世界の破滅を前に、インターンとして働く冴えない主人公が「世界を救うか、それとも就職活動を続けるか」というシュールな二択を迫られるインディーアクション『PEPPERED: an existential platformer』。敗北や失敗がゲームオーバーにならず、そのまま先の見えない不条理なストーリーへと組み込まれていく尖った設計が特徴の一作です。
PC版に続き、コンソール展開でも注目を集める本作のプレイフィールをお届けします。
失敗すら飲み込んで進む「一発勝負」の物語構造
本作の根底にあるのは「後戻りのできない人生」のような緊張感です。一般的なアクションゲームであれば、ボスに負ければ直前からやり直して再挑戦するのが常識。しかし本作は違います。負ければその敗北の事実を背負ったままシナリオが進行し、世界や登場人物の運命が不可逆的に枝分かれしていきます。
「やり直しが利かない」というルールが、一つひとつのジャンプや会話の選択肢に強烈な重みを与えています。世界の危機を救おうとした結果、なぜかテロリスト扱いされて社会全体から追われる羽目になるなど、展開はシニカルでブラックユーモア満載。理不尽でありながら、プレイヤー自身の選択と結果がそのまま物語の結末(全11種類)へと直結していく構成は見事です。
アクションと不条理ミニゲームが織りなす独特のテンポ
ゲームプレイのベースはシンプルな2D横スクロールアクションです。滑り込みや踏みつけといった最小限のアクションを駆使して進みますが、難易度自体は理不尽に高すぎるわけではなく、軽快な手触りに仕上がっています。
中盤以降はステルスアクションや、脈絡なく差し込まれるミニゴルフなど、予想を裏切るジャンルミックスが次々と展開。唐突なミニゲームの登場には思わず面食らいますが、先の読めないカオスな空気感そのものが本作のドライブ感を生み出しています。洗練されたピクセルアートと、どこか物悲しくも心地よいチルなBGMが、この奇妙な世界観の輪郭をしっかりと際立たせています。
冷笑の奥に宿る人間味とキャラクターの魅力
警察官のメルデカをはじめ、出会う住人たちは誰もが一癖ある変わり者ばかり。ドライでウィットに富んだテキストが連続する一方で、ふとした瞬間に労働や生きることの虚無感、あるいは人生のやり直せなさに寄り添うような深い哲学性が顔を覗かせます。単なるおバカゲーに留まらず、プレイ後に確かな余韻を残してくれるのは、こうしたテーマが一貫しているからに違いありません。
本作をオススメできるプレイヤー
- 選択肢や勝敗によって結末が大きく変化するマルチエンディング作品が好きな方
- ブラックユーモアや不条理劇、哲学的なテーマを扱ったストーリーを味わいたい方
- 映画のようにテンポよく数時間で駆け抜けられる、濃厚なインディーゲームを求めている方
- スキップ機能などを活用し、異なるルートや分岐の回収を楽しめる方
ゲーム概要
- タイトル:PEPPERED: an existential platformer
- 開発元:Mostly Games
- パブリッシャー:Mostly Games, Black Soup
- 発売日:PC版 2025年4月7日 / PS5・Xbox Series X|S版 2026年4月17日
- 価格:1,700円
- 日本語対応:なし(英語ほか対応)
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