第二次世界大戦を舞台にしたリアルタイム戦略シミュレーション(RTS)の雄が、全く新たな装いで帰ってきた。Relic Entertainmentが新たにリリースした『Company of Heroes 3: Final Stand』は、シリーズ伝統の緻密な戦術性をベースにしつつ、猛烈な勢いで押し寄せる敵軍を凌ぎ切るウェーブ防衛型のローグライトアクションへと変貌を遂げている。

本編を持っていなくても単体で動作するスタンドアロン作品となっており、ソロプレイはもちろん、2人での協力プレイ(Co-op)にも対応。幾重もの防衛線を築き、絶望的な戦況を泥臭く生き抜く緊張感が凝縮されたタイトルだ。
ランダム性と戦略性が交差する防衛戦

『Company of Heroes 3: Final Stand』の根幹をなすのは、全12ウェーブにわたる防衛戦だ。各ウェーブの合間にはランダムに提示されるユニットや能力を選択し、自陣の戦力を構築していく。この「カードチョイス」によるビルド構築が絶妙なジレンマを生み出す。
歩兵中心の陣形を組みたい時に限って装甲車輌の強化が並んだり、強力な敵戦車隊の襲来が予見されているのに反戦車火器を引き当てられなかったりと、運の要素が色濃く絡みつく。だが、それこそが本作の真骨頂だ。手元にある不揃いなカードのなかから最善の一手を模索し、突貫工事で築いた陣地に籠もって敵の猛攻を押し返す瞬間には、脳汁が吹き出すようなカタルシスがある。
登場する4つの陣営(アメリカ軍、イギリス軍、ドイツ国防軍、ドイツアフリカ軍団)はそれぞれ独自の成長ツリーを持ち、周回プレイで得たポイントを使って永続的な能力強化が可能だ。遊べば遊ぶほど初期戦力や特殊スキルが底上げされ、より高い難易度やエンドレスモードへと挑む足がかりとなっていく。
荒削りな仕様と今後の伸び代

一方で、手放しで称賛できない部分も存在する。戦闘中のランダム選出において「完全に使わない選択肢」が提示され続けてリソースが無駄になる場面や、高難易度における敵の圧倒的な数値暴力・砲撃ラッシュなど、ビルドの自由度を阻害する仕様が散見される。ランダム選択肢のリロール機能や、使わないリソースの変換機能といった「運をコントロールする手段」が乏しいため、敗北した際に戦略のミスではなく運の悪さを感じてしまう瞬間があるのは惜しい。

また、マッチメイキング機能の仕様やロビー構築の使い勝手など、マルチプレイ周りのシステムには課題を残す。マップ数やモードのバリエーションについても、今後のアップデートによるコンテンツの拡充に期待したいところだ。
しかし、幾多の課題を抱えつつも、押し寄せる歩兵の群れに機関銃陣地の火線を交差させ、敵戦車を間一髪で撃破した瞬間の全能感は間違いなく『Company of Heroes』そのものだ。RTS特有の複雑な操作を「陣地防衛」という明確な目的に絞り込んだことで、より直感的で中毒性の高い戦場体験へと昇華されている。
総評:泥臭い戦線を愛するすべての司令官へ

価格面やコンテンツのボリューム感、ランダム要素の調整において改善の余地はあるものの、ウェーブ防衛とローグライトという組み合わせの相性は抜群だ。完璧な陣形が敵の怒涛の進撃によって崩壊し、残り数頭の歩兵で死守する泥泥の防衛戦に魅力を感じるなら、間違いなく飛び込む価値がある。一筋縄ではいかない戦場が、新たな司令官の着任を待っている。
ゲーム概要
- タイトル: Company of Heroes 3: Final Stand
- ジャンル: リアルタイム戦略シミュレーション(RTS) / ウェーブ防衛ローグライト
- 開発元: Relic Entertainment
- パブリッシャー: Relic Entertainment
- 発売日: 2026年7月29日
- 価格: 3,500円
- 対応言語: 日本語字幕対応
- プレイ人数: 1名(シングルプレイ)〜2名(オンライン協力プレイ)
- ストアページ: Steamストアリンク






