『Sledders』は、深い新雪が積もるバックカントリーをスノーモービルで駆け回る、物理ベースのシミュレーターだ。コースもゴールも用意されていない広大な雪山で、どこをどう走るかはすべてプレイヤー次第。
求められるのは、体重移動とスロットルでマシンをねじ伏せる本物さながらの操縦テクニック。思うように走れない悔しさと、思いどおりに山を登りきったときの達成感がセットになった一本だ。
Steamのユーザーレビューでは95%が好評の「圧倒的に好評」。PC版に加えてPS5・Xbox版も配信されている。
体重移動で曲がる。深雪をかき分けるリアルな物理挙動

本作の核は、雪とマシンの物理シミュレーションだ。ハンドルを切るだけではうまく曲がらず、ライダーの体を傾けてマシンを寝かせることで向きが変わっていく。
新雪に突っ込めばキャタピラが雪を掘り、スロットルを開けすぎればフロントが浮き上がる。斜面をトラバースするサイドヒルでは、体重のかけ方ひとつで谷側へ転がり落ちてしまう。
最初は笑ってしまうほど転ぶ。それでも、少しずつ雪の感触がつかめてくると、マシンを傾けたまま斜面を舐めるように走れるようになる。この上達の手応えこそが、本作の一番の中毒性だ。
操作に自信がなければ、スキーの向きを自動で補助してくれるオートステアに頼ればいい。感度も調整できるので、慣れてきたら少しずつ補助を弱めていける。
広大な雪山を自由に。目的は自分で決めるフリーライド

舞台となるのは、4×4kmにもおよぶ広大な雪山をはじめとした複数のマップだ。急な丘、切り立った山、木々が密集した林、開けた雪原が広がり、どこへ向かってもいい。
林の中を縫うように抜けるもよし、ひたすら尾根を目指して登るもよし。山頂からの眺めは格別で、夕焼けに染まる雪山を見下ろしたときには思わず手が止まった。
フリーライドに加えて特別なミッションも用意されているので、腕試しの目標が欲しくなったらそちらに挑むのもいい。
斜面を蹴って宙を舞う。ジャンプとトリックの爽快感

起伏に富んだ地形は、そのまま巨大なジャンプ台になる。雪の盛り上がりや山小屋の屋根を踏み切りにして、マシンごと空へ飛び出す瞬間は最高に気持ちいい。
空中でも物理はごまかしてくれない。踏み切りの角度とスピード、空中での体重移動がそろって初めて着地が決まる。宙返りを決めて新雪に着地できたときは、つい声が出た。
視点を一人称に切り替えてHUDを消せば、ハンドル越しに雪山へ飛び込む没入感がぐっと増す。ドローンを飛ばして撮影できるカメラモードもあり、決まったジャンプを好きなアングルで切り取るのも楽しい。
実在メーカーのマシンがずらり。ガレージで自分仕様に

ガレージには、Polaris、Ski-Doo、Lynxといった実在メーカーのスノーモービルが並ぶ。マウンテン、クロスオーバー/トレイル、ユーティリティ、レトロとカテゴリも分かれていて、懐かしい旧型マシンで雪山に挑むこともできる。
マシンごとにエンジンやトラック長、重量などのスペックが表示され、走りの癖も変わる。ボディカラーの変更やチューニングもでき、ライダーの装備も着せ替え可能だ。
さらに、Steamワークショップに対応していてMODも導入できる。コミュニティが作ったマシンやマップで遊びの幅が広がるのは、PC版ならではの魅力だ。
仲間と山頂を目指す。オンラインマルチプレイ

本作はオンラインマルチプレイに対応していて、協力プレイも対戦も楽しめる。クロスプラットフォームのマルチプレイにも対応しているので、コンソール版の友達とも一緒に走れる。
誰が先に頂上へたどり着けるか競うのもいいし、のんびり連なって雪山ツーリングに出かけるのもいい。仲間のジャンプを横から眺めたり、転んだ相手を笑ったりする時間が、ソロとはまた違う楽しさを生んでくれる。
気になるのは、操作の難しさと遊びの自由すぎる構成

気になる点もある。まず操作の難しさだ。アーケード的な爽快レースを期待して始めると、まともに進めないことに面食らうはずだ。慣れるまでには、それなりに練習の時間が必要になる。
また、遊びの中心はあくまでフリーライドだ。決められたコースを走るレースや、ストーリー仕立てのキャリアモードを求める人には、何をすればいいのか分からず物足りなく感じるかもしれない。
BGMはなく、聞こえてくるのはほぼエンジン音だけ。黙々と走る時間が好きかどうかで印象が分かれそうだ。ターボ車らしいサウンドなど、音の演出にはもう一歩の迫力も欲しい。
それでも、開発チームはアップデートを重ねてコミュニティの声に応え続けており、遊ぶほどに深まる走りの奥行きはそれを補って余りある。
なお、日本語には対応しておらず、表示は英語のみとなる。
こんな人にオススメ

- スノーモービルやウインタースポーツが好きな人
- リアルな物理挙動のドライブシミュレーターが好きな人
- 練習を重ねて操作が上達していく手応えを味わいたい人
- 目的に縛られず、広い雪山を自由に走り回りたい人
- 友達とわいわいオンラインでツーリングしたい人
『Sledders』は、雪山を走るという体験そのものを、物理演算で徹底的に作り込んだスノーモービルシミュレーターだ。思いどおりに走れない時間すら楽しく、うまく登れた一回が次の挑戦へ背中を押してくれる。
エンジンをかけて、真っ白な新雪に最初のトラックを刻んでみてほしい。
ゲーム概要
- タイトル:Sledders
- ジャンル:スノーモービルシミュレーター、レース、スポーツ
- 開発元:Hanki Games
- 販売元:Bonus Stage Publishing
- 発売日:2025年3月20日(Steam版)
- 価格:3,400円(Steam版)
- 対応機種:PC(Steam/Windows)、PS5、Xbox
- プレイ人数:1人(オンラインマルチプレイ対応、協力・対戦、クロスプラットフォーム対応)
- コントローラー:フルコントローラサポート(ゲームパッド推奨)
- 日本語対応:非対応(英語のみ)
- Steamストアページ
- 公式サイト







