無心になって穴を掘りたいと思ったことはないだろうか。それも、気の合う(あるいは仲の悪い)友人たちと一緒に。
2025年11月21日にリリースされた『Digging Together』は、祖父の地図を頼りにひたすら地面を掘り進める、最大4人協力プレイ対応の採掘アクションゲームだ。開発はSuber Game Studio、パブリッシャーは『ハウスフリッパー』などで知られるシミュレーター界の重鎮PlayWay S.A.が担当している。
価格は驚きの580円。コーヒー1杯分の値段で、地底の財宝と、友人との罵り合いが手に入る。今回は、実際にツルハシを担いで潜ってみたインプレッションをお届けする。
掘って、運んで、売りさばく。シンプルゆえの中毒性

本作の基本ループは至ってシンプルだ。ツルハシやドリルで土を掘り、出てきた鉱石を地上の換金所まで運び、得た資金で装備を強化する。そしてまた深く掘る。この繰り返しだ。
しかし、単純作業だと侮るなかれ。本作には「物理」と「兵站」の概念がある。掘り出した鉱石はインベントリに魔法のように消えるわけではない。実際に「モノ」として転がり、それを抱えて(あるいはバックパックに詰めて)運搬する必要があるのだ。
深く掘り進めれば進むほど、地上への往復は困難になる。ハシゴをかけるか、足場を残して階段状に掘るか、それとも貯めた金でエレベーターやテレポーターを設置するか。チームの「現場監督」としての判断が常に試される。
作業に没頭していると、不思議な「禅」の境地に達する瞬間がある。土を崩す心地よい音、少しずつ広がる地下空間。ソロプレイでは、この静かな開拓の喜びを噛みしめることができるだろう。
友情で掘るか、ダイナマイトで破壊するか

だが、本作の真価はやはりマルチプレイにある。ソロでの「禅」は、マルチプレイでは「カオス」へと変貌するからだ。
協力モードでは役割分担が鍵となる。「俺がドリルで先行するから、お前は運搬を頼む」「照明係が必要だ、暗くて何も見えん!」といった具合に、自然とボイスチャットは現場の無線のような熱気を帯びてくる。
一方で、本作には「トレジャーハント」という対戦モードも用意されている。これは友情破壊の合図だ。同じマップで誰が一番早くお宝にたどり着くかを競うのだが、ここでのダイナマイトは単なる採掘道具ではない。ライバルの頭上に土砂を降らせ、退路を断つための凶器となる。
「おい、ハシゴ外したの誰だ!」「誤爆だ、誤爆!」――地底に響き渡る絶叫。意図的な妨害も、操作ミスによる事故も、すべてが笑いに変わる。この物理演算特有の予期せぬ挙動こそが、本作最大のスパイスとなっている。
580円で味わう「愛すべき粗さ」とロマン

正直に言おう、このゲームはAAAタイトルのように磨き上げられた完璧な作品ではない。
キャラクターの挙動は少しフワフワしているし、パルクールのようなジャンプアクションを求められる場面では、その判定のシビアさにギリギリと歯噛みすることもあるだろう。地形に引っかかることだってある。
しかし、580円という価格設定と、インディーゲーム特有の「手作り感」を前にすれば、それすらも愛嬌に思えてくる。むしろ、その不自由さの中で工夫して攻略すること自体が遊びの一部なのだ。
クリアまでの時間は数時間程度と短めだが、週末の夜にフレンドを集めて、サクッと遊んで大笑いして終わるには最高のボリューム感と言える。深く考えず、ただ本能のままに穴を掘り、たまに友人を爆破したいなら、『Digging Together』は間違いなく買いの一本だ。さあ、スコップを手に取れ。地底にはロマンが埋まっている。
ゲーム概要
- タイトル: Digging Together
- ジャンル: 採掘アクション / シミュレーション
- 開発元: Suber Game Studio, Cem Bal
- パブリッシャー: PlayWay S.A.
- 発売日: 2025年11月21日
- 価格: 580円
- 日本語対応: 日本語字幕対応
- ストアURL: https://store.steampowered.com/app/3938040/Digging_Together/







