怒りに任せて切り刻むのと同じくらい、静かに過ごすストーリーにも期待主なプレビュー所感 戦闘はウルヴァリンに求められるだけの暴力性を備えており、レイジゲージも巧みに実装されているが、スパイダーマンほど自分好みに攻撃をカスタマイズすることはできない ストーリーは興味深く、X-MEN結成前のローガンが、普段は敵として知られている2人のミュータントと行動をともにする展開が描かれる 戦闘のないLowtownでは、テンポを変え、キャラクターを掘り下げる機会が設けられている。製品版では、このような「息をつく」瞬間がもっと増えることを期待したい Insomniac Gamesが過去8年間で証明してきたことがあるとすれば、それは彼らが最高峰のスーパーヒーローゲームを作る術を心得ているということだ。『Marvel’s Spider-Man』(レビュー)は今なおPS4を代表するアクションゲームの一本であり、オープンワールドデザインの輝かしい一例でもある。それは続く2作についても同様だ。今、彼らはウルヴァリンでその魔法を再現しようとしている――ただし今回は、伝統的なリニア型のAAAアクションゲームとしてだ。先日行われたプレビューイベントで約2時間半プレイする機会を得たが、全体的な印象はおおむね非常に好意的だった一方で、いくつか疑問や懸念も残った。 デモの冒頭から、これが私の知っているウルヴァリンの物語とはまったく異なるものだということは明らかだった。まだX-MENは結成されておらず、ウルヴァリン、セイバートゥース、ミスティークはみな仲間同士で、チームXと呼ばれる3人編成のタスクフォースの一員として活動している。そして彼らを率いているのは、まだ邪悪な人物には見えないナサニエル・エセックスという男だ。エセックスは彼らのメンターでもあり、世界中のミュータントを助けようとしている人物でもある。 これにより、彼らはミュータントを憎むボリバー・トラスクと真っ向から対立することになり、ゲーム最初のミッションでは、チームXがトラスクの手中からメンターを救出するために動き出す。コントローラーを手に取ってから間もなく、私は爪を突き出し、哀れな標的に向かって6メートルほど跳躍し、その身体に6つの穴を開けた。『Marvel’s Wolverine』の戦闘に対する私の第一印象は、ごくシンプルなものだった。「そう、これこそがウルヴァリンのゲームに求めていた感触だ」。根本的にはInsomniac Gamesが『Marvel’s Spider-Man』ですでに実現したものと似ているとはいえ、戦闘はスピーディーで、獰猛かつ残虐だ。 獣のように戦え スパイダーマンがウェブを使って戦場を縦横無尽に飛び回れたのと同じように、ローガンは間合いを詰める跳躍攻撃を使って一瞬で敵に肉薄し、基本的な爪の近接コンボで敵を切り刻んだり、シールドを破壊して敵を吹き飛ばす強力なキックを繰り出したりすることができる。キックはウルヴァリンの戦闘におけるもっとも特徴的な要素のひとつとなっており、敵を崖から突き落としたり壁に叩きつけたりするのに使えるだけでなく、壁に叩きつけられてスタンした敵に対して大ダメージを与える連撃を繰り出せば、たいていの場合は敵を即座に倒すことができる。 防御面においては、『Marvel’s Wolverine』はパリィ重視のゲームだ。敵は自分の番をおとなしく待ってはくれないため、ほんの一瞬の予告にも対応できるよう、つねにL1ボタンに指を添えておく必要がある。敵は非常に攻撃的で、ザコ敵であれば比較的簡単に片付けられるものの、サイバネティック強化された敵の多くは非常に守りが堅く、攻撃をパリィして隙を作ることが強く促される。また、ウルヴァリンはL2を押しながらアクションボタン(△◯✕▢)を押すことで、さまざまなスペシャルムーブを使用できる。これらはおおむね、単体に大ダメージを与える攻撃、ウルヴァリンの周囲一帯に範囲ダメージを与える攻撃、一定時間バフを付与するものなど、より強力な攻撃に使われる。これらのスペシャルムーブはいずれも、戦闘中に蓄積していくリソースではなく、それぞれ個別のクールダウンによって管理されている。 レイジは、ローガンのヒーリングファクターを戦闘デザインにうまく取り入れた仕組みで、ウルヴァリンのレイジがゲージ1本分でも残っていれば、レイジゲージを体力と引き換えにすることで、事実上死から蘇ることができる 唯一気を配る必要があるリソースが、ウルヴァリンのレイジだ。