インディーゲームシーンで不動の人気を誇るサバイバル・ローグライト(いわゆるSurvivor系)ジャンルに、極めて個性的かつ愛くるしい一石が投じられた。ソロデベロッパーのNiel Widy氏が手掛ける『Catjinni Survivors(カトジンニ・サバイバーズ)』は、手描きのアートスタイルとエキゾチックな神秘性が融合した、中毒性の高い一作だ。
2Dと3Dが織りなす唯一無二のビジュアル表現

まず目を引くのが、そのグラフィックだ。3Dで構築された奥行きのある環境に、丁寧に描き込まれた2Dのキャラクターが配置される独自のミックススタイルを採用している。この手描き感が、ゲーム全体に温かみと「個人の情熱」を感じさせる独特の質感を付与しており、量産型の同ジャンル作品とは一線を画すオーラを放っている。
属性の異なる4人の猫魔道士と深みのあるビルド構築

プレイヤーが操作するのは、それぞれ背景の異なる4人の猫魔道士たち。盲目の修行僧「フランシス」や氷の血筋を引くサムライ「スシ」など、クラスごとに明確なプレイスタイルが用意されている。
実際にプレイしてみると、スキルのシナジー(相乗効果)を考えるのが非常に楽しい。60種類に及ぶ武器とスキルの組み合わせは膨大で、落雷で敵を焼き払うか、氷の刃で足を止めるか、自分だけの「最強の猫」を作り上げるプロセスには、確かな手応えを感じた。画面を埋め尽くす敵軍を、自慢のビルドで一気に一掃する瞬間のドーパミン放出量は、まさにこのジャンルの醍醐味だ。
リアルタイム連動と戦略的な「罠」の活用

本作のユニークな点は、ゲーム内の時刻が現実の時間と連動していることだ。夜になれば敵の凶暴性が増し、緊張感のある戦いを強いられる。また、単に逃げ回りながら攻撃するだけでなく、フィールド上の「罠」をいかに活用するかが攻略の鍵を握る。
さらに、劇中で発生するダイスゲームによるギャンブル要素も心憎い演出だ。勝てば大きな強化を得られるが、負ければすべてを失うリスクを伴う。このヒリつくような二択が、単調になりがちな道中のアクセントとして機能している。
没入感を高めるVRモードへの挑戦

特筆すべきは、このジャンルでは珍しいVR対応だろう。3Dサウンドと迫力の視界で展開されるバトルは、モニター越しとは比較にならないほどの没入感を提供してくれる。宇宙の力を直接操るような感覚は、VRユーザーであればぜひ一度体験してほしい。
総評:ソロ開発の熱意が詰まった、挑戦的で心優しい一作
最初は「可愛い猫のゲーム」という印象で手に取ったが、その中身は骨太で挑戦的なサバイバルアクションだった。UI周りの細かな挙動など、改善の余地を感じる部分もあるが、開発者がユーザーの声に真摯に耳を傾けている姿勢が随所に感じられ、遊ぶほどに愛着が湧いてくる。
何より、猫たちの背後にある設定や物語、そして丁寧に描かれた敵のデザインから、このゲームがどれほど大切に作られたかが伝わってくるのだ。手軽に遊べて、かつ奥深い。そして何より猫が可愛い。そんな贅沢な時間を求めるプレイヤーにとって、本作は最良の選択肢の一つになるだろう。
ゲーム概要
- タイトル: Catjinni Survivors
- 発売日: 2026年4月14日
- 価格: 1,200円
- ジャンル: ローグライト / アクションRPG / サバイバル
- 開発・パブリッシャー: Niel Widy
- 主な特徴:
- 4人の個性豊かな猫魔道士クラス
- 60種類以上のユニークな武器とスキル
- 現実の時間と連動する昼夜システム
- 古代エジプトや海底都市などの3つのバイオーム
- 没入感を高めるVRモード搭載
- 日本語字幕対応
- ストアリンク: Steamストアページ






