【PCゲーム極☆道】第173回『UFO 50』

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世の中のコンテンツの多くにはその世界観を形作る設定が用意されていることがほとんどです。登場する街の名前だけでなく、そこが商業都市なのかそれとも田舎なのか、どういった気候なのか、法律は、領主や法律はどうなのか……といった具合です。設定の作り込みによりコンテンツの世界はさらに奥行きを増し、見る人を魅了するわけです。これは当然ゲームも同じです。 ですが、設定というのはなにもそういう世界とか風紀とか、そういうものだけではありません。ということでみなさんのまだ知らないかもしれないPCゲームの世界を紹介する「PCゲーム極☆道(きわめみち)」。今回は設定が凝りまくったゲームコレクション『UFO 50』を紹介します。 『UFO 50』はアメリカのインディーディベロッパーMossmouthが開発したゲームで、2024年9月18日にリリースされました(TGSで1週間遅れての連載なのでちょっと感覚が空いたけど許してほしい)。 Mossmouthはあの超ヒットタイトル「Speluncky」シリーズを手がけたチームです。超有名かつ実力派のチームの新作というだけでも本作の注目度は高いですが、さらにそれに加えて本作は構想から数えると9年ほど開発に期間を要しているところにも注目が集まっています。しかも、本作には『Downwell』や『Poinpy』のMoppin氏と、『Catacomb Kids』のFourbitFridayも参加しています。ゲストまで豪華。今まさしく注目してほしいゲームに違いありません。 かつて、UFOSOFTというゲーム会社があった。1980年代に活躍した彼らは大きな脚光を浴びることはなかったものの、先進的なゲームを生み出していた。 そんな彼らの作品を蘇らせるべく集まったリカバリーチームの手により、長い時間をかけ復刻されたのが『UFO 50』だ。50本のゲームをひとまとめにした本作で彼らの旅路にふれよう!! ……というのが本作のコンセプトです。時代を感じるレトロ然としたグラフィックのゲームが50本収録されており、アクションゲームにシューティング、スポーツゲームに対戦ゲームとその種類も豊富に取り揃えられています。彼らの関わったとされる他社の作品も収録されており、まさしくUFOSOFT永久保存版とも言えるのが本作となります。 「へー、そんなゲーム会社があったんだ。知らなかった!」 と多くの方はお考えでしょう。が、それは当然のことです。なにせUFOSOFTなるゲーム会社は、実在しませんから! 会社が潰れてなくなったという意味ではありません。UFOSOFTはまったく架空の、存在しないゲーム会社なんです! そう。このゲームはなんと、ありもしないゲーム会社の作品をひとつひとつ全部作ることで、存在しない歴史を生み出したとんでもない作品なんです。このゲームの存在そのものが偽史! 昨今の復刻アーカイブゲームブームを逆手に取った、存在しない復刻アーカイブゲームが『UFO 50』なんですね! きがくるってるとしか思えないコンセプトです。

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