攻撃型植物や防衛トラップの援護を受けながら、拠点となる家と大切な作物を死守しなければならない。群がる敵をなぎ倒していく手触りは、見下ろし型アクションとしてなかなかの爽快感がある。
個性的なビルド構築とマルチプレイの熱さ
ローグライト要素として、スキルツリーやクラス解放、能力リセット(リスペック)が用意されている点もポイントだ。パイロマンサーやドルイドといったクラスごとに異なる戦闘スタイルを試すことができ、周回プレイでソウルストーンを集めてキャラクターを強化していく手応えはしっかりと感じられる。
さらに本作の魅力を大きく引き上げているのが、ローカル画面分割による協力プレイ(Co-op)への対応だ。ひとりが作物の収穫や拠点の修繕に奔走し、もうひとりが前線で敵を食い止めるといった役割分担が可能で、ソロプレイ時とは比べものにならないほど防衛の安定感と連携の楽しさが増す。友人や家族と肩を並べてワイワイ遊ぶパーティーゲームとしても非常に優秀なポテンシャルを秘めている。
プレイして感じた課題と気になるポイント
魅力的なコンセプトを持つ一方で、粗削りな部分も見受けられた。
日中の資材集め(木材や石の採集)や水滴集めの作業テンポがやや重く、同じルーティンを繰り返す時間帯が長引きやすい。また、序盤を越えてビルドが完成すると夜間パートの緊張感が一気に薄れてしまうなど、ゲームバランスの調整には改善の余地が残る。ボス戦での急激な難易度上昇や、拠点破壊時の復帰仕様など、人によってはやや理不尽に感じる場面もあるだろう。
とはいえ、フランク叔父さんとシュタイン叔父さんによるユーモラスな掛け合いや、どこか憎めないモンスターたちのデザイン、作品全体に漂う陽気なダークコメディの空気感は、それらの粗を補って余りある個性を放っている。
本作はどんなプレイヤーにおすすめか?
- 『Plants vs. Zombies』や『Atomicrops』のような「農業×防衛」の組み合わせが好きな人
- ダークファンタジーやティム・バートン風の少し不気味でポップなアートスタイルに惹かれる人
- ローカル画面分割で気軽に遊べる協力プレイタイトルを探している人
- カジュアルに周回育成を楽しみたいインディーゲームファン
独特な世界観の中で、野菜を育てて敵を撃退する手応えは唯一無二。一風変わったローグライトを体験してみたいなら、手に取ってみる価値のある一本だ。
ゲーム概要
- タイトル: Voltaire: The Vegan Vampire
- 開発元: Digitality Games
- パブリッシャー: indie.io(家庭用版:JanduSoft)
- ジャンル: アクション / 農業シミュレーション / タワーディフェンス / ローグライト
- プレイ人数: 1〜2人(ローカル協力プレイ対応)
- 価格: 2,300円
- 発売日: 2023年10月27日(※PS5/Xbox版:2026年9月30日配信)
- 対応言語: 英語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、スペイン語(※日本語非対応)
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