これは単純にダメージを与えたり敵を倒したりすることで溜まるが、積極的に敵を斬り刻んでいないと徐々に減少していく。これは全力で攻撃し続けることを促すためのメカニクスであり、実にウルヴァリンらしい仕様だと感じる。レイジには、ゲージを満たすことで解放できる3段階のレベルがある。レベル1はデフォルトの状態で、特に恩恵はない。しかし、レイジレベル2に到達すると、コンボの締めに追加ダメージが加わるようになり、何より重要な点として、体力をすべて失った際にラストスタンドへ移行できるようになる。これはローガンのヒーリングファクターを戦闘デザインにうまく取り入れた仕組みで、ウルヴァリンのレイジがゲージ1本分でも残っていれば、レイジゲージを体力と引き換えにすることで、事実上死から蘇ることができる。ただし、残ったレイジがゲージ1本分に満たない状態で倒れてしまうとゲームオーバーとなり、直前のチェックポイントからやり直すことになる。 だが、本当のお楽しみが始まるのはレイジレベル3からだ。レイジレベル3に到達すると、背景がグレーに変わり、敵が赤くハイライトされ、ウルヴァリンのすべての攻撃のダメージが劇的に増加するとともに、大半の弱い敵に対して即座にとどめを刺せるようになる。これにより、警戒を一切捨て去り、敵の集団を次々と瞬く間に切り刻むことができる。これはまさに、ウルヴァリンというパワーファンタジーの極致と言えるだろう。 私のプレイした範囲での戦闘に対する全体的な印象は、基本部分が実にしっかりしていて非常に満足感が高く、ウルヴァリンの精神を見事に体現しているというものだ。しかし同時に、アクションゲームにつねに求める創造性という要素が欠けているようにも感じた。たとえば「Marvel’s Spider-Man」の戦闘の楽しみのひとつは、必ずしも戦闘を攻略するうえで最適な方法ではないものの、「殴る、パリィ、殴る、パリィ、殴る、パリィ……」という単調な繰り返しから抜け出せる、数々の楽しいアクションにあった。壁を蹴って跳ね返ったり、敵を乗り越えたり、敵の下をくぐり抜けたり、ウェブで拘束したり、武器を奪い取ったり、敵を振り回したり、打ち上げて空中コンボにつなげたり、吹き飛ばしたり、引き寄せたり、といった具合だ。対照的にウルヴァリンは基本的に怒りに任せて相手を刺し続けるばかりで、彼がその道では最高の存在であることは確かだとしても、彼の戦い方にはもう少し多様性があればよかったのにと思った。 ストーリーについて もちろん公平を期して言えば、Insomniac Gamesが環境を有利に利用するよう促す楽しい仕掛けもいくつか用意されている。たとえば、敵をフォークリフトに蹴り飛ばすのはいつやっても爽快だ。また、『Marvel’s Spider-Man 2』や『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』で見られたような、パートナーとの連携攻撃が自然な形で組み込まれたチームアップも時折ある。しかし根本的な部分では、ウルヴァリンの戦闘がキャンペーン全体を通してプレイヤーを引きつけ続けられるのかについて、いくらか懸念が残る。もちろん、ゲームをさらに進めれば、その奥深さが明らかになる可能性はある。何しろ、多彩な技やスペシャルムーブを備えたスキルツリーがあり、私が今回体験したのはその表面をかすめた程度にすぎない。さらに、さまざまなキャラクター強化に使用できるアダプテーションポイントもある。後半で手に入るこれらのアップグレードやスキルが、ウルヴァリンの戦闘にさらなる味わいを加え、単に後半の敵やボスの難易度上昇に合わせてウルヴァリンの強さを引き上げるだけの、より強力な技にとどまらないことを願っている。
つづき【PS5】マーベル ウルヴァリン
Insomniac Gamesが贈るアクション満載のアドベンチャーゲーム。Marvel Gamesとの共同制作により、伝説的コミックキャラクターを題材にした完全新作のオリジナルストーリーが展開する。 「ウルヴァリン」の役目は終わったと、ローガンは考えていた。しかし過去の因縁はまだ彼を解放してはいなかった
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