突如として発信された救難信号を最後に、すべての交信を絶った科学調査船「センチネル(Sentinel)」。コールドスリープから目覚めた研究員エララ・ウィン(Elara Wynn)が足を踏み入れたその艦内は、不気味なほどの静寂と冷たい金属音だけが支配する完全なゴーストシップと化していた。
本作『White Whisper』体験版は、未知のトラブルに見舞われた閉鎖宇宙船を舞台に、無重力空間の探索や環境パズル、断片的な記録の復元を通じて事件の真相へと迫る一人称視点のSFミステリーアドベンチャーだ。
上下の概念が崩壊する船内探索と張り詰める緊張感

実際に船内に降り立って真っ先に意識を奪われるのは、上下の感覚が曖昧になるリアルな無重力遊泳の触感だ。推進装置を頼りに浮遊しながら進む感覚は独特で、壁や天井の境界が失われた狭隘な通路を進むだけでも心地よい浮遊感と空間把握の面白さがある。
しかし、その静寂は決して安らぎをもたらすものではない。通路を遮る危険な放電トラップや低下していく酸素残量など、一歩足を踏み外せば命を落としかねない緊張感が漂う。船内AIの冷徹なナビゲーションを唯一の頼りに、無力な一人の研究員として船内の電力復旧や隔壁のロック解除に奔走することになる。
残留ログから浮き彫りになる狂気と、手応えある論理パズル

ゲームプレイの根幹を支えるのは、観察力と論理的思考が求められる環境パズルだ。船内に散らばるエネルギージェネレーターの復旧、暗号化されたセキュリティ端末の解読、そして謎めいたアーティファクトの配置など、探索で見つけた情報を頭の中で結びつけながら道を切り拓いていく。
特に引き込まれるのが、船内ターミナルに残されたメールや通信ログの収集だ。平穏な日常業務の記録から、異常繁殖を見せる植物研究の報告、そして徐々に常軌を逸していくクルーたちの言動まで、徐々に狂気に侵されていく過程がテキストの端々から生々しく伝わってくる。散乱したキャビンを調べるたびに「ここで何が起きたのか」という好奇心が一気に加速し、パズルを解く手が止まらなくなる。
研ぎ澄まされたコンパクトな没入体験と手厳しさ

本作は広大なオープンワールドを探索するタイプではなく、緻密に作り込まれたデッキをじっくり探索するコンパクトで物語重視の構成をとっている。無駄を削ぎ落とした静謐なアートワークと重苦しい音響設計が相まって、閉塞した宇宙船という舞台装置の説得力は非常に高い。
一方で、ギミックの即死トラップや謎解きの手がかりの見極めなど、プレイヤーの観察眼をシビアに試す場面も存在する。親切すぎるナビゲーションに頼らず、自力で状況を打開する骨太な手応えがあり、それゆえに暗号を看破して新たな区画へ足を踏み入れた瞬間のカタルシスは格別だ。
本作はこんなプレイヤーにおすすめ

- 閉鎖空間や漂流船を舞台にした硬派なSFホラー・サスペンスが好きな人
- 散らばったテキストログや環境から事件の真相を読み解く「ナラティブ探索」が好物の人
- 派手なアクションよりも、論理パズルや暗号解読をじっくり楽しみたい人
- 無重力空間での立体的かつ緊張感ある探索を味わいたい人
ゲーム概要
- タイトル:White Whisper
- ジャンル:SFミステリーアドベンチャー / 探索パズル
- 発売日:2026年11月予定
- 開発元:Luc2as Games, Mayki Works
- パブリッシャー:Mayki Works, Luc2as Games
- プラットフォーム:PC(Steam)
- 言語対応:英語(音声・テキスト対応) ※日本語対応は現時点で未定
- ストアリンク:https://store.steampowered.com/app/3994800/White_Whisper/







