『Forza Horizon 6』の「気ままなドライブを報酬に変える」設計についてーーIGN First

雰囲気を楽しむだけのドライブも許容される新たなオープンワールド体験「毎日が学びの日」とはよく言ったものだ。レースゲームについて23年間記事を書き、約40年間プレイしてきた筆者だが、今日は初めて耳にする言葉を知った。 その言葉とは、「Vibe Driving」(雰囲気を楽しむドライブ)。 意味は? Playground Gamesによれば、「ただ車に乗り込み、アクセルを踏み込み、オープンワールドを気ままに走り回るプレイスタイル」のことだという。 「これまでの複数作品を通じて分かってきたのは、『vibe driving』だけをしているプレイヤーが非常に多いということです。彼らは車で各地を巡りながら、世界そのものを楽しんでいるんです」と語るのはデザインディレクターのトーベン・エラート氏。 「だから今回は、日本らしさを感じられる本物らしい世界でありつつ、ただドライブしているだけでも楽しい世界を作ることを強く意識しました。テレメトリーデータを見ると、ただ運転すること自体を楽しんでいる大規模なプレイヤー層が存在しているんです。ただ、これまでのキャンペーンは特定のイベント進行に強く結び付いていました。そのため、自由に走っているだけのプレイヤーは車もクレジットもあまり増えなかったんです。なぜなら、ゲーム側が用意した構造化された進行システムに参加していなかったからです」 『Forza Horizon 6』では「既に有名なスーパースターとしてHorizonフェスティバルに参加する」というシリーズ過去作にあった設定が廃止され、プレイヤーは日本を訪れた一人の観光客としてスタートする。当初はHorizonフェスティバルとの関係もなく、予選イベントを突破していくことで、ようやく正式なフェスティバルレーサーとして参加資格を得られる仕組みだ。 そこから先は、初代『Forza Horizon』に影響を受けた、より整理されたレース体験が待っている。プレイヤーはリストバンドのランクを上げながら車両クラスを段階的に解放していき、S1やS2、Rクラスといった高性能マシンはゲーム後半まで使用できない。つまり、本作では「成長している実感」をより明確に味わえる構造になっているわけだ。一方で、『Forza Horizon』シリーズの根幹ともいえる「自由」を損なわずに済んでいるのは、オープンワールド側の報酬設計を強化したからだという。 「今回のフェスティバルキャンペーンは従来より少し構造化されていますが、日本をドライブしているだけでも何かしら楽しめるようにしたかったんです」とエラート氏は語る。 「そこから『DISCOVER JAPAN』というコンセプトにたどり着きました。偶然にも、これは日本政府観光局の『Japan: Endless Discovery』というキャッチコピーとも重なったんですよ」 エラート氏は、『Forza Horizon 4』発売後に寄せられたフィードバックも振り返る。 「『ゲームを始めてエディンバラまで走ったけど、マップに何もなかった』という声がありました。でもそれは、あるイベントをクリアしていなかったからなんです。特定のイベントをクリしないと次の要素が解放されない設計だったわけです」 今作では、「決まった進め方を強制する」のではなく、「プレイヤー自身の遊び方を後押しする」方向に舵を切った。 「世界の中に自然に存在するものを、ただ走っているだけで見つけられるようにしたかったんです。景色でもいいし、楽しい道でもいい。でもそれをゲームプレイと結び付けることが重要でした。つまり、『見つけたものが、そのまま遊びになる』という設計です。プレイヤー同士ももっと自然に繋がれるようになります」 その代表例となる新要素といえば「タイムアタック」だ。 「タイムアタックは『Forza Horizon 6』の完全新機能です。共有オープンワールド上で、草レース風のサーキットを使って最速ラップを競います。オフロード系もあればサーキット寄りのものもあり、基本はタイム更新を目指し続けるモードです。スプリットタイムも表示されますし、走るたびにXPやクレジットも獲得できます。好きなだけ走り込み続けられるんです」とリードゲームデザイナーのデイブ・オートン氏は語っている。 さらに、他プレイヤーが存在することでタイムアタックは新たな魅力を持つ。 「ここは自然とプレイヤーが集まる場所になります。共有ワールド特有の熱気がありますね。コミュニティランキングもワールド内に直接表示され、自分のPIクラスごとの上位タイムや、自分自身の記録も見られます。自分の名前や車、ペイントも表示されるんです」 ライバルシステムも搭載されており、特にフレンドが優先表示される。 「フレンドが自分のタイムを抜いているのを、そのまま世界内で確認できるんです。『あ、あいつに負けてる』って。そのまま再挑戦できる。最初はラップタイムを記録するだけだったんですが、デルタ表示やスプリット、コンボなどを追加していき、今では本当に夢中になれるモードになりました」 本作のタイムアタックは驚くほどシームレスだ。専用ロビーに入る必要もない。常設サーキットへ向かい、そのままコースへ侵入すれば即レースが始まる。 こうした「自由に遊んでいる行動そのもの」へ報酬を与えることが本作の大きなテーマだ。

つづき

関連性のありそうな記事