2025年7月17日、Chasing Rats Gamesが早期アクセスとしてリリースした『Worship』。白黒インクで描かれたような独特のアートスタイルと、「邪神崇拝」という強烈なテーマを引っ提げた本作は、『ピクミン』にインスパイアされた信者管理型のローグライトアクションだ。カルト教団の教祖となり、信者という名の”駒”を率いて世界に終焉をもたらす。その背徳的な魅力と狂気に満ちた世界観は、プレイヤーをたちまち虜にするだろう。
指先で描く血の儀式、信者は生贄か戦力か

ゲームを開始すると、プレイヤーはまず崇拝する邪神を選択する。神によって能力やプレイスタイルが変化するため、周回プレイの意欲を掻き立てられる。広大なフィールドに降り立てば、あとは自由だ。プレイヤーの目的はただ一つ、信者を集め、儀式を行い、神の力を増幅させて世界の終焉を扇動すること。
本作の最もユニークなシステムが「血の儀式」だ。プレイヤーは自らの体力、すなわち”血”を代償に、地面に魔法陣を描くことで様々な奇跡を起こす。無垢な人々を円で囲めば狂信的な信者へと変貌し、倒した敵や信者の亡骸を特定の魔法陣で囲めば、強力なアーティファクトや回復の泉を生み出せる。
この魔法陣を描く行為が、実に悩ましくも楽しい。血は体力そのものであるため、無計画な乱用は死に直結する。しかし、信者を増やすにも、強力な魔法を使うにも、儀式は不可欠。足りなければ、今いる信者を生贄に捧げて血を確保することもできる。非情な決断を下し、効率的に教団を拡大していく様は、まさにカルトの教祖そのもの。信者を率いて敵の大群に突撃させる高揚感と、彼らを生贄にする罪悪感のコントラストに、脳が焼き切れるような興奮を覚えた。

可愛らしくも不気味な、狂気の世界観

白黒を基調としながら、血の赤や魂の緑といった差し色が強烈な印象を残すアートスタイルは、本作の魅力を語る上で欠かせない。キャラクターたちは可愛らしくデフォルメされているが、その行動はどこまでもグロテスクで残虐だ。このギャップが生み出すダークユーモアは秀逸で、「こんなに気持ちよく悪役になれるゲームは他にない」と感じさせてくれる。
手書きアニメーションで描かれる世界は、隅々まで探索したくなる魅力に満ちている。奇妙なパズル、個性的な4つの派閥、そして隠された世界の秘密。ローグライト要素によってプレイのたびにマップの構造が変化するため、常に新鮮な気持ちで冒険に没頭できる。
早期アクセスゆえの課題と、それを上回る圧倒的なポテンシャル

早期アクセスということもあり、最適化不足や一部のバグ、セーブ機能が限定的であることなど、荒削りな点は確かに存在する。魔法陣の判定にクセがあり、慣れるまでは意図しない魔法が発動してしまうこともあった。
しかし、それを補って余りあるほどのポテンシャルが本作には秘められている。何より素晴らしいのは、開発スタジオの透明性とコミュニティへの姿勢だ。バグ修正の進捗は詳細に報告され、プレイヤーからのフィードバックを積極的に取り入れている。Discordではコミュニティ投票で新たな神をデザインする企画まで行われているというから驚きだ。「プレイヤーと共にゲームを完成させる」という強い意志が感じられ、今後のアップデートへの期待は高まるばかりだ。
現状でもその魅力の片鱗は十分に味わえるが、コンテンツが拡充され、システムが洗練された時、『Worship』は唯一無二の傑作へと昇華するに違いない。邪悪な『ピクミン』、あるいは『Cult of the Lamb』が提示した道をさらに過激に進んだ本作。可愛くて不気味な世界で自分のカルト教団を率いてみたいプレイヤーは、今すぐこの世界に飛び込み、終焉の儀式を始めるべきだ。
ゲーム概要
| タイトル | Worship |
| 開発元 | Chasing Rats Games |
| パブリッシャー | Chasing Rats Games |
| プラットフォーム | PC (Steam) |
| 発売日 | 2025年7月17日 (早期アクセス) |
| 価格 | 2300円 |
| 日本語 | フル対応 |







