数あるインディーゲームの中でも、「死」をテーマにした作品は枚挙にいとまがない。しかし、単にリトライを繰り返すだけでなく、その死と生の狭間でプレイヤーに「選択」を突きつけてくる作品に出会うと、ゲーマーとしての血が騒ぐものだ。
今回紹介する『Duil』は、2025年11月28日にJL studioからリリースされたばかりのアクションプラットフォーマーだ。一見すると、かの名作『Dead Cells』を彷彿とさせるビジュアルや挙動が見受けられるが、本作はそこへ独自のRPG要素と、重厚なナラティブな選択肢を組み込むことで、全く異なる「手触り」を実現している。
崩壊した王国、復讐に燃える不死の主人公、そしてプレイヤーの良心を試す無数の扉。実際にプレイして感じた本作の魅力を、独自の視点からレビューしていこう。
「死」の代償はアイテムロスト。緊張感ある探索

本作の主人公「デュイル」は死ぬことができない。かつて栄華を誇ったターガット王国はアンデッドの軍勢により灰となり、家族を奪われたデュイルは復讐のために立ち上がる。
ゲームプレイの基本は、探索型アクション(メトロイドヴァニア)の文脈に近い。広大なマップを探索し、装備を整え、ボスを倒す。だが、本作の「死」の扱いは少々ユニークだ。体力が尽きるとゲームオーバーになるのではなく、「影の迷宮」という別の場所に落とされる。そこから生還すれば旅を再開できるのだが、ペナルティとしてインベントリからアイテムを1つ失うことになる。
この「全ロストではないが、確実に身を削られる」というバランスが絶妙だ。ローグライクほど絶望的ではないが、愛用していた強力な武器を失うかもしれないという恐怖が、一戦一戦に程よい緊張感を与えている。
色彩豊かなインベントリ管理と「重み」のある戦闘

本作のシステム面で特に光るのが、カラーコード化されたインベントリシステムだ。 赤(近接)、青(投射)、黄(スキル)、緑(召喚)、紫(特殊)、灰(パッシブ)と、スロットごとに役割が明確化されており、これらをどう組み合わせるかでプレイスタイルがガラリと変わる。
特に気に入ったのが「召喚」要素だ。異界のクリーチャーを呼び出し、自動で戦わせつつ自分は投擲武器で距離を取る、といったビルドが組めるのはRPG的で楽しい。
アクションの手触りに関しては、スピーディーというよりは「一撃の重み」を重視した調整だと感じた。ボタンを押してから攻撃が出るまでのタメ、敵のモーションを見極める間など、思考する余地がある。ハイスピードな斬り合いを期待すると最初は戸惑うかもしれないが、慣れてくるとこの「独特の間」がクセになってくる。敵の攻撃に合わせてこちらも一歩踏み込むような、ヒリヒリする駆け引きが味わえるのだ。
その扉を開けるのは「善」か「悪」か

『Duil』を単なるアクションゲームで終わらせていないのが、随所に散りばめられた「選択」の要素だ。 道中、プレイヤーは様々なNPCやイベントに遭遇する。凍えている旅人を救うのか、見捨てるのか。奇妙な依頼を受けるのか、拒絶するのか。
これらの行動は単なるフレーバーではなく、物語の結末、つまりエンディングに直結する。最初は「ただの経験値稼ぎ」だと思って斬り捨てた敵が、実は物語の裏側で意味を持っていたことに気づかされた時、背筋がゾクリとした。
「復讐」を遂げるために鬼となるか、それとも「慈悲」を見せて別の道を模索するか。プレイヤーの倫理観がそのままゲーム世界に反映されるナラティブな構造は、周回プレイへの強い動機付けとなっている。
総評:粗削りだが、光る原石のような魅力

削りな部分はある。一部の挙動やバランス調整には今後のアップデートに期待したい点もあるのが本音だ。しかし、それを補って余りある「世界観の深み」と「ビルド構築の楽しさ」がここにはある。
Steam Deckでのプレイも非常に快適で、携帯機でじっくりと腰を据えて探索するのにも向いている。 ピクセルアートで描かれたダークファンタジーの世界に浸り、自分の選択で結末が変わるカタルシスを味わいたいなら、『Duil』は間違いなく手に取るべき一本だ。
あなたは、この崩壊した世界を焼き尽くす復讐者になるだろうか? それとも――。 その答えは、あなた自身がプレイして確かめてほしい。
ゲーム概要
- タイトル: Duil
- ジャンル: アクションプラットフォーマー / RPG
- 開発 / 販売: JL studio
- 発売日: 2025年11月28日
- 価格: ¥ 1,400
- 対応言語: 日本語(字幕対応)、英語、他
- ストア: https://store.steampowered.com/app/1462030/Duil/
公式説明: Duil は RPG 要素を備えたアクション プラットフォーム ゲームです。邪悪に満ちた神秘的な世界を旅しましょう。魔法の生き物の軍隊を召喚し、この世界を焼き尽くしましょう。ゲームの結末はあなたの決断次第です。




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