恋愛、クトゥルフ、ループ設定まで詰め込んだ異色の錬金術経営シミュレーション『夜明けの笛吹き者』プレビュー

50万本の突破の人気作『ヨグ=ソトースの庭』の正統続編錬金術をテーマにした経営シミュレーション『夜明けの笛吹き者』がSteamでリリースされた。開発を手がけるのは、人外キャラが多数登場するホテル経営シミュレーション『ヨグ=ソトースの庭』と同じBone Nail。同作は50万本突破の人気タイトルだが、『夜明けの笛吹き者』もキャラクターと仲良くなっていく恋愛アドベンチャーゲーム要素、クトゥルフ要素を同じように備え、開発が言うように正統続編と言える。 ゲームとしては種まきや水やり、収穫といった畑仕事をして、作物を収集し、それらを施設で加工してお店(錬金工房)で売るという流れが基本になる。ユニークなのは、「人柴」と呼ばれる、畑に植えることで収穫できる労働者(何を言っているのかよくわからないと思うが、実際にそうなのだ)の存在だ。彼らには畑仕事や店番、施設での加工などを頼むことができ、作業をある程度自動化することが前提となっている。 開発によると、単調な作業に陥ってしまうのを防ぐために人柴が導入されたのだそうだ。「売り物である作物だけでなく、農場の労働力さえも畑から収穫する」という驚きのアプローチではあるが、錬金術の醸し出す不気味なタッチとの相性はよく、システムとしてはうまくなじんでいる。 人柴は、頭部を持たず、代わりに大きな目玉や脳、歯などの人体パーツが身体についた異様な姿をしているものの、草むしりが得意だったり、作物の収穫量を増やしたり、店番をしているときにアイテムの購入量が増えたりとそれぞれに得意分野がある。これらを加味して、各所に人柴を割り振り、効率化しつつ、工房を拡大していくのが基本的な目的だ。 農業・加工・自動化を繰り返して拡大生産を行っていく流れは、スローライフゲームでおなじみのものだ。ただし、『夜明けの笛吹き者』は見下ろし型のフィールドで農園や工房、町などを行き来する形式を採用しており、自キャラが歩くような要素はない。作物や施設をクリックすることで、ひととおりの操作が完結するため、プレイフィールは近年勢いを増し続けているインクリメンタルゲーム(放置ゲームの一種)にも近い。とはいえ、ベースはあくまで経営シミュレーションゲームなので、施設をいかに配置・稼働させてお金を稼いでいくかといった部分がメインになる。 錬金術がテーマなだけあって、物資を組み合わせることで別の物資を作り出すような要素があるほか、スキルツリー型の新たな物資のアンロックシステム、工房の拡大や地下世界にも広がっていく農園の拡張など、要素がてんこ盛りなのも特徴。やることは簡潔ながら情報量が多いため、序盤は戸惑ってしまう可能性もあるが、幸い時間に追われるようなことはほぼないため、徐々に慣れていくことができるだろう。 ストーリーは、作中で1カ月が経過した時点でとある惨事が起こって「自身が記憶を保持したまま、最初の段階に戻る」という、ループものだ(農場などの拡張段階も保持される)。序盤をプレイした限りでは、各登場人物の目的を含め、謎に包まれている部分が多い。また、「100万文字を超える」と告知されているとおり、経営シミュレーションゲームの合間に少量のテキストがあるというレベルではない。プレイしていると経営シミュレーションと恋愛シミュレーションが半々くらいのバランスでブレンドしたような印象をもった。実際、イベントが起こるたびに5分ほどのテキストを読むことはざらだ。6人のキャラクターとの好感度シナリオ、マルチエンディングなども用意されている。

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