空を見上げても、そこにあるのは空ではなく「壁」だった。 どこまでも高く、どこまでも続く、無限の壁。重力に逆らうように垂直に広がるこの世界で、相棒の巨大な「ロボスパイダー」と共に生き抜く。そんなロマン溢れる設定で人気を博した採掘ローグライトの続編、『Wall World 2』がついに登場した。
前作のシンプルかつ中毒性の高いループはそのままに、新たなバイオーム、ストーリー、そして「壁の中」での戦闘など、野心的な新要素を詰め込んで帰ってきた本作。実際にドリルを握りしめ、終わらない壁の旅へと出発した筆者のプレイレポートをお届けしよう。
「掘る・吸う・守る」の黄金サイクル

本作の基本にして最大の魅力、それは「採掘」の気持ちよさにある。 ロボスパイダーで壁に取り付き、ドリルで岩盤をガリガリと削る。そして散らばった資源を、掃除機のようなバキュームで「ズオオオオッ」と一気に吸い込む。この一連の動作が、視覚的にも聴覚的にもたまらなく心地よい。
だが、無心で掘っているだけでは生き残れないのがこの世界の掟だ。定期的に襲来する怪物の群れ(ウェーブ)が、愛機スパイダーを容赦なく攻撃してくるからだ。 「あと少しでレア鉱石が掘れそう……でも敵が来る!」 このギリギリの判断、欲張るか退くかのチキンレースが、プレイヤーの脳内物質をドバドバと分泌させる。スパイダーに戻り、タレットを操作して敵を蜂の巣にする爽快感と、採掘の静寂。この「静」と「動」の切り替えが、前作以上に洗練されている。
スパイダーを降りて戦う、新たな緊張感

『Wall World 2』最大の変化といえば、主人公である鉱夫自身が武器を手に取り、坑道内部で戦うアクション要素の強化だろう。 前作ではあくまでスパイダーが主役だったが、今作では壁の内部にも凶悪なクリーチャーが巣食っている。狭く暗い坑道で、限られた弾薬を頼りに進む探索は、エイリアン映画のようなスリルがある。
坑道内にはパズル要素や、特定のギミックを作動させるミッションなども用意されており、単なる資源集めだけではない「探索」の深みが増している。スパイダーという「安全地帯」から離れるリスクを冒してでも、その奥にある古代のテクノロジーを手に入れたい……そんな冒険心がくすぐられるのだ。
ミッション制が生む「攻略」の面白さ

ゲーム進行は、広大な壁をひたすら進む形式から、拠点となる「スフィア・シティ」を中心に、各地へ出撃するミッション形式へと変化した。 これにより、「今回は特定の資源を集める」「ボスの情報を探る」といった明確な目的を持ってプレイできるようになった。
ミッションごとにスパイダーの装備構成を考えたり、拠点のバーで一杯引っ掛けて(一時的なバフを得て)から出撃したりと、出撃前の準備も楽しいひとときだ。ローグライト特有の「死んで覚える」要素に加え、持ち帰った資源で永続的なアップグレードを行うメタプログレッション要素もしっかり完備。少しずつ、しかし着実に強くなっていく実感は、時間を忘れて没頭させてくれる。
総評:壁の向こうに見る、インディーゲームの進化

もちろん、手放しで褒められる点ばかりではない。ミッションごとに装備がリセットされる仕様には好みが分かれるかもしれないし、初期状態の移動速度など、テンポ感で気になる部分もある。だが、開発元のAlawarは精力的にアップデートを行っており、バランス調整も日々進んでいる。
何より、この独特なビジュアルと世界観は唯一無二だ。雷雨が叩きつける壁面、雪に覆われた極寒のバイオーム、そして画面を埋め尽くす巨大ボス「リヴァイアサン」の威圧感。 ドット絵で描かれる緻密な「壁」の世界は、眺めているだけでもワクワクする。
もしあなたが、『Dome Keeper』のような採掘防衛ゲームが好きなら、あるいは巨大ロボットで未知の世界を旅することにロマンを感じるなら、『Wall World 2』は間違いなくマストバイだ。 さあ、エンジンを始動させろ。壁の果て、そして深淵なる謎が、君の挑戦を待っている。
ゲーム概要
- 開発元: Alawar
- パブリッシャー: Alawar
- 発売日: 2025年11月11日
- 価格: 1,400円
- ジャンル: ローグライト / 採掘シミュレーター / タワーディフェンス
- プラットフォーム: PC (Steam)
- 日本語対応: あり
- ストアリンク: https://store.steampowered.com/app/3467710/Wall_World_2/?l=japanese







