もしあなたが、せっかくの休暇中に愛船を奪われ、片腕を失ったとしたらどうするだろうか? 答えはシンプルだ。失った腕にショットガンを装着し、奪った連中を地獄の底へ叩き落とせばいい。
2025年11月26日、Ciaran Games LLCよりリリースされた『Captain Wayne – Vacation Desperation』は、まさにそんなB級映画のような展開を地で行くレトロスタイルFPSだ。Steamではリリースからわずか48時間で200件以上のレビューを集め、「圧倒的に好評」を叩き出している。
一見するとコミカルなカートゥーン調の本作だが、その中身は往年の名作FPSへのリスペクトと、現代的なスピード感が融合した極上のシューターだった。実際にプレイして感じた、この「イカれた船長」の魅力をレビューしていく。
2000年代の「あの頃」を思い出させる手描きアートワーク

本作を起動してまず目を奪われるのは、その強烈なビジュアルスタイルだ。 『Pizza Tower』や『Cuphead』を彷彿とさせる手描きアニメーションは、かつて「Newgrounds」などのFlash動画サイトや、深夜のカートゥーンネットワークで見たような、どこか懐かしくも狂気に満ちたエネルギーを放っている。
敵キャラクターたちはコミカルに動き回るが、撃てば鮮やかに弾け飛ぶ。この「カワイイ」と「バイオレンス」のギャップが、本作独特のドライなユーモアを生み出している。カットシーンの演出も意図的に粗く、当時のインターネット動画のような質感を再現しており、刺さる人にはとことん刺さる美学を感じた。
GZDoomエンジンが唸る、超高速の「破壊」体験

ビジュアルはポップだが、ゲームプレイは驚くほどハードコアだ。 本作は『DOOM』の改造エンジンとしても有名な「GZDoom」を採用しており、その操作感は極めてスムーズかつ高速。WASD移動とジャンプ、そして射撃。基本はシンプルだが、敵の弾幕を紙一重でかわし、ショットガンアームを敵の顔面に叩き込む爽快感は筆舌に尽くしがたい。
武器のバリエーションもユニークだ。基本となる二連式ショットガンアーム(Ol’ Reliable)に始まり、指先から弾丸をばら撒くチェーンガンフィンガー、爆発するココナッツなど、海賊×サイバーパンクなガジェットが揃う。 特に近接攻撃のパンチやキックの重みが素晴らしく、弾切れを恐れずに敵の懐へ飛び込むインファイトが推奨されるバランスも好印象だ。
バカンスを邪魔された怒りは海よりも深い

ストーリーは至ってシンプル。「キラーホエールズ(The Killer Whales)」と呼ばれる傭兵団にバカンスを台無しにされたウェイン船長が、復讐のために島中を焼き尽くすというもの。
この単純明快さが、このゲームのテンポを一切損なわない。小難しい謎解きや、長ったらしい会話劇は最小限。あるのは「進む」「撃つ」「爆発する」という純粋なアクションへの没入感だけだ。 全8つのゾーンはそれぞれ異なるテーマで構成されており、飽きさせない。キャンペーンモード以外にも、ひたすら敵を倒し続けるエンドレスモードが用意されており、スコアアタックやストレス発散にも最適だ。
総評:1,100円で買える極上のカオス

『Captain Wayne – Vacation Desperation』は、FPS黄金時代の魂を継承しつつ、独自の強烈な個性を確立した傑作だ。 プレイ時間はキャンペーンのみで数時間程度と短めだが、その密度は非常に濃い。中だるみすることなく、最初から最後までアクセル全開で駆け抜けられる。
バグや粗削りな部分が全くないわけではないが、それを補って余りある「楽しさ」がここにはある。この価格帯でこれほどエネルギッシュな体験ができるゲームは稀有だ。 スカッとしたい気分の時、あるいは古き良きインターネットの空気を吸いたい時、この船長と共に暴れ回ってみてはいかがだろうか。
ゲーム概要
- タイトル: Captain Wayne – Vacation Desperation
- ジャンル: レトロFPS / ブーマーシューター
- 開発: Ciaran Games LLC
- パブリッシャー: Silver Lining Interactive
- 発売日: 2025年11月26日(2025年12月10日まで10%セール中)
- 価格: 1,100円
- 対応言語: 日本語(字幕対応)、英語
- ストア: https://store.steampowered.com/app/2319790/Captain_Wayne__Vacation_Desperation/







