言葉による台詞を一切排し、光と影、そして音楽と映像の力だけで物語を紡ぐダークホラー・パズルプラットフォーム『Ayasa: Shadows of Silence』。
PC(Steam)版のローンチ以降、プレイヤーのフィードバックを受けた大型アップデートが重ねられ、ゲームプレイが大幅に洗練された。そして待望のPlayStation 5およびXbox Series X|S版がリリースされ、現時点で最も完成された「決定版」として家庭用ゲーム機でも遊べるようになった。Steamのユーザーレビューでは73.1%が好評(やや好評)を獲得している。
6つの感情が支配する、言葉なき「逆さまの世界」

物語の舞台となるのは、絶対者タスのもとで光と影の均衡が保たれていた「逆さまの世界(Inverted World)」。戦争によって調和が砕け散り、信仰、希望、愛、強欲、無関心、裏切りという人間の感情や欠落を象徴する6つの大地へと闇が広がっている。
白髪の少女アヤサは、失われたタスの光の残滓を集め、世界の均衡を取り戻すため過酷な旅を続ける。作中には一切の言葉やテキストによる説明がなく、アヤサの身振り手振りや視覚的なメタファー、そして風景そのものが多くを物語る。
どこか寂しげで不安を煽る荒涼とした世界を歩む感覚は、美しくも心に残る強い哀愁を放っている。
光で道を拓き、暗闇を凌ぐパズルとステルス

道中を阻むのは、周囲の環境を活かした多彩な仕掛けとパズルだ。暗闇に包まれた空間で光を放ち、見えない足場や隠されたルートを浮かび上がらせ、古代の機械を起動していく。
直接的な戦闘手段を持たないアヤサにとって、闇に潜む異形との遭遇は命取りになる。物陰に身を隠し、光と影の境界を見極めながら、タイミングを測って駆け抜けるステルスアクションの緊張感がたまらない。
信仰や希望、愛の地を旅する中で新たな能力が解放され、先へ進むための手段が広がっていく達成感も大きい。
悪夢と象徴が交錯する、強烈なアートと音楽

本作を際立たせているのが、唯一無二のアートスタイルだ。ティム・バートンやルネ・ラルー、宮崎駿らの作品から着想を得たというビジュアルは、絵画のように美しく、同時にどこか悪夢的な狂気を孕んでいる。
蠢く肉壁や無数の目玉、異様な姿の怪人たちが蠢く空間は、プレイヤーの背筋をじわりと凍らせる。
さらに、アルメニアの作曲家コミタスの音楽に着想を得たArman Msryanによるサウンドトラックが素晴らしい。民族的な哀愁を帯びた旋律が、言葉のない世界のドラマと緊迫感を何倍にも引き立てている。
大型改修を経てPS5/Xboxへ。磨き上げられた決定版

PC版の発売当初に見られた挙動やパズル誘導の粗さは、開発陣による度重なるアップデートで見直され、格段に遊びやすく改善された。
今回リリースされたPS5版およびXbox Series X|S版は、その最新調整が余すところなく注ぎ込まれた「ベストバージョン」だ。
コントローラーによる操作感も滑らかで、足場を渡るアクションや光を使ったギミックの操作が直感的に行える。家庭用ゲーム機の大画面と立体的な音響で、没入感あふれるダークファンタジーの世界にどっぷりと浸ることができる。
こんな人にオススメ

『LIMBO』や『INSIDE』『リトルナイトメア』のような、セリフのないシネマティックなパズルアクションが好きな人にはたまらない一本だ。
独特なシュールレアリスム美術や、光と影を巧みに使った謎解き、じりじりとしたステルスの駆け引きを味わいたい人にもおすすめしたい。
日本語のインターフェースおよび字幕に対応しているが、文字による説明に頼らず感覚で理解できる設計になっている。磨き上げられたコンソール版で、美しくも不穏な「逆さまの世界」へ足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
ゲーム概要
- タイトル:Ayasa: Shadows of Silence
- ジャンル:ダークホラー・パズルプラットフォームアクション
- 開発・販売:Aya Games
- 発売日:PC版 2025年11月28日 / PS5・Xbox Series X|S版 2026年10月26日
- 価格:PC(Steam)2,500円、PS5 2,420円、Xbox Series X|S 2,350円 ※いずれも税込
- 対応機種:PC(Steam)、PlayStation 5、Xbox Series X|S
- プレイ人数:1人
- 言語:日本語字幕対応(日本語インターフェース・字幕対応。音声なし・会話なし)
- Steamストアページ
- PlayStation Store
- Xbox Store








