『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に根差した美しい体験『The Secret of Weepstone』のデモを始めてわずか数分で、筆者のパーティーのファイターは悲劇的な事故で命を落とした。一行が迷い込んだのは薄汚い便所だったが、便器のひとつから水の流れる音が聞こえてきたため、筆者は「なあ、あそこに石でも投げ込んでみたらどうだろう?」と思った。すると石は心地よい「バシャッ」という音を立てて落ちたので、次に「パーティーメンバーの1人をあそこに送り込んで、流れる水を確認させてみたらどうだろう?」と考えた。驚いたことに、それは実際に選択可能な行動だった。こうして筆者のファイターは中世風の便所の中へと入り込み、あっという間に転落死した。プレスリーは便所の「上」で死んだが、筆者のファイターは便所の「中」で死んだ。その意味では、筆者のファイターこそが「Weepstone」におけるロックンロールの帝王だったと言えるだろう。 正直に言うと、糞便で汚れた城の便所の穴に頭を突っ込むという選択肢があるなんて、ビデオゲームで経験することになるとは夢にも思わなかった。こう言うと、まるで長年にわたって「いつか誰かが、キャラクターの頭を昔ながらの便所の穴に突っ込ませるゲームを作ってくれないだろうか」と一縷の望みを抱きながら過ごしてきたかのように聞こえることに、今になって気づいた。そう、その通りなのだ。筆者はただ、「Weepstone」がそんな選択肢を用意してくれていることが気に入った。そして、そのせいで筆者のファイターは命を落とした。 糞便で汚れた城の便所の穴に頭を突っ込むという選択肢があるなんて、ビデオゲームで経験することになるとは 『The Secret of Weepstone』をボストンで開催されたイベントで「PAX East 2026」で初めて見かけたとき、筆者は思わず足を止めた。白黒のハッチング処理を施したグラフィックスタイルは、ノスタルジーからしか得られないあのドーパミンの高揚感で、たちまち筆者の脳を満たした。それはまるで、映画『レミーのおいしいレストラン』で、『レミーのおいしいレストラン』で、アントン・イーゴがラタトゥイユを初めて一口食べたときのシーンのようだった。ただし、筆者の意識が運ばれた先はフランスの牧歌的な田園風景ではなく、かつて家族のマッキントッシュで遊び、自分でも作っていた、昔ながらのモノクロのポイント&クリック型アドベンチャーゲームを再訪する旅だった。それが少なくとも最初のフラッシュバックだった。2度目のフラッシュバックは、変わった小さな子供だった筆者が、変わった小さな友人たちと一緒に、自分たちで原始的なRPGマップを描き、学校の休み時間にそれを使って遊んでいた頃へと連れ戻した。 つまり筆者が言いたいのは、美術面において『The Secret of Weepstone』は一目見た瞬間から筆者の心をつかんだということだ。何しろ、見てほしい! ペンとインクで描かれたイラストがそのまま命を吹き込まれたかのような、文句なしに素晴らしい3Dアートだ。ハッチングによって表現される光、線の太さに見られる不均一さ、そしてオールドスクールなキャラクターモデル。正直なところ、「Weepstone」のどの部分を無作為にスクリーンショットとして切り取って見せられても、筆者はぼんやりと見惚れてしまうと思う。 『The Secret of Weepstone』は一目見た瞬間から筆者の心をつかんだ そして、それはあくまで筆者が「見た」限りの話にすぎない。実際にプレイしてみたらどうだろうか? これはある意味、筆者がゲームに求めるものすべてが詰まっている。PAX Eastで開発者と少し話した際、筆者は「もし自分にゲームの作り方が少しでもわかっていたら、まさにこういうゲームを作ろうとしていたと思います」と伝えたことを覚えている。開発者の方は筆者のその馬鹿げた発言に丁寧に笑い、「ええ、それがこのゲームの成り立ちのようなものなんです」と答えてくれた。あらゆるビデオゲームのRPGがそうであるように、『The Secret of Weepstone』も『ダンジョンズ&ドラゴンズ』から強く影響を受けているが、それをあからさまに打ち出しているため、圧倒的な既視感を抱かせながらも、なぜか新鮮で目新しく感じられるのだ。 そう、世に出ているほぼすべてのRPGにはヒットポイントやアーマークラス、経験値が存在し、その多くはゲームエンジンの内部に隠されている。『The Secret of Weepstone』はどうだろう? 我が友よ、このゲームそのものがゲームエンジンなのだ。戦闘が始まると、イニシアチブを決めるためにダイスを振るが、それは舞台裏で処理される単なるランダムな出来事ではない。いや、まったく違う。実際の……まあ、デジタルではあるが……ダイスが画面上を転がり、その出目によって戦闘順が決まるのだ。ダイスがカラフルで、モノクロのグラフィックと見事なコントラストを成している点も、転がるときの音も、ときには悲惨な出目になる瀬戸際でぐらついたり、ナチュラル20(20面ダイスで20が出ること)かと思わせて焦らせた末に最終的な数字に落ち着いたりする様子も、筆者は実に気に入っている。特別な仕掛けは何もない。ダイスは本物のダイスとまったく同じように転がるのだが、このリアルなダイスの存在が、ダイスロールをいっそうスリリングなものにしているのだ。 …
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