『キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ』シリーズなどで知られる実力派スタジオ「MercurySteam」が放つ、完全新作アクションアドベンチャー『Blades of Fire』。本作は、自分だけの武器を「鍛造」し、敵の特定部位を狙うユニークな戦闘システムを引っ提げて登場した、野心的な一作だ。しかしその評価は、メディアからは賛否両論である一方、プレイヤーからは熱狂的な支持を受けるという、興味深い二極化を見せている。
一体何が評価を分け、何がプレイヤーを惹きつけるのか。本作の核心に迫るレビューをお届けする。
ゲーム紹介:鋼が石と化した世界で、運命を切り開け
物語の主人公は、王の世話人の長男「アラン・デ・リラ」。新たに即位した女王ネレアが、鋼を石へと変える恐ろしい魔法を行使したことで、世界は危機に瀕していた。女王軍が振るう「聖なる鉄」の武器に対抗できるのは、アランが自ら鍛え上げた武器のみ。プレイヤーはアランとして、相棒の「アドソ」と共に、自らの運命と世界の謎を解き明かす壮大な旅に出る。

ゲームの主な特徴
- 鍛冶場(フォージ)システム: 本作最大の特徴。世界中に散らばる「フォージ・スクロール」を集め、様々な素材を組み合わせることで、自分だけの武器を作成する。武器の種類や素材によって、重量、長さ、耐久性、貫通力といった特性が変化し、その組み合わせは無限大だ。
- タクティカル・コンバット: 敵の腕や脚、頭部といった特定の部位を狙える、戦略的な戦闘システム。敵の装備や状況に応じて、斬る、叩き潰すといった攻撃を使い分け、適切な武器で装甲を破壊することが勝利への鍵となる。
- 頼れる相棒アドソ: 冒険を共にするアドソは、ただの同行者ではない。戦闘中には敵を分析して弱点やヒントをメモしてくれるほか、古代の言葉を解読できるため、物語の謎を解く上で不可欠な存在となる。
- メトロイドヴァニア風の探索: 巨大な城や迷路のような宮殿など、謎に満ちた広大な世界がプレイヤーを待つ。探索することで新たな道が開け、貴重なアイテムや物語の背景を知ることができる。
独自の視点で斬る!評価が分かれる「職人気質」なゲーム性

本作の評価は、その核となる「鍛冶」と「戦闘」のシステムを、プレイヤーが「奥深い楽しみ」と捉えるか、「面倒な足枷」と捉えるかで大きく分かれている。
「鍛冶」― 本作の輝きであり、プレイヤーを試す砥石
多くのユーザーが絶賛するのは、この徹底した武器鍛造システムだ。強敵の分厚い装甲を貫くために、素材を集めて重いハンマーを鍛え、素早い敵の攻撃を捌くために、軽量な剣を打つ。このように、敵に合わせて自ら対策を「作り出す」プロセスは、他のアクションRPGでは味わえない、本作ならではの深い満足感を与えてくれる。7種類の武器と30種類以上の設計図が生み出すカスタマイズ性は、試行錯誤が好きなプレイヤーにとってはたまらない魅力だろう。

しかし、このシステムは諸刃の剣でもある。一部のメディアやユーザーからは、「武器が頻繁に壊れすぎる」「最高の素材は数が限られ、気軽に試作できない」「戦闘の合間に何度も鍛冶場に戻るのが面倒」といった声が上がっている。特に、武器の耐久度という要素は、探索や戦闘のテンポを削ぐと感じるプレイヤーも少なくないようだ。この「準備」の過程を楽しめるかどうかが、本作の評価を分ける最初の分岐点と言える。
「戦闘」― 手応えと理不尽の狭間で
敵の部位を狙う戦術的な戦闘は、多くのレビュワーから高く評価されている。ただ闇雲に攻撃するのではなく、敵の盾を持つ腕を破壊して無力化したり、脚を狙って動きを止めたりと、常に思考を求められる戦闘は緊張感に満ちている。

一方で、「状況が完全に理不尽に感じられることがある」との批判もある。これは、本作の戦闘がプレイヤーのスキルだけでなく、「適切な武器を準備してきたか」に大きく依存するためだろう。準備不足のまま強敵に挑めば、為す術なく叩きのめされることも少なくない。この厳しさを「やり応え」と取るか、「理不尽」と取るかで、戦闘への印象も変わってくる。
「世界」― 美しいが故に、迷いやすい迷宮
MercurySteamが作り出すダークファンタジーの世界は、美しく、陰鬱で、探索意欲を掻き立てる。隅々まで作り込まれたマップには無数の秘密が隠されており、それらを発見する喜びはメトロイドヴァニアファンの心を掴んで離さない。

しかし、その広大さと複雑さは、時として「過剰な引き返し(バックトラッキング)」や「目的地の分かりにくさ」という批判にも繋がっている。特に60時間にも及ぶ長大なプレイ時間の中で、同じような場所を行き来させられることにストレスを感じるプレイヤーもいるようだ。
総評:万人に勧められないが、深く刺さる人には傑作となりうる一作
『Blades of Fire』は、昨今のアクションゲームが目指す「快適さ」や「手軽さ」とは一線を画す、良くも悪くも「職人気質」なゲームだ。手間のかかる準備、試行錯誤を前提とした戦闘、そして自らの足で道を切り開く探索。これらの要素に喜びを見出せるプレイヤーにとっては、他の何にも代えがたい、忘れられない体験となるだろう。ユーザースコアの高さは、その証明と言える。
しかし、テンポの良いアクションや、親切な導線、ストレスフリーな体験を求めるプレイヤーには、本作の持つ「不便さ」が楽しさを上回ってしまう可能性が高い。

あなたが、結果だけでなく過程を楽しみ、自らの手で道を切り開くことに喜びを感じるタイプのゲーマーであるならば、『Blades of Fire』は2025年最高のゲームの一つになるポテンシャルを秘めている。しかし、そうでないならば、購入前によく考えるべきだろう。あなたは、伝説の武器を根気よく鍛え上げる「鍛冶師」だろうか?
ゲーム概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Blades of Fire |
| 開発元 | MercurySteam |
| 販売元 | 505 Games |
| ジャンル | アクションアドベンチャー, アクションRPG |
| プラットフォーム | PC (Epic Games Store), PlayStation 5, Xbox Series X |
| リリース日 | 2025年5月23日 |
| 価格 | 6,500円 |
| 日本語対応 | 日本語字幕対応 |







