時間の牢獄と化した宇宙ステーションで真実を紡ぐ。極上の謎解き体験が味わえるSF脱出パズル『Rivage』プレイレビュー #Rivage

25世紀、新天地を求めて打ち上げられた宇宙ステーション「A.R.E.S.」。突如発生した謎の宇宙現象により、乗組員たちは姿を消し、ステーションは終わりのないタイムループの歪みへと囚われてしまう。

主人公のミランダとして目覚めたプレイヤーは、限られたループのなかで緻密なパズルを解き明かし、かつてのクルーたちの痕跡を辿りながら脱出を目指すことになる。

本作は、緻密に作り込まれた空間を探索する「脱出ゲーム」の醍醐味と、重力・磁力・時間軸をも操るロジックパズルが見事に融合した本格派のSFパズルアドベンチャーだ。

静寂のステーションに漂う圧倒的な臨場感

ゲームを開始してまず圧倒されるのが、放棄されたステーション「A.R.E.S.」の美術設計だ。どこかレトロフューチャーな無骨さを残したインダストリアルな造形と、緻密に配置された調度品や研究機器のディテールが素晴らしい。

机の上に放置されたマグカップ、乱雑に散らばるメモ、暗がりで点滅するコンソール画面——その一つひとつが、かつてここに生きた人間たちの息遣いを雄弁に物語っている。

初期環境では画面の描画スケールやフィルムグレインの質感に少々癖を感じる場面もあったが、グラフィック設定を適切に整えて歩き出せば、息を呑むような孤独と冷たい宇宙の気配がプレイヤーを包み込む。低電力で稼働する薄暗い区画を懐中電灯ひとつで手探りしながら進む感覚は、まさに未知の領域に足を踏み入れた探査員そのものだ。

思考のピースがはまる快感と緻密なギミック

本作のパズルは単なる「キーアイテムを探して扉を開ける」作業にとどまらない。端末をハッキングしてコマンド入力を試行錯誤したり、配線や歯車の噛み合わせを調整したり、環境そのものの物理現象に干渉したりと、そのバリエーションは実に多彩だ。

中盤以降にはプレイヤーの立体把握能力や論理的思考力を極限まで試すような骨太の仕掛けも待ち受けており、一筋縄ではいかない。時には何十分と頭を抱え、ステーション内を歩き回りながら手がかり同士の繋がりを考え抜く時間が必要になる。

だが、それだけにバラバラだった情報が脳内で一本の線として繋がり、解法を閃いた瞬間のカタルシスは格別だ。思わずコントローラーを握る手に力が入り、声が出てしまうほどの達成感を何度も味わわせてくれる。

探索を支える頼もしい相棒「K9システム」

時間遡行を繰り返すゲーム性において、プレイヤーのストレスを大幅に軽減してくれるのが情報端末「K9システム」の存在だ。

ステーション内で発見したドキュメントや音声ログ、重要そうな暗号や写真、さらには一度導き出したパスコードなどを自動的・能動的に記録・保存できる。従来の謎解きゲームのように手元のリアルなノートへペンを走らせる手間が省け、ゲーム内の情報整理が直感的に行える仕組みは非常に洗練されている。

所持できるアイテムが1つに限られているため、限られたループ時間の中でいかに無駄のない動線を組み立てるかという「段取りの妙」を楽しむプレイスタイルへと自然に導いてくれる。

散り散りになった記憶の断片を辿る物語

パズルを解き進めることで少しずつ明らかになるのは、宇宙の怪異だけではない。極限の孤立状態に置かれたクルーたちが抱えていた葛藤、哲学の違い、そして人間としての脆さが、残されたログから徐々に浮かび上がってくる。

直接的な語りすぎを排し、プレイヤー自身が断片的なテキストや環境演出から背景を推理していくアプローチは、謎解きというゲーム性と見事に調和している。「進歩には、常に代償が伴う」というテーマが胸にじわりと刺さる、余韻の残る物語体験だ。

本作はどんなプレイヤーにおすすめか?

『Rivage』は、以下のような要素を好むプレイヤーに強く推薦したい。

  • 外部の攻略情報に頼らず、自らの閃きと観察力で難問を突破したいパズル・脱出ゲームファン
  • 散りばめられた記録や環境から真相を組み立てていく、考察重視のSFミステリーが好きな方
  • ループ構造のなかで情報を集め、少しずつ行動範囲を広げていくプロセスにワクワクする方

手軽なアクションや即効性のある爽快感を求めるプレイヤー向けではないが、腰を据えてじっくりと思考の迷宮に潜り込みたい知的な冒険者にとって、このステーションでの滞在は忘れがたい体験になるはずだ。

ゲーム概要

PlayStation 5

PlayStation 5のゲーム体験を実現するテクノロジーや機能はそのままに、小型化を実現した新モデルのPS5

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