「これは私自身が存在してほしいと願ったゲームだ……オンラインゲームの未来は間違いなく明るい」ゲーム史に残る屈指の苛烈なアイデアを生み出してきた人物と聞けば、どこか悪役のような雰囲気を纏っているのではないかと想像するかもしれない。だが実際の宮崎英高氏は、至って穏やかな人物だ。フロム・ソフトウェアの代表取締役であり、『ELDEN RING』や『Bloodborne』など数々の作品でディレクターを務める彼は、自身がアクションゲームをそれほど得意としていないと認めつつも、自身のアイデアを磨き上げ、自分自身がプレイしたいと思えるゲームを作ることに情熱を注いでいる。 大まかに言えば、そうした姿勢から生まれたのが「Switch 2」独占タイトルとして登場する『The Duskbloods』だ。本作は極めて高い難易度を誇るPvPvEゲームだが、これまでの作品とは異なるアプローチが採られている。ボードゲームの影響、対戦マルチプレイヤー向けに温めてきた未発表のアイデア群、そして「ソウル」シリーズのゲームプレイ——これらが組み合わさった経緯を辿れば、本作がどのようにして形作られたのかが見えてくる。 『The Duskbloods』の先行試遊プレビューの一環として、筆者は宮崎氏にインタビューを行い、自身が体験した8時間に及ぶプレイ内容について詳しく話を聞く機会を得た。マルチプレイヤー専用ゲームにおいて物語をどのように描くのか、健全なプレイヤーコミュニティを維持するためにどのようなインゲームシステムを構築しているのかなど、テーマは多岐にわたった。また、本作に散りばめられたフロム・ソフトウェアらしさや、任天堂とのパートナーシップが結実した経緯についても掘り下げている。宮崎氏は、チームがシングルプレイヤーゲームから離れるつもりは毛頭ないと強調しつつも、オンラインゲームの未来に対して極めて楽観的な展望を語ってくれた。 『The Duskbloods』は極めて複雑な要素を持つゲームであり、今回の対話でもいくつかのメカニクス(特に「烙印」システム、「美徳」ポイントシステム、そしてPvPの動態)について掘り下げている。これらの詳細な仕様については、筆者による『The Duskbloods』のプレビュー記事(下記動画)を前提知識として参照してほしい。通訳を介し、読みやすさと明確さのために編集を加えたインタビュー本文は以下の通りだ。 IGN:『The Duskbloods』は、『ELDEN RING NIGHTREIGN』を経た後であっても、貴社がこれまで手掛けてきたどの作品とも大きく異なっています。これらのアイデアはどこから生まれ、開発へと突き動かした原動力は何だったのでしょうか? 宮崎:具体的にひとつのインスピレーション源があったわけではありません。振り返ってみると、元々は任天堂様とのお話し合いの中で企画として提案したもののひとつでした。『Demon’s Souls』や「DARK SOULS」シリーズをはじめとする弊社の過去作では、「誓約」システムや「侵入」といった独自のオンライン要素を実装してきました。それに加えて、試してみたいと思いつつも、シングルプレイヤー主体の文脈や当時のゲーム内にはうまく収まらなかったアイデアが数多く蓄積されていたのです。そうしたアイデア群を反映させられる場所、マルチプレイヤーという文脈の中で活かせる場を作りたいという思いが、私の頭の中にずっとありました。 IGN:以前、ボードゲームから大きな影響を受けたとおっしゃっていましたね。ボードゲームやそのルールセットのどういった点に魅力を感じ、それがどのように『The Duskbloods』へと結実したのか、もう少し詳しく伺えますか? 宮崎:おっしゃる通り、ボードゲームから取り入れた要素としては大きく2つのポイントが挙げられます。ひとつ目は、実質的に勝利ポイントとして機能する「美徳」システムです。これは直接的にプレイヤー同士で争うような、単純なPvP要素ではありません。多くのボードゲームで採用されている共通の仕組みであり、私自身のボードゲーム体験を通じて強く影響を受け、長年考え続けてきた要素でもあります。 もうひとつは「烙印」システムで、これはテーブルトークRPGで見られるようなRPG要素に非常に近いものです。かつて私がそうしたゲームをプレイしていた頃は、ダイスを振ってキャラクターの能力値を決めるといった要素が中心でした。しかし私の頭の中では、単に数値を決めるだけでなく、プレイヤー同士の関係性や、従来のTTRPGの枠組みに収まらないような様々な要素までコントロールできる仕組みを作りたいと考えていました。そうしたプレイ体験をゲームシステムとして表現することは、ずっと温めてきた構想でもあります。 フロム・ソフトウェア代表取締役、『The Duskbloods』のディレクター宮崎英高 IGN:本作が「Switch 2」独占タイトルとなった経緯について、任天堂と組むことになった理由やパートナーシップが成立した背景など、さらに詳しく共有していただける情報はありますか? 企画段階からのアイデアだったとおっしゃっていましたが。 宮崎:最初に任天堂とご一緒することを決めた理由としては、ゲームの構想をお話しした際、非常に強い関心と理解を示してくださり、実現に向けて非常に先進的な考えを持たれていたことが挙げられます。ビジネス的な側面を考慮する以前に、その姿勢自体が私にとって大変魅力的であり、開発を進める上で大きな安心感に繋がりました。 …
つづき宮崎英高インタビュー:フロム・ソフトウェア代表が語る『The Duskbloods』に与えたテーブルトークRPGの影響、任天堂とのパートナーシップ、そしてオンラインゲームの未来
投稿日時: 2026年08月21日 15時23分頃
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【PS5】ELDEN RING NIGHTREIGN
他プレイヤーとともに圧倒的なシチュエーションに挑むアクションゲームです。 「ELDEN RING」の敵や武器などの要素の一部を引き継ぎながら、まったく異なるゲームデザインで再構築した本作では、プレイヤーはそれぞれ個性の異なるキャラクターを操作し、新たな脅威に挑みます。
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