雲の彼方を目指す手描きタワー構築ストラテジー『Cloudscrapers』レビュー!心地よい癒やしと資源マネジメントの絶妙なジレンマ #Cloudscrapers

美しい手描きのアートワークと、雲海を抜けてどこまでも高く塔を築き上げる心地よい達成感。

Nementic Gamesが手掛け、Curve Gamesより発売された新作ストラテジー『Cloudscrapers』は、ミニマルなシステムの中に濃厚な戦略的駆け引きを詰め込んだ良作だ。

塔は崩れない、尽きるのは「資源」のみという緊張感

本作の基本目的は、ブロックを積み重ねて雲の遥か上にある頂を目指すこと。物理演算で塔がグラグラと崩れるタイプのゲームではなく、直面する壁はシビアな「資源管理」にある。手持ちのブロックが底をついた時点でゲームオーバーとなるため、限られた足場をどう組み立てるかが問われる。

1フロアは横5マスで構成され、一定数以上の足場を埋めることで上のフロアが解放されていく。画面端に提示されるミッション条件(特定素材の並びや配置パターン)を達成することで新たなブロックが補給される仕組みとなっており、常に「次の手をどう繋ぐか」を逆算しながら一手を進めるパズル的な面白さが詰まっている。

欲張りが命取りになる、一手ごとのリソース算段

初期の基本素材は草・木・石の3種。斜め配置や特定の並びを求められる難度の高いミッションに挑む際は、フロア解放の条件を満たしつつ配置しなければならず、あっという間に手持ちの素材が目減りしていく。

一見すると穏やかな雰囲気ながら、一手ごとの思考密度はかなり高い。「あと1つで達成できるから」と欲を出して無理な組み方をすると、リカバリー用の素材が尽きて一気に手詰まりへ追い込まれる。このジレンマに頭を抱える瞬間こそが、本作の真骨頂と言える。

特殊ブロックと恒久アップグレードがもたらすローグライトな中毒性

ゲームを進めると手に入るコインによって、様々な特殊スキルや建築ブロックが解放されていく。周囲を巻き込んで邪魔な障害物を吹き飛ばす爆薬、万能に機能する魔法のブロック、配置ミスを救済する回収機能など、手札が増えるほど戦略の幅が広がっていく。

高層階へ進むにつれて、特定のマスを阻害する胞子や落雷といった環境トラブルも牙を剥く。初見では対処に苦しむ場面も多いが、失敗しても獲得したリソースで永続強化を持ち帰れるため、「次こそはもっと高く登れるはずだ」と気付けばリトライを重ねてしまう強い中毒性を生み出している。

心地よい音響とアートが織りなす「短時間集中型」のプレイ体験

絵本のように柔らかな手描きビジュアルに加え、幻想的なボーカルが響くBGMが登攀の旅路程を美しく彩る。塔を伸ばすごとに背景のバイオームが移り変わり、この世界の秘密に少しずつ迫っていく物語要素も良いスパイスだ。クリア後に建築の歩みを早送りで見返せるリプレイ機能も、積み上げてきた手応えを実感させてくれる。

全体のボリューム感はコンパクトにまとまっており、数時間をじっくり濃密に楽しむ設計。Steam Deckへの完全対応も含め、作業の合間や就寝前にベッドやソファで数ラン遊ぶようなスタイルに驚くほど噛み合っている。

本作はこんな人におすすめ

  • 『Dorfromantik』や『ISLANDERS』のような、穏やかな雰囲気の配置パズルやミニマルビルド系が好きな人
  • 複雑すぎるパラメーター管理に疲れており、シンプルながらしっかり頭を使う良質なパズルを求めている人
  • 失敗を繰り返しながらアップグレードで少しずつ前進するローグライトの成長サイクルが好きな人
  • Steam Deckや携帯環境で、短時間で手軽に遊べるリラックスゲームを探している人

ゲーム概要

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