『Castlevania: Belmont’s Curse』レビュー アクション重視のハイペースなゲームプレイで、シリーズを現代へと導く待望の復活

アクション重視のハイペースなゲームプレイで、シリーズを現代へと導く待望の復活2Dの「Castlevania(悪魔城ドラキュラ)」本編の最後の作品から20年近くが経ち、2003年に『Dead Cells: Return to Castlevania』を手がけたチームに、ついに本物のドラキュラ城の鍵が託された。『Castlevania: Belmont’s Curse』は、新旧のアイデアを独創的に融合させることで、40年の歴史をもつ本シリーズに新たな息吹をもたらそうとしている。一族に伝わるムチを振るうベルモンドを冠す完全新規のキャラクター、行く手に立ちはだかるおなじみの敵たち、そして同ジャンルで当たり前のように求められる現代的な利便性を備え、開発元のEvil Empireはおおむね狙いを達成している。しかし、2000年代初頭にプレイしたシリーズの完全かつ忠実な復活を『Castlevania: Belmont’s Curse』に期待する長年のファンは、考えをあらためたほうがいいだろう。良くも悪くも、今回狩ることになるのは、これまでとは毛色の違う怪物なのだ。 本作は、ファミコンの名作『悪魔城伝説』(Netflixのアニメシリーズの原作となった作品でもある)の出来事から約23年後、パリを舞台に幕を開ける。今回、強大で邪悪なドラキュラ本人をはじめとする、さまざまな夜の怪物たちに痛い目を見せる役目を担うのは、トレバー・ベルモンドとサイファ・ヴェルナンデスの娘、ローズ・ベルモンドだ。トレバーはパリで何が起きているのかを突き止めるため、ローズをひとり残して去る。そして、そこから10~15時間にわたって展開される物語は、40年の歴史をもつ本シリーズのファンなら予想するであろう内容に集約される。すなわち、ドラキュラが復活し、プレイヤーは彼を倒さなければならない、というわけだ。 『Castlevania: Belmont’s Curse』には随所に気の利いたひねりが散りばめられている。その多くはタイトルの「Curse」が示すように「呪い」であり、そして劇中では描かれないものの、出産時に亡くなる前にサイファが娘に遺した謎めいたタロットカードをめぐるものだ。全体として楽しい物語に仕上がっており、私のような熱心なファンなら気づくような目配せや小ネタも気に入った。だが、私がこれらのゲームに惚れ込んだ理由が物語だったと言えば、嘘になるだろう。 ベルモンド一族の歴代の英雄たちの中でも、私はローズをかなり高く評価している。一族の遺産を受け継ぐにふさわしい存在だと証明するために旅立つ彼女は、たしかに意志が強く、目標に向かって邁進しているが、まだ少し粗削りな部分があることも見て取れる。ときに衝動的になることもあるものの、失敗から学んでいく。タフな外面がときおり崩れ、より傷つきやすい一面がのぞくことがあっても、ローズが誰かに救いを求めるか弱い乙女のように見えることは決してない。むしろ、扉をぶち破ってあなたを助けに来るのは彼女のほうだろう。ソニア・ベルモンドの精神を、その肩にしっかりと受け継いでいる。 これまでのシリーズ作の主人公らと同様、ローズの旅にも、「あのお方」を再び棺桶に押し込めるための協力者が少数ながら加わる(実際、本作は登場人物たちによるドラキュラの呼び方にはこだわっていることがうかがえ、英語表記では頭文字のHをわざわざ大文字にして「Him」としているほどだ)。しかし、過去作とは異なり、こうしたやり取りの大半はローズの頭の中で、彼女が倒したボスたちの魂を相手に繰り広げられる。ボスたちの魂は、いまや彼女のタロットカードに封じられているのだ。怪物、ジャンヌ・ダルク、メデューサという主要な3人が言い争う場面には楽しいものもあるが、ほかのボスたちにも、もっと頻繁に会話に加わってほしかった。 主人公のローズは、ソニア・ベルモンドの精神を、その肩にしっかりと受け継いでいる また、道中で実際に人と出会う機会がないことにも寂しさを覚えた。『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』でアルカードが初めてマリアと出会う場面のように、登場人物同士の出会いは、死に満ちた城とその周辺の土地に生気を与えていた。それと比べると、メデューサと頭の中で言い争う場面はおもしろいものの、同じような感慨をもたらしてはくれない。物語がパリから始まることを考えると、営業している店も、話しかけられる人もひとりとして残っていないのは、少し奇妙に感じられる(もっとも、パリは燃えているのだが)。『悪魔城伝説』でトレバーやサイファの仲間だったグラントに、どこかで偶然出会えたら最高だっただろう。 マップは、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』よりも『スーパーメトロイド』に近い構造で、独立した大きなゾーンに分かれている。通常、各エリアにはボスが待ち受けている。こうした大きなゾーン同士は、ところどころにある橋や通路でつながっており、やがて発見することになる特別な渡し守の扉を使えば、ドラキュラ城のさまざまな区画や、さらに奇妙な場所も含め、地域間を素早く行き来できるようになる。この手のゲームで道に迷ったり、やるべきことを忘れたりしがちな私にとって、『Castlevania: Belmont’s Curse』に取り入れられた現代的な利便性は非常にありがたい。各エリアの達成率を確認できる機能や、マップ上に配置できるさまざまなマーカーなどが用意されている。私はこれらの機能を惜しみなく、何度も活用した。移動能力のアップグレードがなければ通れない道や、目には見えているものの手が届かない収集アイテムの位置を把握するのに役立つからだ。 もうひとつ、特に便利な機能がある(なぜか、これについては明確な説明が一切ない)。同じ地域内にあるセーブルーム間をファストトラベルで移動できるのだ。鏡の真正面でローズをしゃがませ、下方向の入力を数秒間続けると、小さなハブのような場所に移動する。そこから別の鏡を選べば、その鏡の場所へ出られる仕組みだ。このジャンルの特徴でもある、来た道を戻る移動や探索がふんだんに盛り込まれた本作では、大いに役立つ機能である。残念なのは、最初にしゃがんでから、ハブで再びローズを操作できるようになるまでに約15秒もかかることだ(少なくともPS5版では)。便利な機能ではあるものの、このロード時間にはあっという間にうんざりしてしまった。 おおむね、シリーズ作には、ほかの作品との差別化につながる独自のシステムやメカニクスが何かしら備わっている。たとえば、『Castlevania 暁月の円舞曲』と続く『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』には敵の魂を取得するシステムがあり、『悪魔城ドラキュラ Circle …

つづき
記事を見る
キーワード:PS5アクションメトロイド悪魔城ドラキュラ の他の記事をみる

PlayStation 5

PlayStation 5のゲーム体験を実現するテクノロジーや機能はそのままに、小型化を実現した新モデルのPS5

確認する

最新ゲーム情報をチェック!(トップへ戻る)

関連性のありそうな記事