「ポーション」といえば、RPGでは傷を癒やすための回復アイテムというのが相場だ。しかし、錬金術師にとってそれは、武器であり、弾薬であり、そして無限の可能性を秘めた力そのものだ。
2025年11月6日にリリースされた『Brew』は、そんな錬金術の概念を少しばかりアグレッシブに解釈した、アクション満載のローグライトゲームだ。 開発は少人数のインディーチームSnow Leaf Studios。プレイヤーは錬金術アカデミーの新入生として、危険な塔の試練に挑むことになる。 キュートな動物キャラクターたちが織りなす学園生活と、ハードな弾幕アクションが融合した本作。実際にプレイして感じたその「混ぜ具合」をレビューしていこう。
ようこそ、錬金術アカデミーへ

ゲームを開始してまず目を引くのは、その愛らしいビジュアルスタイルだ。 主人公のネズミをはじめ、登場人物たちは皆、個性豊かな獣人(ケモノ)たち。3Dモデルで描かれた彼らは表情豊かで、アカデミーの施設やダンジョンとなる塔の雰囲気も、カラフルでどこか温かみがある。
拠点となるアカデミーでは、クラスメイトや先生たちと交流が可能だ。会話を楽しんだり、プレゼントを贈って親密度を上げたりと、ちょっとした学園シミュレーションの趣もある。 殺伐としがちなローグライトというジャンルにおいて、帰るべき場所がこんなにも「ほっこり」しているのは、精神衛生上非常にありがたい。
「飲む」「投げる」そして「撃つ」! 戦略的なポーション・クラフト

本作の核心は、タイトルにもある通り「Brew(醸造)」にある。 ダンジョン内で素材を集め、その場でポーションを調合するのだが、その使い道が実にユニークだ。
- 飲む: 自身を強化したり、回復したりするオーソドックスな使い方。
- 投げる: 敵に投げつけて爆発させたり、状態異常を付与するグレネード的な使い方。
- 撃つ: なんと武器に装填し、特殊弾薬として発射する!
この「3択」を瞬時に判断するスピード感がたまらない。 例えば、火属性のポーションを作ったとして、それを飲んで炎耐性を得るか、敵集団に投げ込んで一網打尽にするか、あるいはショットガンに装填して高火力の弾丸として撃ちまくるか。 状況に応じた使い分けが攻略の鍵を握る。アクションの手触りは『ラチェット&クランク』のような軽快さがあり、回避と射撃を織り交ぜた戦闘は非常に爽快だ。
ただし、素材は無限ではない。強力なポーションほどコストがかかるため、「ここぞ」という場面まで温存するか、雑魚戦でガンガン使って進行を安定させるか、常にリソース管理のジレンマに悩まされることになる。このヒリヒリ感こそが、ローグライトの醍醐味と言えるだろう。
総評:荒削りながらも光る、愛すべきインディーの原石

正直に言えば、本作はまだ「完璧」とは言い難い部分もある。 効果音のバランス調整や、一部のアニメーションの挙動、そして稀に遭遇するバグなど、インディーゲーム特有の「粗さ」が見え隠れするのは否めない。 しかし、それらを補って余りある魅力がこのゲームには詰まっている。
ポーションを使った戦闘システムの独自性、キャラクターたちへの愛着、そして何より「もっと上手く立ち回りたい」と思わせる中毒性。 開発チームの熱意が随所に感じられ、今後のアップデートによるブラッシュアップにも大いに期待ができる一作だ。
約2,000円という価格を考えれば、この錬金術の授業料は十分に安い。 可愛いキャラクターに癒やされたい人も、歯ごたえのあるアクションを求める人も、ぜひ一度アカデミーの門を叩いてみてほしい。ただし、実験の失敗(ゲームオーバー)は自己責任で!

ゲーム概要
- タイトル: Brew
- ジャンル: アクションローグライト / 3Dプラットフォーマー
- 開発元: Snow Leaf Studios
- パブリッシャー: Snow Leaf Studios
- プラットフォーム: PC (Steam)
- 発売日: 2025年11月6日
- 価格: 1,999円
- 対応言語: 日本語対応未定
- ストアURL: https://store.steampowered.com/app/1793330/Brew/






